ドライバーの検索と選択
「印刷」では以下のように自動でドライバーの検索が行われますが、ドライバーが見つからない場合や後からドライバーの変更を行う場合、自分でドライバーを選択する必要があります。ドライバーについて
多くのドライバーはCUPSフィルターとPPDファイルで構成されています。CUPSフィルターとPPDファイルはセットで配布されることが多いですが、個別に配布されていることもあります。
PPDファイルにどのCUPSフィルターを使用するか記述されているため、PPDファイルを指定すると使用するCUPSフィルターが決まります。
CUPSフィルターについて
CUPSフィルターはアプリが印刷した印刷データを加工するソフトウェアです。最終的にプリンターが解釈できる印刷データに加工されます。
PPDファイルについて
PPDはPostScript Printer Descriptionの略です。PPDファイルにはプリンターが持つ機能やUIに表示する各種項目、プリンターと通信するフィルター等の情報が記述されています。
PPDファイル自体はテキストファイルで、ファイルの拡張子は「.ppd」です。
利便性のためgz等で圧縮されているPPDファイルもありますが、どちらの形式でもそのまま利用することが可能です。
ドライバーの選択方法について
ドライバーの選択方法には以下の3つがあります。- データベースからプリンターを選択する
- PPDファイルを提供
- ダウンロードするプリンタードライバーを検索
それぞれの手順は後述します。
ドライバーのインストールについて
ドライバーのインストールが行われるのは、「ダウンロードするプリンタードライバーを検索」を選択した場合です。それ以外の選択肢を選んだ時はドライバーのインストールは行われないため、自分で予めインストールしておく必要があります。
類似モデルのドライバーについて
自分が利用しているプリンターのドライバーがない場合でも、類似モデルのドライバーで動作することがあります。例えば国内モデルのプリンターが海外で別モデル名で販売されているプリンターは、国内モデルのプリンターでも海外モデルのドライバーが利用できることがあります。
ちなみに「EPSON PX-A620」の海外モデルは「Stylus DX4050」のようです。
lsusbを実行すると「Seiko Epson Corp. Stylus DX4050」と表示されました。
プリンターの設定の引継ぎについて
ドライバーを変更すると、プリンターの設定を引き継ぐかどうか選択肢が表示されます。ドライバーの配布元が同じでモデル名も同じ場合は、設定を引き継いでも問題ないことが多いですが、別のモデルやドライバーを選択した場合は設定を引き継がずデフォルトの設定に戻したほうが良いでしょう。
新しいPPD(PostScript Printer Description)をそのまま使用します。
プリンターの各種設定を初期化しデフォルトに戻します。古いPPDからオプション設定をコピーしようとしています。
既存の設定を可能な限り引き継ぎます。選択したら「適用」ボタンをクリックして完了です。
データベースからプリンターを選択する
インストール済みのドライバーから、使用するドライバーを選択します。新たにドライバーのインストールは行われないため、必要であれば予めドライバーをインストールしておきます。
プリンターのモデルに対応したドライバーが存在する場合、推奨する項目が選択されます。
また推奨する項目には「(推奨)」と表示されます。
1.製造元の選択
「データベースからプリンターを選択する」を選択すると、以下の画面が表示されます。プリンターの製造元をリストから選択して、「進む」ボタンをクリックします。
2.ドライバーの選択
「モデル」からプリンターのモデルを選択します。「モデル」を選択すると「ドライバー」の一覧が右のリストに表示されます。
「ドライバー」のリストからドライバーを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
3.既存の設定の引継ぎ
現在プリンターに設定されている各種オプション等を引き継ぐか否か選択します。上記の「プリンターの設定の引継ぎについて」を参考にしてください。
PPDファイルを提供
使用するPPDファイルを変更します。新たにドライバーのインストールは行われないため、必要であれば予めドライバーをインストールしておきます。
配布されているドライバーに該当するモデル名が含まれておらず、PPDファイルが別途配布されている場合や、自分でカスタマイズしたPPDファイルを適用したい時に利用すると良いでしょう。
1.PPDファイルの指定
「PPDファイルを提供」を選択すると、以下の画面が表示されます。「(なし)」ボタンをクリックします。
2.PPDファイルの選択
以下の画面が表示されるので、PPDファイルを選択して「開く」ボタンをクリックします。3.既存の設定の引継ぎ
PPDファイルを選択すると、以下のように選択したPPDファイルのファイル名が「(なし)」ボタンに表示されます。「進む」ボタンをクリックします。
4.既存の設定の引継ぎ
現在プリンターに設定されている各種オプション等を引き継ぐか否か選択します。上記の「プリンターの設定の引継ぎについて」を参考にしてください。
ダウンロードするプリンタードライバーを検索
プリンターの製造元やモデル名からプリンタードライバーを検索し、インストールします。ドライバーはOpenPrintingから検索します。
ちなみに前回紹介したEPSONのドライバーは、このサイトのドライバーと同じものです。
1.ドライバーの検索
「ダウンロードするプリンタードライバーを検索」を選択すると、以下の画面が表示されます。「製造元とモデル」に検索するキーワードを入力します。
キーワードを入力したら、「検索」ボタンをクリックします。
2.検索結果
ドライバーの検索結果は「プリンターのモデル」に表示されます。「プリンターのモデル」をクリックすると、以下のように検索結果が表示されるのでドライバーを選択します。
ドライバーが見つからない場合は、「該当するものがありません」と表示されます。
ドライバーを選択したら、「進む」ボタンをクリックします。
3.ドライバーの情報
以下のように選択されたドライバーの情報が表示されます。ダウンロード可能なドライバー
ダウンロード可能なドライバーの一覧が表示されます。インストールしたいドライバーを選択します。
供給元
ドライバーの供給元です。製造元
プリンターの製造元が供給しているドライバーなら、チェックがオンになります。チェックボックスは表示用なので、チェックのオン・オフは行えません。
ライセンス
ドライバーのライセンスです。特許所有のアルゴリズム
ドライバーに特許が取得された技術が利用されている場合、チェックがオンになります。チェックボックスは表示用なので、チェックのオン・オフは行えません。
フリーソフトウェア
ドライバーがフリーで提供されている場合、チェックがオンになります。チェックボックスは表示用なので、チェックのオン・オフは行えません。
説明
ドライバの概要です。サポート
ドライバーのサポートを行なっている組織や企業の情報が表示されます。印刷品質
ドライバーの実装レベルです。100が最大です。
各スライダーは表示用なので、スライドさせることはできません。
「テキスト」は文字の印刷です。
「グラフィックス」は画像の印刷です。
「ラインアート」は線の印刷です。
「フォト」は写真(高画質の画像)の印刷です。
ライセンス条項
ドライバーによってはライセンスの同意が求められます。ライセンスに同意できるなら「はい、このライセンスを受諾します」を選択します。
各項目を確認したら「進む」ボタンをクリックします。
4.ドライバーのインストール
ドライバーのインストールが行われます。パッケージ管理システムと連携するため、Synaptic等のパッケージ管理アプリは終了しておいてください。
5.既存の設定の引継ぎ
現在プリンターに設定されている各種オプション等を引き継ぐか否か選択します。上記の「プリンターの設定の引継ぎについて」を参考にしてください。