一部のアイコンが表示されない
アイコンテーマの中には、Ubuntuが必要とするアイコンが用意されておらず、一部のアイコンが表示されない現象が発生します。例えば「gnome」アイコンテーマを設定すると、「システム設定」の以下赤矢印のアイコンが表示されません。
これだとちょっと見栄えが良くないですね。
せめてUbuntu標準のアイコンテーマのアイコンが表示されると良いですね。
ちなみに赤矢印の箇所には、以下のアイコンが使われています。
インジケーターのアイコンについて
もしインジケーターが必要とするアイコンが存在しない場合、インジケーターが表示されなくなるケースがあります。それが原因ならば、以下の方法で対応できます。
対応策について
この問題の対応策です。アイコンテーマの継承
まずアイコンテーマの仕様として、アイコンテーマの継承という仕組みがあります。見つからなかったアイコンは継承元のアイコンテーマから探して、もし見つかればそのアイコンを利用する、という仕組みです。
継承元のアイコンテーマに継承元が存在する場合は、それらも検索対象になります。
また継承元は複数のアイコンテーマを指定することができます。
この仕組みを利用し、継承元にUbuntu標準のアイコンテーマを指定することで、Ubuntu用のアイコンを表示させることができます。
ここではこの方法でアイコンテーマを修正します。
自分でアイコンを作成
もしUbuntu用のアイコンが現在設定されているアイコンテーマの外観と合わない場合は、自分でアイコンを作成する必要があります。自分で作成する方法は省略します。
アイコンテーマの修正について
アイコンテーマが全ユーザー共通のフォルダーに配置されているアイコンテーマだった場合、直接そのアイコンテーマを修正する方法と、ユーザー固有のフォルダーにそのアイコンテーマをコピーして修正する方法があります。もし複数のユーザーでそのアイコンテーマを利用する場合は、前者の方法を採用するとよいでしょう。
自分しか利用しないアイコンテーマ、もしくは全ユーザー共通のフォルダーに配置されているアイコンテーマを変更したくない場合は、後者の方法を採用するとよいでしょう。
修正手順
ここでは例としてユーザー固有のフォルダーに「gnome」アイコンテーマをコピーし、アイコンテーマの継承元に「ubuntu-mono-dark」を指定します。ところでUbuntu標準のアイコンテーマには、「ubuntu-mono-dark」と「ubuntu-mono-light」の2種類があります。
どちらを指定するかは、Unityパネルの背景色で決めると良いです。
1.アイコンテーマのコピー
「gnome」アイコンテーマをユーザー固有のフォルダーにコピーします。2.フォルダー名の変更
コピー元のフォルダー名と同じフォルダー名だと、アプリ側で同名の選択肢が表示され区別がつかなくなるので、適当なフォルダー名に変更します。ここでは「gnome_fix」に変更しています。
3.テーマファイルの編集
「gnome_fix」フォルダーを開くと、以下のように「index.theme」ファイルが見つかります。このファイルをテキストエディターで開きます。
4.Inheritsキーの検索
テキストエディターで「index.theme」ファイルを開いたら、「Inherits」キーを検索します。5-1.Inheritsキーが見つからなかった場合
「Inherits」キーが見つからなかった場合、以下のように「Inherits」キーを記述します。値には継承元のアイコンテーマを指定します。
「gnome」アイコンテーマには「Inherits」キーが存在しないため、「Inherits」キーを記述し、値に「ubuntu-mono-dark」を指定します。
5-2.Inheritsキーが見つかった場合
「Inherits」キーが見つかった場合、「,」で区切って「ubuntu-mono-dark」を指定すれば良いです。例えば以下のようにすでに 「Inherits」キーが存在する場合、「Inherits=gnome,hicolor,ubuntu-mono-dark」と記述すればOKです。
6.アイコンテーマの指定
ユーザー固有のフォルダーにアイコンテーマをコピーし、フォルダー名を変更した場合は、アイコンテーマの指定が必要になります。「Ubuntu Tweak」を起動し「Icon theme」に「gnome_fix」を指定します。
7.変更の確認
「gnome」アイコンテーマでは、「システム設定」のアイコンが表示されていませんでした。修正後の「gnome_fix」アイコンテーマでは、以下のように「ubuntu-mono-dark」アイコンテーマのアイコンが表示されています。