UIカスタマイズアプリのXDG Base Directory Specification対応
以前Ubuntuをカスタマイズするアプリのまとめで紹介したアプリの中には、「XDG Base Directory Specification」に対応しておらず、古い仕様のフォルダーを参照するアプリがあります。いずれもユーザー固有のフォルダーに限った内容です。
同様に以前GTK+テーマやウィンドウテーマは「~/.themes」に置き、アイコンテーマやカーソルテーマは「~/.icons」に置くと紹介しました。
これはアプリの使用を前提とし、利便性を優先したためです。
これらのフォルダーは互換性のために残されており、「XDG Base Directory Specification」ではそれぞれ「~/.local/share/themes」や「~/.local/share/icons」フォルダーの使用が推奨されています。
この互換性のために残されている仕様がなくならない限り、アプリやUIテーマの使用に支障が出ることはありません。
もし将来のUbuntuのバージョンでこの仕様が廃止されても、その時点でアプリが対応すると思います。
XDG Base Directory Specificationに対応させる
ここでは、アプリを修正せずに推奨されるフォルダーを参照するように変更してみます。やることは簡単で、新しい仕様のフォルダーへのソフトリンクを、ホームフォルダー直下に作成するだけです。
事前にNautilusで隠しファイルを表示するようにしておきます。
1.新しい仕様のフォルダーを作成
「~/.local/share/themes」と「~/.local/share/icons」フォルダーを作成します。2.すでに古い仕様のフォルダーが存在する場合
すでに「~/.themes」や「~/.icons」フォルダーが存在する場合、そのフォルダー内のファイルやフォルダーを「~/.local/share/themes」や「~/.local/share/icons」フォルダーに移動し、元のフォルダーを削除します。3.ソフトリンクの作成
「~/.local/share/themes」と「~/.local/share/icons」フォルダーのソフトリンクを作成します。4.ソフトリンクの移動
作成したソフトリンクをユーザーのホームフォルダー内に移動します。移動したらそれぞれのファイル名を「.themes」と「.icons」に変更します。
プロパティー画面を表示し、ソフトリンクの「リンク先」が以下のようになっていればOKです。
「リンク先」のパスに含まれている「ubuntu」はユーザー名に置き換えて読んでください。
確認
上記の変更が有効に機能しているかUbuntu Tweakで確認してみます。サンプルテーマの用意
例として以下のようなUIテーマを配置しています。既存のテーマをコピーし、フォルダー名の頭に「My」を付けてます。
~/.local/share/themes
~/.local/share/icons
Ubuntu TweakのUIテーマ変更画面のメニュー
Ubuntu Tweakを起動し各UIテーマのメニューを開いて、サンプルで用意したテーマが表示されるか確認します。いずれもテーマがメニューに表示されています。
Gtk theme
Icon theme
Cursor theme
Window theme
テーマを変更してみる
テーマを変更してみます。意図した通りに反映されています。