systray-whitelist
「systray-whitelist」はUnityパネルが表示するインジケーターをフィルタリングするインジケーターのリストです。Ubuntu 13.04では「systray-whitelist」の機能が廃止されており、これに依存したインジケーターは表示されなくなっています。
インジケーターは新しく提供されている仕組みを利用しない限り、Unityパネルに表示されることはありません。
一部の例外
Javaなど一部のインジケータは、新しい仕組みに対応していなくてもUnityパネルにインジケーターが表示されます。それらはインジケーターの表示が許可されています。
以前のバージョンでは、「systray-whitelist」はユーザーが設定することが出来ましたが、Ubuntu 13.04ではハードコーディングになりました。
systray-whitelistの廃止
「systray-whitelist」の廃止はUbuntuの方針であり、今後のバージョンでもサポートされることはありません。もともと「systray-whitelist」は、インジケーターの新しい仕組みへの移行期間を確保するために提供されていた機能であったため、この機能の廃止は自然な流れです。
しかしメンテナンスが行われていないインジケーターや、そもそも新しく提供されている仕組みに対応する予定がないインジケーターは、残念ながらUnityパネルに表示されません。
例えば「Cryptkeeper」は、現状Ubuntu 13.04では表示されません。
他にも表示されないインジケーターは存在します。
Launchpad
「systray-whitelist」の廃止については、以下Launchpadの内容を参照すると良いでしょう。- The systray whitelist is missing from 13.04, making some applications unusable
- Notification area whitelist is obsolete
- cryptkeeper icon not showing on panel (Ubuntu 13.04)
systray-whitelistを有効にする
Ubuntu 13.04で廃止された「systray-whitelist」ですが、「systray-whitelist」の機能を以前のように有効にした「unity」パッケージをPPAで公開されている方がいます。この「unity」パッケージは、「systray-whitelist」の処理を以前の処理に戻し、それ以外を最新のUnityと同様の処理にしてあるとのことです。
手順は以下のとおりですが、注意事項があります。
注意
「unity」パッケージは、Ubuntuのユーザーインターフェースを実現するソフトウェアです。このパッケージを置き換えることになります。
従って影響範囲が広く、何かしらの不都合が出るかもしれません。
インジケーターのPPAがある時は
「unity」パッケージの置き換えは影響範囲が大きいため、もしこの問題に対応したインジケーターがPPAで公開されている場合は、そちらのPPAの利用をおすすめします。1.PPAの追加
以下のPPAを追加します。ppa:timekiller/unity-systrayfix
2.ソフトウェアの更新
「ソフトウェアの更新」を行います。更新チェックが完了すると、以下のようにUnityパッケージのアップデートが表示されます。
「今すぐインストール」ボタンをクリックします。
3.Unityのアップデート
「unity」パッケージのダウンロードとインストールが始まります。インストールが完了すると以下の画面が表示されるので、「OK」ボタンをクリックします。
4.再ログイン
一旦ログアウトしてログインし直すか、PCを再起動します。5.systray-whitelistの設定
次に「systray-whitelist」の設定を行います。今回は以下のように、インジケーターのフィルタリングを無効にしました。
6.インジケーターの起動
後はインジケーターを起動してUnityパネルにインジケーターが表示されるか確認します。ここでは例として、Ubuntu 13.04では表示されない「Cryptkeeper」を起動しました。
ちゃんと表示されていますね。
以上で完了です。
Unityを元に戻す
上記の手順でアップデートした「unity」パッケージをもとに戻します。1.PPAのパージ
「ppa:timekiller/unity-systrayfix」PPAをパージ(Purge)します。注意
PPAの削除(Remove)ではありません。パージと混同しないように注意してください。
2.パージ確認
パージ確認画面が表示されるので、「OK」ボタンをクリックします。3.パージ開始
PPAのパージが開始され、以前の「unity」パッケージのダウンロードとインストールが行われます。以下のように「Do you want to continu [Y/n]?」と表示されたら、「エンター」キーを押します。
「PPA purged successfully」と表示されたら、パージ完了です。
4.再ログイン
一旦ログアウトしてログインし直すか、PCを再起動します。以上で完了です。
リポジトリーはどうなるか
PPAをパージすると、そのパージしたPPAのリポジトリーは無効化されています。「システム設定」を起動し「ソフトウェアとアップデート」をクリックすれば、リポジトリーの状況を確認することができます。
「他のソフトウェア」タブをクリックします。
PPAで追加したリポジトリーが、パージにより無効化されていることが分かります。
チェックを入れて有効化し「ソフトウェアの更新」を行うと、再度「unity」パッケージがアップデートされます。
「systray-whitelistを有効にする」手順で言うところの「2.」です。