ユーザーの権限の設定
「高度な設定」画面を表示し、「ユーザーの権限」タブをクリックすると、ユーザーに付与する権限の設定を行うことができます。注意
むやみに権限を変更すると、アプリやシステムの動作に影響を及ぼします。内容が良く分からない場合は、設定を変更しないでください。
Ubuntuの権限付与の方針とこのツールの権限付与の方針が合致していないため、ここで権限が無効になっていても相応の権限が別の方法で付与されていることもあります。
逆もまた然りで、ここで権限を有効にしても、その権限に対応した処理を行えないこともあります。
例えば上記画像では「無線及びイーサネットのネットワークに接続できる」にチェックが入っていませんが、Ubuntuでは実際に各種LANに接続することができます。
権限の付与について
チェックをオンにすると、その権限をユーザーに付与します。権限を付与するとその権限に対応したグループにこのユーザーを追加します。
権限を有効・無効にする際は、そのグループのUbuntuにおける位置付けや意味を把握してから行なってください。
また直接デバイスに関係する項目(スキャナーとかサウンドとか)は、そのデバイスのデバイスファイルのグループを確認することで関連性が分かることもあります。
直接デバイスファイルにアクセスするアプリは、デバイスファイルに対して読み書きのアクセス権が必要になるケースがあります。
権限付与方針の比較について
権限付与方針の比較のため「ユーザーアカウント」で作成した管理者ユーザーを元に、「GNOME System Tools」で権限が付与されているかどうか記述します。1.CD-ROMドライブを使用できる
ユーザーを「cdrom」グループに追加・削除します。UbuntuではチェックがオフでもCD-ROMデバイスにアクセスできます。
Wineや一部のCD-ROM(光学メディア)に関係するアプリで利用されるグループです。
GNOME System Tools
オフになっています。2.FAXを受信できる
ユーザーを「fax」グループに追加・削除します。FAX送受信アプリを利用する時は、このグループが関係するかどうか確認すると良いでしょう。
GNOME System Tools
オフになっています。3.Share files with the local network
ユーザーを「sambashare」グループに追加・削除します。Samba(WindowsやUbuntuでファイル共有)を利用する時は、ユーザーはこのグループに属している必要があります。
GNOME System Tools
オンになっています。4.VirtualBox仮想ソリューションを利用できる
ユーザーを「vboxusers」グループに追加・削除します。VirtualBoxを利用しUSBデバイスを仮想マシンに接続する場合は、このグループに属している必要があります。
これはホスト側の話で、仮想マシンにインストールしたUbuntuは無関係です。
GNOME System Tools
オフになっています。5.オーディオ・デバイスを使用できる
ユーザーを「audio」グループに追加・削除します。このグループに属していなくても音が鳴りますし、PulseAudio/ALSAは機能します。
もし他のサブシステムや高度な音声編集アプリ等をインストールした時は、確認しておくと良いでしょう。
GNOME System Tools
オフになっています。6.システムのログを監視できる
ユーザーを「adm」グループに追加・削除します。「adm」グループは「/var/log」フォルダー以下のファイルやフォルダーのグループに設定されることがほとんどです。
このグループに属していないと、多くのログが閲覧できない状況になります。
GNOME System Tools
オンになっています。7.スキャナを使用できる
ユーザーを「scanner」グループに追加・削除します。このグループに属していなくてもスキャナーは利用できますが、パラレルポート接続のスキャナーや一部のアプリで必要になるグループです。
GNOME System Tools
オフになっています。8.テープ・ドライブを使用できる
ユーザーを「tape」グループに追加・削除します。テープドライブにアクセスできない時に確認すると良いでしょう。
GNOME System Tools
オフになっています。9.ビデオ・デバイスを使用できる
ユーザーを「video」グループに追加・削除します。キャプチャー関係のアプリを利用する時に確認すると良いでしょう。
また「/dev/fb0」にアクセスできるようになります。
GNOME System Tools
オフになっています。10.フロッピー・ドライブを使用できる
ユーザーを「floppy」グループに追加・削除します。「1.CD-ROMドライブを使用できる」と同様です。
フロッピーディスクにアクセスできない時に確認すると良いでしょう。
GNOME System Tools
オフになっています。11.プリンタを設定できる
ユーザーを「lpadmin」グループに追加・削除します。このグループに属していないユーザーは、プリンターの管理を行うことができません。
プリンターの管理とは、プリンターの追加と削除及び設定、CUPSサーバーの設定です。
プリンターの使用はこのグループに属していなくても可能です。
GNOME System Tools
オンになっています。12.モデムを使ってインターネットに接続できる
ユーザーを「dip」グループに追加・削除します。PPPでインターネットに接続する時に確認すると良いでしょう。
GNOME System Tools
オフになっています。13.モデムを使用できる
ユーザーを「dialout」グループに追加・削除します。「/dev/ttyS*」やモデム、シリアルポートを利用する時に確認すると良いでしょう。
モデムを利用する時はインターネットへの接続が多いでしょうから、「12.モデムを使ってインターネットに接続できる」も合わせて確認すると良いでしょう。
GNOME System Tools
オフになっています。14.ユーザースペースファイルシステム(FUSE)をマウントできる
ユーザーを「fuse」グループに追加・削除します。ユーザースペースファイルシステムとは、仮想ファイルシステムのことです。
一部の仮想ファイルシステムでこのグループを利用することがあります。
GNOME System Tools
オフになっています。15.自動的に外部のディスクにアクセスできる
ユーザーを「plugdev」グループに追加・削除します。UbuntuではチェックがオフでもUSBディスクやeSATAは自動的にマウントされアクセスできます。
GNOME System Tools
オフになっています。16.無線及びイーサネットのネットワークに接続できる
ユーザーを「netdev」グループに追加・削除します。UbuntuではNetwork Managerが管理を行うため、チェックがオフでもネットワークに接続できます。
一部のネットワークツールで使用されます。
GNOME System Tools
オフになっています。17.システムの管理者である
ユーザーを「admin」グループに追加・削除します。管理者権限を持つユーザーが属するグループです。
この項目はチェックしないでください。
Ubuntuでは「sudo」グループがこれに該当します。
「admin」グループは使われません。
GNOME System Tools
オフになっています。18.コンピュータをサスペンド、ハイバネートできる
ユーザーを「powerdev」グループに追加・削除します。Ubuntuではチェックがオフでもサスペンドやハイバネートが可能です。