ネットワークプリンター
ネットワークプリンターは他のPCで共有・公開されているプリンターです。プリンターの共有方法にはいくつか種類があり、プリンターを公開しているPC等により異なります。
Ubuntuのプリンター共有
Ubuntuではプリンターの共有を行うと、IPPとDNS-SDでプリンターを他のPCに公開します。DNS-SDによって公開されたプリンターは、自動的に検出され「印刷」に表示されます。
また、これらのプリンターは追加やドライバーのインストール等の作業は必要なく、すぐに利用することができます。
もちろん登録することも可能です。
従ってUbuntu同士では簡単にプリンターの共有と利用を行うことができます。
ただし、CUPSのバージョンがお互いに異なると、接続に問題が発生する事があるようです。
Ubuntuで共有プリンターを表示するには
「サーバーの設定」で「他のシステムで共有されているプリンターを表示する」をオンにしてください。また、「表示」メニューの「検出されたプリンター」をクリックしてチェックを入れてください。
共有プリンターが表示されるまで、最大で30秒程度かかります。
ネットワークの状況にもよるので、少し長めに待ってみるのもよいでしょう。
この方法で表示されない共有プリンターや、表示された共有プリンターを追加したい場合は、後述する各方法でプリンターの追加を行う必要があります。
表示された共有プリンターを追加すると、プリンタのプロパティを設定することができます。
自分がよく使う設定を予めセットしておきたい時に、利用すると良いでしょう。
Ubuntu/Mac OS Xの共有プリンターを追加する場合
IPPを利用します。Windowsの共有プリンターを追加する場合
Windows側でどのような方法で共有を行なっているかによりますが、SambaやHTTPSがよく使われます。ネットワークプリンターの追加
ネットワークプリンタを追加します。1.デバイス選択画面の表示
「追加」ボタンをクリックします。2.デバイスの選択
以下の画面が表示されます。デバイスの選択肢は、プリンターの共有方法により適切な選択肢を選びます。
プリンターの共有方法は、プリンターを共有(公開)しているPCの設定を確認してください。
プリンターを共有(公開)しているPCをここではホストと表記し、そのプリンターを利用する側をクライアントと表記します。
「デバイス」一覧の「ネットワークプリンター」カテゴリを開くと、Ubuntuで対応しているプリンターの共有方法が表示されます。
また、プリンターURIが明確になっている場合は、「デバイス」一覧の「URIの入力」を選択し、プリンターのURIを直接入力する方法もあります。
ドライバーのインストールについて
ドライバーの扱いは「USB接続のプリンターを登録する」と同じです。DNS-SD(ホスト名)
DNS based Service Discoveryの略でZeroconfの仕組みの一つです。Mac OS XではBonjourという名称で実装され、UbuntuではAvahiがこれを実装しています。
簡単に説明するとZeroconfは、接続されているハードウェア等のサービス情報を自動的に設定し、各PCで利用・検出できるようにする仕組みです。
Avahiは標準でインストールされています。
クライアントから見た場合、DNS-SD自体はサービスの検出や利用に使用するもので、印刷処理はIPP等が利用されます。
ホストの選択
「デバイス」一覧のホスト名をクリックすると、そのホストがAvahiで共有しているプリンターの一覧が表示されます。ホストの検索は自動的に行われます。
ホスト自身もAvahiで検出されています。
上記の画像ではホスト「u32vb」が検出され、画面右側下部の「接続」に「u32vb」が共有しているプリンターの一覧が表示されいます。
以下はデバイスURIの一例です。
dnssd://EPSON%20PX-A620%20%40%20u32vb._ipp._tcp.local/cups
プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
後は「USB接続のプリンターを登録する」と同じ手順です。
ネットワークプリンターを検索
IPアドレスやホスト名から、そのPCが共有しているプリンターを検索します。1.ホスト名の入力
「ホスト名」にホスト名かIPアドレスを入力して「検索」ボタンをクリックします。2.ネットワークプリンターの選択
「接続」にそのホストが共有しているプリンターの一覧が表示されます。また検索したホストは「デバイス」一覧に表示されます。
IPP
IPPの場合、以下のように頭にIPPが付きます。各プリンターを選択すると、「デバイスURIの入力」に選択されたプリンターのURIが入力されます。
プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
