RAIDアレイ
「ディスク」では、RAIDアレイの作成や管理を行うことができます。ディスクでサポートされるRAIDは、ソフトウェアRAIDです。
ソフトウェアRAIDで構築されたボリュームは、Ubuntuや各フレーバーから扱うことができます。
mdadmについて
ソフトウェアRAIDは、「mdadm」が管理します。「ディスク」はこの「mdadm」と連携して動作します。
従って「ディスク」でソフトウェアRAIDを扱うには、事前に「mdadm」をインストールしておく必要があります。
言い換えれば、「ディスク」は「mdadm」のフロントエンドです。
mdadmのインストール
Ubuntuソフトウェアセンターを起動し、「mdadm」で検索します。「インストール」ボタンをクリックします。
以下の画面が表示されますが、これはRAIDアレイの障害発生時に障害をメールで通知する機能の設定です。
今回はこの機能を利用しないため、「設定なし」を選択して「進む」ボタンをクリックします。
RAIDアレイを作成する
ソフトウェアRAIDを利用するには、まずRAIDアレイを作成する必要があります。1.RAIDアレイを構成するディスクの選択
RAIDアレイを構成するディスクを選択します。1-1.チェックボックスの表示
「デバイス」横のボタンを選択ボタンをクリックします。1-2.ディスクの選択
以下のようにチェックボックスが表示されるため、RAIDアレイを構成するディスクを複数選択します。RAIDアレイ作成に必要なディスク数は、RAIDレベルによります。
事前にRAIDレベルとRAIDアレイを構成するディスクを決めておきましょう。
ここでは例として、以下のようにチェックを入れました。
RAIDレベル 0(ストライピング)のRAIDアレイを作成してみます。
1-3.RAIDアレイ作成画面の表示
「RAIDを作成」ボタンをクリックします。2.RAIDアレイの設定
次に作成するRAIDアレイの設定を行います。RAIDレベルの選択
RAIDレベルを以下のメニューから選択します。RAID 0(ストライプ)
複数のディスクにデータを分散させ、パフォーマンスを向上させます。冗長性が無いため、RAIDアレイの内のディスクが一つでも故障すると、RAIDアレイのボリュームにはアクセスできなくなりデータが失われます。
RAIDアレイの内のディスク数が増えるほど故障率が上がります。
従ってバックアップが重要になります。
このタイプのRAIDアレイを作成するには、ディスクが2つ以上必要です。
RAID 1(ミラーリング)
複数のディスクに同じデータを書き込むことで、耐障害性を向上させます。ディスクの使用効率は半分以下になります。
このタイプのRAIDアレイを作成するには、ディスクが2つ以上必要です。
RAID 4(専用パリティ)
エラー訂正に利用するパリティを、特定のディスクに保存します。このRAIDレベルを利用するより、RAID 5を利用することがほとんどでしょう。
このタイプのRAIDアレイを作成するには、ディスクが3つ以上必要です。
RAID 5(分散パリティ)
エラー訂正に利用するパリティを、複数のディスクに保存します。RAID 1よりもパフォーマンスを確保することができ、ディスクの使用効率も高くなりますが、耐障害性は落ちます。
このタイプのRAIDアレイを作成するには、ディスクが3つ以上必要です。
RAID 6(二重分散パリティ)
エラー訂正に利用する2種類の情報を、複数のディスクに保存します。RAID 5と同等のメリットがあり、さらにRAID 5よりも耐障害性が期待できます。
このタイプのRAIDアレイを作成するには、ディスクが4つ以上必要です。
RAID 10(ミラーリングのストライプ)
いわゆる「RAID 1+0」です。RAID 1の特徴である耐障害性と、RAID 0の特徴であるパフォーマンスのいいとこ取りをしたRAIDです。
このタイプのRAIDアレイを作成するには、ディスクが4つ以上必要です。
チャンクサイズ
RAIDレベルを以下のメニューから選択します。チャンクサイズが与える影響は、主にパフォーマンスです。
環境にもよりますが、「64 KiB」付近が無難な選択でしょうか。
名前
RAIDアレイの名称を入力します。分かりやすい名称を入力すると良いでしょう。
RAIDアレイの設定を行ったら、「作成」ボタンをクリックします。
3.RAIDアレイの作成
RAIDアレイを作成します。3-1.ディスクの確認
RAIDアレイを構成するディスクの確認を行います。問題なければ「作成」ボタンをクリックします。
3-2.パスワードの入力
以下の画面が表示されるので、管理者ユーザーのパスワードを入力し「認証する」ボタンをクリックします。3-3.作成完了
以下のようにRAIDアレイが作成されます。またRAIDアレイが開始され、RAIDアレイ内のボリュームにアクセスできるようになります。
以上で完了です。
ボリュームのデバイスファイル
RAIDアレイのボリュームのデバイスファイルは、「/dev/mdXXX」(XXXには数値が入る)になります。パーティションのデバイスファイル
RAIDアレイのボリュームのパーティションのデバイスファイルは、「/dev/mdXXXpY」(XXXとYには数値が入る)になります。RAIDアレイを構成するディスクを見てみる
RAIDアレイを構成するディスクを見ると、以下のようにどのRAIDアレイに属するディスクか表示されます。「アレイへ移動」をクリックすると、そのRAIDアレイに移動します。
GPartedで見てみる
GPartedで作成したRAIDアレイのボリュームを見てみると、以下のようになります。ここでは例としてRAIDアレイのボリュームに、3つのパーティションを作成済みです。