lm-sensors
lm-sensorsは、ハードウェア監視センサーの検出やセンサーから情報を取得し表示するコマンド群です。CPUの温度やファンの回転数等の情報を取得し表示できます。
注意
情報を読み解くには、ある程度ハードウェアの知識が必要です。また表示される内容は、ハードウェア構成により異なります。
情報を取得できないハードウェアも存在します。
インストール
Ubuntuソフトウェアセンターを起動し、「lm-sensors」で検索します。「インストール」ボタンをクリックします。
アドオンについて
アドオンは特に必要ありません。センサーの検出とカーネルモジュールの読み込み
まずはセンサーの検出を行い、必要に応じてセンサーのカーネルモジュール(ドライバー)を読み込みます。端末を起動し以下のコマンドを実行します。
sudo sensors-detect
1.スキャン開始
コマンドを実行すると、システムの情報やマザーボードの型番が表示されます。適当に意訳します。
このプログラムはlm_sensorsを効果的に利用できるよう、センサーを検出し読み込む必要があるカーネルモジュールを調べる。センサーを調べる処理をいくつか行うが、不必要な処理なら飛ばすことができる。処理を行うかどうか事前に聞く。その処理が必要かどうかよく分からなければ、質問はデフォルト(大文字の選択肢)を選ぶといい。デフォルトの選択肢は基本的に安全だしお勧めだ。何も入力せず「エンター」キーを押すと、デフォルトの選択肢が選ばれる。
さて、サウスブリッジやCPU、メモリーコントローラーを調べるけどいいかな?
ここでは「エンター」キーを押して、センサーを調査します。
2.サウスブリッジ・CPU・メモリーコントローラーの検出結果
検出できたセンサーは「Success !」と表示されます。以下の画像では「Intel digital thermal sensor」が検出されています。
またそのセンサーに対応したカーネルモジュールは「coretemp」であることが分かります。
次にSuper I/Oチップを調べます。
「エンター」キーを押して、センサーを調査します。
3.Super I/Oの検出結果
検出できたセンサーは「Success !」と表示されます。以下の画像では「Nuvoton NCT6776F Super IO Sensors」が検出されています。
またそのセンサーに対応したカーネルモジュールは「w83627ehf」であることが分かります。
次にIPMIを調べます。
「エンター」キーを押して、センサーを調査します。
4.IPMIの検出結果
IPMIはサーバー向けの機能ですので、一般的なPCに搭載されていることは殆ど無いでしょう。次にISA接続のセンサーを調べます。
「NO」がデフォルトになっていますが、「yes」を入力して「エンター」キーを押し、センサーを調査します。
もしこの調査でPCがフリーズする場合は、次回この調査を飛ばしてください。
5.ISAの検出結果
最近のPCでは搭載されていないようです。最後にI2C/SMBusアダプターを調べます。
もしこの調査でPCがフリーズする場合は、次回この調査を飛ばしてください。
6.I2C/SMBusアダプターの検出結果
まず調査に必要なモジュールがロードされます。SMBus I801アダプターを調べます。
「Yes」と表示されても「(confidence 8, not a hardware monitoring chip)」と表示さている場合は、センサーではありません。
これでセンサーと必要なカーネルモジュールの調査は終わりです。
「エンター」キーを押します。
7.カーネルモジュールの表示
必要なカーネルモジュール(Driver)の一覧が表示されます。これらのモジュールを起動時に読み込むように、システムの設定ファイル(/etc/modules)を変更する必要があります。
「#----cut here----」から「#----cut here----」内の出力をコピーして「/etc/modules」ファイルに貼り付ける必要がありますが、ここで「yes」を入力して「エンター」キーを押すと、ファイルを修正してくれます。
以下のように「# Generated by sensors-detect」の記述があればOKです。
8.完了
これで作業終了です。後はカーネルモジュールを有効にするためにPCを再起動するか、すぐに有効にしたい場合は以下のコマンドを実行します。
sudo service module-init-tools start
アンインストール時の注意事項
「lm-sensors」アンインストール時に「/etc/modules」ファイルにカーネルモジュールの記述が残っていないか確認してください。「# Generated by sensors-detect」以下にセンサー用カーネルモジュールの記述が残っていた場合は、直接「/etc/modules」ファイルをテキストエディターで開き、記述を削除してください。
残ったままでも致命的な問題は起きませんが、Ubuntuの起動処理に余計な時間がかかるようになります。