Ubuntuの共有プリンターを追加する場合はこの方法か、後述の「インターネット印刷プロトコル(ipp) 」で追加するとよいでしょう。
Samba
Sambaの場合、以下のように頭にSambaが付きます。各プリンターを選択すると、「smb://」に選択されたプリンターのURIが入力されます。
設定内容については後述の「Samba経由のWindowsプリンター」を参照してください。
各種設定が完了したら、「進む」ボタンをクリックします。
インターネット印刷プロトコル(ipps)
IPPSはIPPの通信をSSLで暗号化したものです。HTTPに対するHTTPSみたいなものです。
デバイスURIの入力
例のようにデバイスURIを入力します。ただしスキームの表記が例では「ipp://」となっていますが、「ipps://」と入力してください。
プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
後は「USB接続のプリンターを登録する」と同じ手順です。
AppSocket/HP JetDirect
ヒューレットパッカードが販売しているネットワークプリンタ用のインターフェースです。個人では使わないでしょう。
ホスト名
プリンターのホスト名を入力します。ポート番号
プリンターのポート番号を入力します。設定を入力したら「進む」ボタンをクリックします。
インターネット印刷プロトコル(ipp)
CUPSで広く使われる共有方法です。Ubuntuでも標準的に利用されます。
IPPはInternet Printing Protocolの略で、ネットワーク上でプリンターを公開する方法の一つです。
IPPではプリンターやジョブを制御する方法が定められており、インターネットを介して印刷を行うこともできます。
デバイスURIの入力
例のようにデバイスURIを入力します。プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
後は「USB接続のプリンターを登録する」と同じ手順です。
インターネット印刷プロトコル(ipp14)
CUPS 1.4のIPPで接続する際に利用します。ホストがCUPS 1.4のIPPでプリンターを公開している場合、IPP14を選択します。
CUPS 1.4はUbuntu 11.10等でインストールされています。
デバイスURIの入力
例のようにデバイスURIを入力します。ただしスキームの表記が例では「ipp://」となっていますが、「ipp14://」と入力してください。
プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
後は「USB接続のプリンターを登録する」と同じ手順です。
インターネット印刷プロトコル(https)
WindowsではIPPSの代わりに、HTTPSでプリンターを共有する方法を提供しています。デバイスURIの入力
例のようにデバイスURIを入力します。ただしスキームの表記が例では「ipp://」となっていますが、「https://」と入力してください。
プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
後は「USB接続のプリンターを登録する」と同じ手順です。
LPD/LPRホストまたはプリンター
「Line Printer Daemon protocol/Line Printer Remote protocol」の略で、古くからあるプロトコルです。あまり使われることは無いでしょう。
ホスト名
ホスト名を入力します。「検出」ボタン
入力されたホスト名からキューの一覧を検索します。キュー
キューの名称を入力します。プリンターを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
Samba経由のWindowsプリンター
Windowsでよく利用されるプリンターの共有方法です。smb://
SMBのURIを入力します。「閲覧」ボタンをクリックして共有プリンターを選択すると、SMBのURI入力が簡単に行えます。
「smb://」のフォーマットはすぐ下に書かれています。
「閲覧」ボタン
Samba上で共有されているプリンターの一覧をホスト毎に表示します。「更新」ボタン
プリンターの一覧を更新します。「更新」ボタン
プリンターの一覧を更新します。「OK」ボタン
選択されたプリンターのURIを「smb://」に反映します。認証
Sambaがユーザー認証の認証方法を選択します。認証が必要な場合にユーザーに要求する
ユーザー認証が必要なときに、ユーザー名とパスワードを入力する画面を表示します。詳細な認証情報を設定する
予めユーザー名とパスワードを入力します。「確認」ボタン
必要に応じてユーザー認証を行い、プリンターが利用できるかどうか確認します。設定を入力したら、「進む」ボタンをクリックします。