リリースノートからUbuntu 15.10の変更点をピックアップ
リリースノートからUbuntu 15.10の変更点を見てみます。ここでは一般的なデスクトップユーザーに関係する内容を中心に、変更点をピックアップします。
Ubuntu 15.10のリリースノートは、以下を参照してください。
Ubuntuのフレーバーのリリースノートは、以下から参照してください。
更新されたパッケージ
Ubuntu 15.10では、様々なパッケージ(アプリやソフト)が更新されています。多くのパッケージは、Debianの不安定版(unstable branch)から自動取得していますが、Ubuntu 15.10向けに選別して取得したパッケージも存在します。
Ubuntu 15.10で更新されたパッケージの一覧は、「wily-changes」を参考にしてください。
Linux kernel 4.2
Ubuntu 15.10では、Linux kernel 4.2をベースとしたLinux Kernelを採用しています。Ubuntu 15.04で採用していたLinux kernelのバージョンは3.19でした。
従って、3回バージョンアップしていることになります。
これにより、新しいハードウェアのサポートなど機能が追加されています。
- 新しいRadeonグラフィックカードのサポート
- Intel Broxtonのサポート
- F2FSファイルシステムの暗号化のサポート
- NV-DIMMのサポート
Ubuntu 15.04からUbuntu 15.10までのLinux kernelの変更点は、以下を参考にしてください。
Unity
Unityでは多くの不具合修正を行っており、Dashの安定性が増しています。また、いくつか新機能を追加しています。
ウィンドウメニュー(LIM)では、フォーカスがないウィンドウでも有効になります。
Compiz
不具合の修正と改善が行われています。MATEとCompizの組み合わせによる利用も、改善されています。
Firefox
Firefoxは、バージョンは41にアップデートされています。Chromium
Chromiumは、バージョンは45にアップデートされています。LibreOffice
LibreOfficeは、バージョンは5.0.2にアップデートされています。LibreOfficeのリリースノートは、「LibreOffice 5.0 Release Notes」を参考にしてください。
その他
MATEは1.10にアップデートされています。GNOMEは3.16がベースになっています。
Blueman 2.0が利用でき、いくつかのフレーバーではBlueZ 5.35とともに利用します。
既知の不具合や注意点
Ubuntu 15.10に関する既知の不具合や注意点です。VirtualboxにUbuntu 15.10をインストール後、仮想マシンが再起動しない
VirtualboxにUbuntu 15.10をインストール後再起動時に、Ubuntu 15.10のディスクイメージが排出されますが、再起動を促される画面で「エンター」キーを押しても仮想マシンが再起動しません。Ubuntu 15.10のインストールが完了した後、仮想マシンをオフにして再度仮想マシンを起動してください。
不具合の詳細は、「Shutdown/Restart of live session guest does not work in Virtualbox or VMWare」を参考にしてください。
Mac向けのディスクイメージがamd64に統合された
Mac向けのディスクイメージがamd64に統合されました。そのため、以前提供されていたMac向けのディスクイメージ(amd64+mac)は、提供されません。
(ここでいうMacは、Intel CPUを採用したMacのことです。またamd64とは、PC向けのUbuntu 15.10 64bit版のことです。)
ファームウェアが最新なら、EFIから直接amd64のディスクイメージからUbuntu 15.10を起動できます。
もしMacでUbuntu 15.10が起動できない場合は、ファームウェアが最新の状態になっているか確認してください。
最新のファームウェアで起動しない場合は、amd64のディスクイメージにパッチを充ててから、再度Ubuntuを起動してみてください。
それでも起動しない場合は、Ubuntu 15.10 32bit版を使用してください。
ブータブルUSBの作成
Ubuntu 14.04以前で利用できる「ブータブルUSBの作成」では、Ubuntu 15.04以降のディスクイメージを使用してUSB起動ディスクを作成することができません。同様に、Ubuntu 15.04以降で利用できる「ブータブルUSBの作成」では、Ubuntu 14.04以前のディスクイメージを使用してUSB起動ディスクを作成することができないでしょう。
「ブータブルUSBの作成」は、USBメモリを利用してUbuntuの起動ディスクを作成するアプリのことです。
標準でインストールされています。
この不具合の詳細は、以下を参考にしてください。
- failed to boot from USB disk with error: gfxboot.c32: not a COM32R Image boot:
- usb-creator fails to run syslinux due to architecture mismatch
- Early Syslinux Boot Error in pendrive made with the Ubuntu Startup Disk Creator
強制的にUEFIでインストールするか確認する画面が表示される
空のHDDにUbuntu 15.10をUEFIでインストールする際、ユーザーが自分でパーティションを作成する画面で、強制的にUEFIでインストールするか確認する画面が表示されます。HDD内に何もデータが存在していないにも関わらず表示される確認画面なので、この確認画面は無視してよいです。
ただし、この画面を閉じることができず、インストールを続行することができません。
事前に「gparted」等でEFIシステムパーティションを作成しておけば、この不具合を回避できます。
この不具合の詳細は、「"Force UEFI" dialog displayed if user selects custom partitioning」を参考にしてください。
DELL XPS 13でUbuntuが起動できない
DELL XPS 13でUbuntu 15.10をインストールする際、インストーラーでディスクを削除してUbuntuをインストールすると、UEFIのブートマネージャーが期待するOSローダーが見つからないため、Ubuntuを起動できません。自分でUEFIのブートマネージャーにUbuntuのOSローダーを登録する必要があります。
この不具合の詳細と回避策は、「EFI is wiped on wipe whole disk and install」を参考にしてください。
ライブセッション上で自分でインストールしたドライバーはHDDにインストールされない
ライブメディアから起動したUbuntu上(ライブセッション)で自分でインストールしたドライバーは、HDDにインストールしたUbuntuにインストールされません。Ubuntuインストール後、ライブメディアからドライバーをインストールしてください。
この不具合の詳細は、「In a live session installing binary drivers, stops them from installing on the system」を参考にしてください。
インストーラーのウィンドウの装飾がなくなる
インストーラーのみ起動するモードでUbuntu 15.10をインストールする場合、ランダムに「unity-system-settings」がクラッシュします。インストーラーのみ起動するモードとは、ライブメディアからUbuntuを起動した時に「Install Ubuntu」を選択した時のモードです。
この不具合により、インストーラーのウィンドウの装飾がなくなるなど、ウィンドウの見た目が変わってしまいますが、インストールに影響はありません。
この現象が発生しても、そのままインストールを続行してください。
この不具合の詳細は、「ubiquity only mode: close/minimize/restore are on the right edge」を参考にしてください
アップグレード時にキーボードレイアウトが不正になる
Ubuntu 15.04からUbuntu 15.10へアップグレードした際、一部のキーボードレイアウトでは、設定が引き継がれずに異なるキーボードレイアウトが設定されます。アップグレード後に、キーボードレイアウトを再設定してください。
この不具合の詳細は、「Keyboard layout reset to en_US after an upgrade from Utopic to Vivid」を参考にしてください。
Radeonのプロプライエタリードライバーが利用できない
Radeonのプロプライエタリードライバーは、Linux Kernel 4.2と互換性がないため、Ubuntu 15.10でRadeonのプロプライエタリードライバーは利用できません。Ubuntu 15.04からUbuntu 15.10へアップグレードする人は、事前にRadeonのドライバーをオープンソースのドライバーに切り替えてから、Ubuntu 15.10へアップグレードしてください。
新規にUbuntu 15.10をインストールする人は、オープンソースドライバーが使用されます。
この不具合の詳細は、「FGLRX incompatible with kernel 4.2」を参考にしてください。