LTS Enablement Stackのサポート期間
Ubuntu 12.04のサポート期間は5年間と記述しましたが、「LTS Enablement Stack」による新しいバージョンのモジュール(以下パッケージ)をインストールした場合、それらのパッケージによりサポート期間が変更されます。サポート期間が短くなる
それらのパッケージがデフォルトで採用されているUbuntuのバージョンのサポート期間と同じになります。例えば「Ubuntu 12.04.3」は上記に記述した通り、Ubuntu 13.04相当のパッケージがインストールできます。
この場合、Linux KernelやXサーバーはUbuntu 13.04のサポート期間と同じになります。
従ってUbuntu 13.04がリリースされてから9ヶ月間のサポート期間になります。
ただしUbuntu 14.04 LTSなどUbuntu 12.04よりも長いサポート期間を提供するバージョンは、Ubuntu 12.04のサポート期間が先に切れるため、サポート期間が短くなるという事はありません。
LTS Enablement Stack以外のパッケージ(アプリ等)のサポート期間
ここでの内容は、あくまで「LTS Enablement Stack」により提供されるパッケージが対象です。それ以外のパッケージにサポート期間の変更はありません。
LTS Enablement Stackの利用について
「LTS Enablement Stack」の利用は、必ずしも必須ではありません。「LTS Enablement Stack」の目的にも記述した通り、多くのハードウェアをサポートするのが目的です。
また「LTS Enablement Stack」を利用することで、サポート期間が変更されるデメリットも存在します。
以下のいずれかの理由に該当する場合は、必ずしも「LTS Enablement Stack」を利用する必要はありません。
- 現状ハードウェアの利用に不便がない
- 5年間のサポートを受けたい
現状ハードウェアの利用に不便がない
現状特に問題なくハードウェアが利用できており、動作も安定しているケースです。新しいバージョンのLinux KernelやXサーバーをインストールすることで、今まで動作していたハードウェアが満足に動作しなくなるなど、新たな問題が発生する可能性があります。
5年間のサポートを受けたい
サポート期間の変更(短縮)により、PCの運用に支障が出るケースです。主にサーバー向けでしょうか。
Ubuntu 14.04 LTSのLTS Enablement Stack
あと6ヶ月強でUbuntu 14.04 LTSがリリースされます。Ubuntu 14.04 LTSでも同様に、以降にリリースされた新しいバージョンのLinux KernelやXサーバーをインストールすることができるようになります。
LTSがより使いやすく
「LTS Enablement Stack」のおかげで、LTS版のUbuntuがより使いやすくなります。- 半年毎のUbuntuのバージョンアップは時間がかかって面倒だし、バージョンアップはLTSからLTSへの2年に一度のバージョンアップで十分。
- LTS版以外のUbuntuは品質面に不安が残る。
- 新しいバージョンのUbuntuでは、今まで利用していたPPAが利用できなくなる。
- でも新しいバージョンでは不具合が解消されていたり、パフォーマンスが改善されているから、新しいバージョンをインストールしたい。
などなど、そんな人にとって「LTS Enablement Stack」は嬉しい取り組みだと思います。