リポジトリ
リポジトリは複数のUbuntuのバージョンに対応していることが多く、パッケージのインストールやアップデートを正常に行うにはリポジトリが現在動作しているUbuntuのバージョンを参照している必要があります。Ubuntuのアップグレード時に標準のリポジトリ以外は自動的に無効になります。
アップグレード後に自分で追加したリポジトリを有効にする時は、以前のUbuntuのバージョンを参照したままになっていないか確認する必要があります。
もしその状態でパッケージをアップデートしようとすると、場合によっては依存関係が満たせず正常にパッケージをアップデートできなくなります。
ソフトウェアの動作にも支障が出ることがあるので、リポジトリが現在動作しているUbuntuのバージョンを参照しているか確認しておくと良いでしょう。
「アップデートマネージャー」や「ソフトウェアの更新」でエラーが出る時もあれば、出ない時もあります。
エラーが出ていなければ問題がないというわけではなく、たまたま問題が出ていない、問題は出ているけど軽微で気付いていない、と捉えたほうが良いでしょう。
リポジトリに指定するUbuntuのバージョンは開発コードの一部になります。
例えばUbuntu 12.10の場合、「quantal」になります。
開発コードは「Releases」を参考にすると良いでしょう。
リポジトリの確認
「ソフトウェアソース」の画面で確認することもできますが、ここではSynapticで確認します。Synapticを利用するとリポジトリの確認が一覧でできるためです。
ここではUbuntu 12.04からUbuntu 12.10へアップグレードした環境で確認しています。
1.リポジトリの一覧表示
Synapticを起動し、左下のボタンから「由来」ボタンをクリックします。2.リポジトリの確認
リポジトリの一覧が左に表示されるので、開発コードを確認していきます。確認していくと「precise」を参照しているリポジトリが見つかりました。
「LP-PPA-app-review-board/precise」は、ソフトウェアソースで「独立」と表示されているリポジトリです。
ちなみに「/main(archive.ubuntulinux.jp)」は、Ubuntu Japanese Teamのリポジトリです。
こちらは開発コードが表示されていませんが、「ソフトウェアソース」の画面で確認することができます。
3.ソフトウェアソース
Synapticからソフトウェアソース画面を開き、「他のソフトウェア」タブをクリックします。「独立」リポジトリが2つあるので、リポジトリの設定を両方とも変更します。
「独立」リポジトリを選択して「編集」ボタンをクリックします。
4.リポジトリの編集
ディストリビューションが「precise」になっています。これを「quantal」に変更します。
「OK」ボタンをクリックします。
「独立 (ソースコード)」リポジトリも同じように変更します。
5.パッケージインデックスファイルの更新
Synapticの「再読込」ボタンをクリックしてパッケージインデックスファイルを更新します。6.更新完了
以下のように「LP-PPA-app-review-board/precise」リポジトリが「LP-PPA-app-review-board/quantal」に変わり、正しいUbuntuのバージョンを参照するようになりました。これでいつも通りにパッケージのアップデートやインストールを行うことができます。
もしパッケージインデックスファイル更新時にリポジトリが見つからないといったエラーが表示される場合は、そのリポジトリは指定されたUbuntuのバージョンに対応していない可能性があります。
リポジトリがどのUbuntuのバージョンに対応しているか確認するには、リポジトリを管理しているサイトやパッケージの配布元を調べると良いでしょう。