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Ubuntu mdadm その70 - コンテナーとは

コンテナー

  コンテナーとは「外部メタデータ」を扱えるようにするための仕組みです。
  従来「mdadm」は、「MDドライバー」によるソフトウェアRAIDを実現するソフトウェアでした。



  これをフェイクRAIDなどRAIDコントローラーによるRAIDアレイを扱えるように「コンテナー」という仕組みを導入しました。
  「MDドライバー」は関与しません。

  コンテナーとRAIDアレイ

    「mdadm」はこの「コンテナー」を介してアレイの操作を行います。

    例えばRAIDアレイを作成する場合、まず「コンテナー」アレイを作成します。
    その「コンテナー」アレイ上でRAIDアレイの作成を行います。

  MDドライバーによるソフトウェアRAIDと扱いが異なる

    「MDドライバー」によるソフトウェアRAIDと扱いは大きく異なります。

    例えば「MDドライバー」では「RAID 4」アレイの作成をサポートしていますが、「IMSM」では「RAID 4」アレイをサポートしていないため、「IMSM」のコンテナー上で「RAID 4」アレイを作成することはできません。

    「mdadm」から操作できる内容は、それぞれのRAIDコントローラーの仕様に依存します。
    主役が「MDドライバー」ではなく、RAIDコントローラーだということです。

    従って「mdadm」で操作できる内容は、RAIDコントローラーの仕様を調べる必要があります。

  フェイクRAIDの例

    フェイクRAIDで有名なRAIDコントローラーは「IMSM」ですが、「IMSM」ではオプションROMからアレイの操作を行うことができます。

    PC起動時にオプションROMのアレイ操作画面を呼び出すことで、RAIDアレイの操作が可能です。

dmraidとmdadm

  現状Ubuntuは、RAIDコントローラーによるRAIDアレイを、「dmraid」でサポートしています。
  「dmraid」と「mdadm」は別のソフトウェアです。

  「dmraid」がサポートしているRAIDコントローラーは、以下のように確認することができます。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ dmraid --list_formats
asr     : Adaptec HostRAID ASR (0,1,10)
ddf1    : SNIA DDF1 (0,1,4,5,linear)
hpt37x  : Highpoint HPT37X (S,0,1,10,01)
hpt45x  : Highpoint HPT45X (S,0,1,10)
isw     : Intel Software RAID (0,1,5,01)
jmicron : JMicron ATARAID (S,0,1)
lsi     : LSI Logic MegaRAID (0,1,10)
nvidia  : NVidia RAID (S,0,1,10,5)
pdc     : Promise FastTrack (S,0,1,10)
sil     : Silicon Image(tm) Medley(tm) (0,1,10)
via     : VIA Software RAID (S,0,1,10)
dos     : DOS partitions on SW RAIDs

    ()内の数値は、サポートするRAIDレベルです。

  「mdadm」では以下のコマンドを実行することによって、「mdadm」でサポートできるRAIDコントローラーを検出することができます。

    sudo mdadm --detail-platform

  今後はmdadmに移行する計画がある

    現状RAIDコントローラーによるRAIDアレイのサポートを「mdadm」で行っていませんが、「mdadm」でもRAIDコントローラーによるRAIDアレイをサポートすることができます。

    Ubuntuでは今後RAIDコントローラーによるRAIDアレイをサポートを、「dmraid」から「mdadm」に移行する計画があります。

    Transitioning to use MDADM by default for some of the FakeRAID devices

  というわけで

    現状RAIDコントローラーによるRAIDは「dmraid」がサポートしています。
    「mdadm」でもサポートできると思いますが、環境(PC)を用意できなかったため、現状コンテナーは紹介できません。


mdadm
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