Build 14965の変更点
2016年11月9日にリリースされた「Build 14965」の「WSL」に関する変更点です。リリースノート
変更点の詳細は、リリースノートを参照してください。機能の追加や改善
「Build 14965」で行われた機能の追加や改善です。リリースノートに記述されていない機能の改善も行われています。
1.NETLINK_ROUTEソケットのサポート改善
「NETLINK_ROUTE」ソケットの以下のメッセージタイプがサポートされました。- RTM_GETLINK
- RTM_GETADDR
これにより改善される不具合については、以下を参照してください。
ネットワーク情報の列挙が可能に
このサポートにより、「ifconfig」コマンドや「ip」コマンドによるネットワーク情報の列挙が可能になりました。2./sbinをユーザーのPATH環境変数に追加
デフォルトで「/sbin」がユーザーの「PATH」環境変数に追加されました。3.WindowsのPATH環境変数をユーザーのPATH環境変数に追加
Windowsの「PATH」環境変数の内容が、「WSL」のユーザーの「PATH」環境変数に追加されました。これで「DrvFS」のパスを別途追加しなくても、Windowsアプリを簡単に起動できるようになりました。
例えばユーザーが「/mnt/c/Windows/System32」パスを指定しなくても、「notepad.exe」を実行すればメモ帳を起動できます。
4./proc/sys/kernel/cap_last_capのサポート
「/proc/sys/kernel/cap_last_cap」が利用できるようになりました。5.非アスキー文字の作業ディレクトリーに対応
現在の作業ディレクトリーに非アスキー文字(日本語など)が含まれていても、「WSL」からWindowsバイナリーを実行できるようになりました。これにより改善する不具合は、以下を参照してください。
6.シャットダウン時にソケットの切断が可能に
シャットダウン時、UNIXストリームソケットを切断できるようになりました。7.PR_GET_PDEATHSIGのサポート
「PR_GET_PDEATHSIG」がサポートされました。8.CLONE_PARENTのサポート
「CLONE_PARENT」がサポートされました。9.ハンドルの要求
現在のターミナルへの接続にハンドルを要求するようになりました。10.oom_score_adjが書き込み可能に
「/proc/プロセスID/oom_score_adj」が書き込み可能になりました。11./sys/fs/cgroupの追加
「/sys/fs/cgroup」フォルダーが追加されました。12./proc/net/devの実装
「/proc/net/dev」が実装されました。13./proc/self/environの実装
「/proc/self/environ」が実装されました。不具合の修正
「Build 14965」で行われた機能の追加や改善です。リリースノートに記述されていない不具合の修正も行われています。
1.パイプ処理のエラーの修正
以下のようなコマンドを実行した時に、パイプ処理が停止してしまう問題が修正されました。
bash -c "ls -alR /" | bash -c "cat"
これにより改善する不具合は、以下を参照してください。
2.sched_setaffinityの修正
「sched_setaffinity」は、「affinity」ビットマスクの数を返すようになりました。3.ELF検証処理の修正
インタープリターのパスが64文字以内を前提としたELF検証処理が修正されました。これにより改善する不具合は、以下を参照してください。
4.コンソールウィンドウが無反応になる不具合の修正
ファイルディスクリプターを開いたジョブがある状態でコンソールウィンドウを閉じると、コンソールウィンドウが無反応になる不具合が修正されました。5.renameの修正
rename()関数実行時、パスの終わりに「/」が含まれていると実行に失敗する問題が修正されました。これにより改善する不具合は、以下を参照してください。
6.pingの修正
タイマーの解像度により、「ping」が「0.000ms」になってしまう問題が修正されました。Linux Test Projectのテスト結果
「Linux Test Project(LTP)」は、「Linux Kernel」やカーネルに関連した機能の信頼性、頑健性、安定性のテストを行うテストスイートを開発しているプロジェクトです。「WSL」は「Linux Kernel」相当の機能を提供するソフトウェアであり、「Linux Test Project」で「WSL」のテストを行った結果が公開されています。
- テストに合格した項目数:664(前回:665)
- テストに失敗した項目数:263(前回:263)