スペルアドオン
「スペル」アドオンは、他のアドオンや入力メソッドと連携して動作するアドオンです。ユーザーが直接スペルアドオンを呼び出すことはなく、他のアドオンや入力メソッドから間接的に利用されます。
スペルアドオンの例
以下は以前紹介したサジェストによる単語入力支援ですが、候補に表示する単語は「スペル」アドオンと連携して表示しています。スペルの設定画面を開く
「スペル」アドオンの設定を行うには、「スペル」アドオンの設定画面を開く必要があります。「アドオン」の画面から「Spell」アドオンを選択し、「設定」ボタンをクリックします。
スペルの設定
「スペル」アドオンの設定画面です。「スペル」アドオンはデフォルトで有効になっています。
Preferred Enchant provider
「enchant」スペルチェッカーエンジン(後述)を利用する際、そのバックエンドのスペルチェッカーエンジンを以下のメニューから選択します。「enchant」スペルチェッカーエンジンは、「MySpell」や「Aspell」など様々なスペルチェッカーエンジンのフロントエンドとなるスペルチェッカーエンジンです。
ここでは 「enchant」スペルチェッカーエンジン使用時に、どのスペルチェッカーエンジンをバックエンドにするのか、優先順位の指定を行います。
既定
優先順位の指定を行わず、デフォルト設定でスペルチェッカーエンジンを使用します。Aspell
「GNU Aspell」を優先的に使用します。優先順位は、「Aspell」、「MySpell」、「Ispell」の順番になります。
Myspell
「MySpell」を優先的に使用します。優先順位は、「MySpell」、「Aspell」、「Ispell」の順番になります。
利用できるバックエンドを調べる
「端末」を起動し「enchant-lsmod」コマンドを実行すれば、「enchant」が対応してるバックエンドの一覧が表示されます。スペルヒントを使用する既定の順番
「スペル」アドオンでは、一度に複数のスペルチェッカーエンジンを利用することができます。現状サポートしているスペルチェッカーエンジンは、以下の3種類です。
- enchant
- presage
- custom
このうち「custom」はユーザー定義辞書なので、正確にはスペルチェッカーエンジンではありませんが、ここではスペルチェッカーエンジンとして扱います。
「スペル」アドオンは単語候補を取得する際、指定された順番でスペルチェッカーエンジンにアクセスし、単語候補を取得します。
もしスペルチェッカーエンジンがインストールされていなかったり、単語候補が取得できなかった場合は、ここで指定された次のスペルチェッカーエンジンから単語候補を取得しようとします。
順番の指定方法
順番の指定方法は、各スペルチェッカーエンジンを優先順位の高い順に「,」で区切りながら記述します。例えば「presage,custom,enchant」と記述すれば、「presage」、「custom」、「enchant」の順番で単語候補の取得を行います。
使用するスペルチェッカーエンジンを除外したい場合は
使用するスペルチェッカーエンジンを除外したい場合は、そのスペルチェッカーエンジンを記述しなければよいです。例えば「custom」の使用したいくない場合は、以下のように「custom」の記述を外します。
presageのインストール
「presage」のインストールは、Ubuntuソフトウェアセンターを起動し「presage」で検索します。enchantのインストール
「enchant」のインストールは、Ubuntuソフトウェアセンターを起動し「enchant」で検索します。各スペルチェッカーエンジンの設定について
インストールするだけで英語の辞書に基づいたスペルチェックが利用できます。それぞれ他言語の辞書の追加やカスタマイズ等を行うことができますが、ここでは省略します。
customについて
上記でも記述したとおり、「custom」はユーザー定義辞書です。「custom」が対応している言語は、現状英語(en)のみです。
現状日本語の入力メソッドで「custom」を利用することはできませんが、以下の方法で英語用の辞書を作成すると、日本語の入力メソッドでも「custom」による英単語の入力支援を利用することができます。
1.辞書用のフォルダーを開く
まず「root」で「Nautilus」を起動し、「/usr/share/fcitx/spell」フォルダーを開きます。以下のように「en_dict.fscd」ファイルがあります。
2.辞書のコピー
「en_dict.fscd」ファイルをコピーし、「ja_dict.fscd」にファイル名を変更します。3.fcitxの再起動
辞書を「fcitx」に反映するため、「fcitx」を再起動します。再ログインやPCの再起動でもOKです。