入力メソッドの選択と入力メソッドの順番
「入力メソッド」の追加や削除等を行う前に、 「入力メソッド」一覧の各入力メソッドの順番の役割や「Fcitx」の入力メソッドの選択について知っておく必要があります。ここでは例として、以下のような入力メソッドを登録しています。
1.キーボード - 日本語 - 日本語(OADG 109A)
日本語の109キーボードのキーボードレイアウトです。インプットメソッドは関連付けられていないため、この入力メソッドで日本語入力を行うことはできません。
キーボードから入力されたキーがそのまま出力されます。
2.キーボード - 英語(US)
英語キーボードのキーボードレイアウトです。インプットメソッドは関連付けられていないため、この入力メソッドで日本語入力を行うことはできません。
キーボードから入力されたキーがそのまま出力されます。
3.Mozc
「Mozc」インプットメソッドです。日本語入力を行うことができます。
キーボードレイアウトは、この入力メソッドの設定に依存します。
4.Anthy
「Anthy」インプットメソッドです。日本語入力を行うことができます。
キーボードレイアウトは、この入力メソッドの設定に依存します。
以下に記述する内容は、説明のために上記の例を踏まえ記述しています。
またこの環境では、日本語の109キーボードが接続されています。
なので「キーボード - 英語(US)」は不必要な入力メソッドなのですが、説明する上で必要だったため意図的に追加しています。
入力メソッドの選択
「Fcitx」はユーザーが使用する入力メソッドの選択に、以下の機能を提供しています。- 入力メソッドのオン・オフ
- 入力メソッドの切り換え
1.入力メソッドのオン・オフ
入力メソッドのオン・オフは、入力メソッド一覧の一番上にある入力メソッドと、2番目以降にある入力メソッドを切り換える機能です。「入力メソッド一覧の一番上にある入力メソッドが選択されている状態」が、「入力メソッド オフの状態」です。
「入力メソッド一覧の2番目以降にある入力メソッドが選択されている状態」が、「入力メソッド オン」の状態です。
インプットメソッドが関連付けられているか、日本語入力ができるかどうかは関係ありません。
デフォルトのショートカットキー
「半角/全角」キーや「Ctrl + Space」キーで入力メソッドのオン・オフを切り換えることができます。上記の例と照らしあわせてみる
「キーボード - 日本語 - 日本語(OADG 109A)」が選択されている状態が、「入力メソッド オフの状態」です。一方、「キーボード - 英語(US)」、「Mozc」、「Anthy」が選択されている状態が、「入力メソッド オンの状態」です。
2.入力メソッドの切り換え
入力メソッドの切り換えとは、入力メソッドが「オン」の状態で2番目以降にある入力メソッドを選択する機能です。従って、入力メソッドが「オフ」の状態では、入力メソッドを切り換えることができません。
デフォルトのショートカットキー
「Ctrl+Shift」キーで入力メソッドを切り換えることができます。上記の例と照らしあわせてみる
「キーボード - 日本語 - 日本語(OADG 109A)」は、入力メソッドが「オフ」の時に選択される入力メソッドなので、入力メソッドの切り換え対象にはなりません。一方「キーボード - 英語(US)」、「Mozc」、「Anthy」選択時は、入力メソッドが「オン」の状態なので、これら3つの入力メソッドを切り換えて使用することができます。
注意
「Fcitx インジケーター」では、入力メソッドの見せ方が異なります。インジケーターには登録されている全ての入力メソッドが表示され、その中から使用する入力メソッドを選択します。
見せ方が異なるだけで、内部的には入力メソッドのオン・オフ等の区別がなされます。
入力メソッドの順番
「入力メソッド」一覧の各入力メソッドの順番には、以下の役割があります。一番上の入力メソッド
一番上の入力メソッドは、以下の役割があります。- デフォルトのキーボードレイアウト
- 入力メソッド オフ時に使用される入力メソッド
デフォルトのキーボードレイアウト
ここで記述するデフォルトのキーボードレイアウトとは、インプットメソッドのデフォルトのキーボードレイアウトのことです。上記の例では、「キーボード - 日本語 - 日本語(OADG 109A)」が一覧の一番上にあります。
従って「Mozc」と「Anthy」のデフォルトのキーボードレイアウトは、「キーボード - 日本語 - 日本語(OADG 109A)」になります。
入力メソッド オフ時に使用される入力メソッド
上記の「入力メソッドのオン・オフ」でも記述しましたが、「入力メソッド オフ」時に選択される入力メソッドになります。上記の例では、「キーボード - 日本語 - 日本語(OADG 109A)」が「入力メソッド オフ」時に選択される入力メソッドです。
2番目の入力メソッド
2番目入力メソッドは、「入力メソッド オン」時に選択されるデフォルトの入力メソッドです。ただし以前「入力メソッド オン」時に選択した入力メソッドがある場合、そちらが優先的に選択されます。
上記の例では、「キーボード - 英語(US)」が「入力メソッド オン」時に選択されるデフォルトの入力メソッドです。
2番目以降の入力メソッド
「入力メソッド オン」時に利用できる入力メソッドです。また、「入力メソッド オン」時に「入力メソッドの切り換え」で選択できる入力メソッドです。
上記の例では、「キーボード - 英語(US)」、「Mozc」、「Anthy」が「入力メソッド オン」時に利用でき、切り換えることのできる入力メソッドです。
というわけで
日本語入力を行う時の手順です。1.インプットメソッドをオンにする
まずデフォルトの状態が「インプットメソッド オフ」になっているので、「半角/全角」キーか「Ctrl + Space」キーを押して「インプットメソッド オン」にします。2.入力メソッドの選択
デフォルトでは2番目の入力メソッドが選択されます。必要に応じて入力メソッドを切り換えます。