Ubuntu 13.10のリリースノート
Ubuntu 13.10のリリースノートから、個人的に気になる点を抜粋してみます。Wubiのリリースなし
Ubuntu 13.04の時と同様に、Ubuntu 13.10でもWubiのリリースは行われません。Linux Kernel 3.11
Ubuntu 13.04のLinux Kernelのバージョンは、「3.8.8」がベースでした。Ubuntu 13.10はLinux Kernelのバージョンが、「3.11.3」ベースにアップデートされています。
Linux kernelの変更点は以下を参考にするとよいでしょう。
- Linux kernel 3.9
- Linux kernel 3.9(ドライバー・ハードウェア)
- Linux kernel 3.10
- Linux kernel 3.10(ドライバー・ハードウェア)
- Linux kernel 3.11
- Linux kernel 3.11(ドライバー・ハードウェア)
- Ubuntu Linux Kernel Change Log
CUPS(印刷関連)
CUPSとcups-filterのバージョンが上がっています。リリースノートでは訳注にある通り、「CUPS 1.6.2」及び「cups-filters 1.0.34」と記述されていますが、Ubuntu 13.10では「CUPS 1.7rc1」及び「cups-filters 1.0.40」がインストールされています。
原文のリリースノートが更新されていないだけなのでしょうか?
いずれにせよ、Ubuntu 13.04のCUPSのバージョンからアップデートされているので、プリンターに印刷できるかどうかや、プリンター共有が機能するかどうか確認しておくと良いでしょう。
LibreOffice
LibreOfficeのバージョンが、「4.0.2.2」から「4.1.2.3」にアップデートされています。LibreOffice 4.1の新機能を参考にするとよいでしょう。
Unity
Unityに大量のスコープが追加され、検索対象が大幅に増えました。株価から今晩の料理のレシピまで、様々な情報をDashホームから検索できるようになりました。
ただ残念ながらそれらの検索対象は英語サイトが多く、日本語環境でUbuntuを利用する人にとっては、あまり旨みがありません。
これらのスコープも各地域に応じて用意してもらえると嬉しいですね。
サポート期間
Ubuntu 13.10のサポート期間は、Ubuntu 13.04と同じくリリースされてから9ヶ月間です。半年後には、5年間のサポート期間が提供される「Ubuntu 14.04 LTS」のリリースがありますね。
不具合(インストール関係)
Ubuntu 13.10 最終ベータ時の以下の不具合は、今回リリースされたUbuntu 13.10でも修正されていません。今後のアップデートで修正されるのかな?
Windows 7 64bit + Virtual PCで起動しないバグ
Windows 7 64bit + Virtual PCの環境で、Ubuntu 13.10 64bitが起動しないバグが報告されています。Ubuntu 13.10 64-bit can't boot in Virtual PC
Hyper-V Server 2008 R2 SP1でインストールできないバグ
Hyper-V Server 2008 R2 SP1でUbuntu 13.10がインストールできないバグが報告されています。Can't install on Hyper-V Server 2008 R2 SP1 (error video)
不具合(日本語環境)
日本語環境で発生する不具合です。特に日本語入力の仕様が変更されており、これによる影響が大きいです。
読んでみてよく分からなければ、Ubuntu 13.10のインストールは見送ったほうが良いかもしれません。
少なくともこの仕様変更により、日本語入力の利便性が向上することはありません。
Ubuntu 13.04からUbuntu 13.10へのアップグレードは、Ubuntu 13.04にはあと3ヶ月間のサポート期間が残っているため、しばらく待ったほうが良いでしょう。
それでもUbuntu 13.10へのアップグレードやインストールを行う人は、「Ubuntu 13.10 日本語 Remix」がリリースされるまで待ちましょう。
近日中にリリースされます。
サポート期間がUbuntu 14.04 LTSのリリース日まで残っているUbuntuを利用している人は、あと半年後にUbuntu 14.04 LTSがリリースされることですし、それまでに修正されていることを期待して待つのもありです。
入力ソースの切換に設定されているショートカットキーが機能しない
上記画像の「次のソースへ切り替え」のショートカットキーは、デフォルトで「Super+Space」キーに設定されています。このデフォルトで設定されているショートカットキーを押しても、「入力ソース」が切り替わらず、日本語入力ができない不具合です。
ibus' Super+Space shortcut (usually) doesn't work
回避策として、ショートカットキーを「Shift+Super+Space」に変更する、それでも機能しない場合は、「Ctrl+Space」に変更する方法が上記で報告されています。
ちなみに「入力ソース」はインジケーターのメニューから変更することもできます。
ということで
リリースノートの「日本語翻訳版独自の記述」以降の記述にしっかり目を通しておきましょう。まとめると・・・
Ubuntu 13.10の変更点を全体的に見て、大きな目玉となる変更点はなく、日本語環境の不具合に目が行ってしまいます。Unityに大量のスコープが追加され検索対象が大幅に増えたり、Linux Kernelのバージョンがアップデートされていますが、Ubuntu 13.10へのアップグレードを積極的に勧める点が見当たりません。
というわけで様々なトラブルや不具合情報が出てくるまで、あと1週間から3週間ぐらいは様子見したほうが良いでしょう。