複数のファイルやフォルダーをまとめて暗号化する
「Seahorse Nautilus」では、複数のファイルやフォルダーをまとめて暗号化することができます。この時どのように暗号化するのか、以下の2種類の方法から暗号化の方法を選択することができます。
- 選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成する
- アーカイブにして暗号化する
選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成する
選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成します。1つずつファイルを選択し暗号化する方法と同じです。
アーカイブにして暗号化する
選択されたファイルやフォルダーを1つのアーカイブにまとめ、そのアーカイブを暗号化します。アーカイブの形式は「アーカイブマネージャー」と同じ仕組みを利用しているため、「アーカイブマネージャー」がサポートする形式の中からユーザーが選択します。
従って相手に送信する暗号化ファイルは、このアーカイブファイルを暗号化したファイルになります。
相手が展開できるアーカイブ形式を選択しましょう。
相手がUbuntuやMacを利用しているなら、「tar.gz」形式にしておくとよいでしょう。
Windowsなら「zip」でしょうか。
いずれにせよ、暗号化の手順は「ファイルを暗号化する」とほとんど同じです。
例で使用するPGP鍵について
ここでは例として、以下のPGP鍵を用意しました。ubuntuUser1
自分の秘密鍵です。ファイルの暗号化に使用する秘密鍵です。
ubuntuUser2
相手の公開鍵です。暗号化したファイルを送信する相手になります。
例で使用するファイルやフォルダーについて
ここでは例として、以下のファイルやフォルダーを用意しました。「LibreOffice」フォルダー内は以下のようになっています。
1.ファイルの選択と受取人の選択画面の表示
暗号化するファイルの選択と受取人の選択画面の表示を行います。1-1.ファイルの選択
暗号化したいファイルを選択します。1-2.受取人の選択画面の表示
選択したファイルを右クリックし、表示されるメニューから「暗号化」をクリックします。「パスワードと鍵」に自分の秘密鍵が1つも登録されていない場合は、以下のようにエラーが表示されます。
エラーメッセージの内容は、正しくは以下のようになります。
意訳すると以下のようになります。
ファイルの暗号化に使用するPGP鍵(秘密鍵)が「パスワードと鍵」に登録されていません。
「パスワードと鍵」を起動するので、PGP鍵(秘密鍵)を作成するかインポートしてください。
「パスワードと鍵」を起動するので、PGP鍵(秘密鍵)を作成するかインポートしてください。
この後「パスワードと鍵」が起動するので、自分の秘密鍵を登録してください。
自分の秘密鍵を登録後、再度「1-1.」の手順から始めてください。
1-3.受取人の選択画面
以下のように受取人の選択画面が表示されます。
2.受取人の選択や署名の設定
暗号化ファイルを受け取る人や、暗号化ファイルに署名を行うかどうかの設定を行います。受取人の選択画面の内容は、「ファイルを暗号化する」の「2.」を参考にしてください。
3.暗号化の方法を設定する
ここでは上記で記述した「選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成する」か、「アーカイブにして暗号化する」か暗号化の方法を選択します。3-1.選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成する場合
選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成する場合、以下のように「ファイルを別々に暗号化する」を選択し、「OK」ボタンをクリックします。3-2.アーカイブにして暗号化する場合
アーカイブにして暗号化する場合、以下のように「一つのパッケージにまとめてから暗号化する」を選択します。パッケージ名
パッケージ名にアーカイブのファイル名を入力します。拡張子は必要ありません。
すでに同名のファイルが存在している場合、上書きされるので注意してください。
アーカイブの形式
アーカイブの形式は、右端のメニューから選択します。相手がUbuntuやMacを利用しているなら、「.tar.gz」か「.tar.bz2」形式にしておくとよいでしょう。
相手がWindowsを利用しているなら「.zip」形式にしておくとよいでしょう。
設定を行ったら「OK」ボタンをクリックします。
4.ファイル名の指定
状況によっては以下のように、ファイルの保存先を指定する画面が表示されます。選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成する場合
暗号化ファイルのファイル名は、各ファイルのファイル名に拡張子「.pgp」をつけたものになります。もし各ファイルと同じフォルダー内に、暗号化ファイルのファイル名と同じファイルがすでに存在する場合、暗号化ファイルの保存先を指定する画面が表示されます。
アーカイブにして暗号化する場合
暗号化ファイルのファイル名は、「3-2.」で設定したファイル名に拡張子「.pgp」をつけたものになります。もし選択したファイルと同じフォルダー内に、暗号化ファイルのファイル名と同じファイルがすでに存在する場合、暗号化ファイルの保存先を指定する画面が表示されます。
保存先のフォルダーの選択やファイル名を入力し「保存」ボタンをクリックします。
5.秘密鍵のロック解除
暗号化ファイルに署名を行う場合、秘密鍵のロックを解除する必要があります。表示されている秘密鍵のパスフレーズを入力して「ロック解除」ボタンをクリックします。
6.ファイルの暗号化
以下のようにファイルの暗号化が開始されます。7.ファイルの暗号化完了
ファイルの暗号化が完了すると、暗号化ファイルが作成されます。選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成した場合
選択されたファイルごとに暗号化ファイルを作成した場合、以下のようにファイルごとに暗号化ファイルが作成されています。
これらの暗号化ファイルを相手に送信します。
サブフォルダー内も同様に、ファイルごとに暗号化ファイルが作成されています。
アーカイブにして暗号化した場合
アーカイブにして暗号化した場合、アーカイブファイルとそのアーカイブファイルを暗号化したファイルが作成されます。アーカイブファイル
以下はアーカイブファイルです。通常の圧縮ファイルと同じですから、「アーカイブマネージャー」で中身を閲覧することができます。
サブフォルダーもアーカイブ内に存在していることが分かります。
アーカイブファイルは暗号化されたファイルではないため、誤ってこのアーカイブファイルを送信しないように注意してください。
不必要であれば、このアーカイブファイルは削除しても構いません。
暗号化ファイル
以下は暗号化ファイルです。上記のアーカイブファイルを暗号化したファイルです。
この暗号化ファイルを相手に送信します。