efibootmgr
「efibootmgr」は、UEFIブートマネージャーを操作するコマンドです。「efibootmgr」を利用すると、UEFIブートマネージャーに起動エントリーを作成したり、起動エントリーの順番を変更することができます。
UEFIブートマネージャーとは
Window 7の一部のPCやWindows 8以降のPCでは、BIOSの代わりにUEFIが搭載されるようになりました。UEFIやUEFIとUbuntuの関係については、以下を参考にしてください。
- UEFIとセキュアブートについて・UEFI環境でOSを起動するOSローダー・UEFI対応PCとBIOS対応PC
- UbuntuとUEFI・UEFIに対応しているUbuntuのバージョン・ライブメディアのファイルシステムについて・WindowsやUEFIの起動時間短縮機能について
UEFIブートマネージャーは、起動するOSのブートローダー(OSローダー)を管理しています。
PCの電源をれるとUEFIが起動し、UEFIブートマネージャーに登録されているブートローダーを実行します。
UEFIブートマネージャーには、複数のブートローダーを登録できる
UEFIブートマネージャーには、複数のブートローダーを登録できます。WindowsのブートローダーやUbuntuのブートローダーを登録し、UEFIのブートマネージャーから特定のブートローダーを実行できます。
ブートローダーには順番がある
登録されたブートローダーには、起動順が設定されます。優先順位が高いブートローダーから順番に実行を試し、ブートローダーが存在していればそのブートローダーを実行します。
ブートローダーが無事起動すれば、そのブートローダーより優先順位が低いブートローダーの実行はスキップされます。
従ってUEFIブートマネージャーに複数のブートローダーが登録されていても、実行されるブートローダーは1つだけです。
ユーザーがUEFIブートマネージャーから任意のブートローダーを実行することもできます。
UEFIブートマネージャーのエントリー
UEFIブートマネージャーに登録されているブートローダーなどの項目を、「エントリー」と言います。UEFIブートマネージャーはGRUB2の役割に似ている
仕組みは全く異なりますが、ユーザーから見るとUEFIブートマネージャーはGRUB2の役割と似ています。すなわち、起動するOSの管理と起動です。
以下の画面は、UEFIブートマネージャーの画面です。
PCにより見た目や操作方法が変わります。
以下の画面は、GRUB2の画面です。
いずれも、起動するOSの管理や起動を行っています。
efibootmgrはUEFIブートマネージャーを操作できる
UEFIブートマネージャーに対する操作はUEFI上で行いますが、「efibootmgr」を利用すればUbuntu上からUEFIブートマネージャーを操作することができます。efibootmgrのインストール
「efibootmgr」のインストールです。(UEFIでUbuntuをインストールすれば、デフォルトでインストールされます。)
「Ubuntuソフトウェアセンター」を起動し、「efibootmgr」で検索します。
「インストール」ボタンをクリックします。
注意
「efibootmgr」は、UEFIで起動しているUbuntu上から利用できるコマンドです。BIOSで起動しているUbuntuからは利用できません。
また、BIOSで起動しているUbuntuに「efibootmgr」をインストールしないでください。
UbuntuがUEFIで起動しているかBIOSで起動しているか調べるには、「UbuntuがBIOSで起動しているのか、UEFIで起動しているのか調べるには」を参考にしてください。
UEFIブートマネージャーに登録されているエントリーの一覧を表示する
UEFIブートマネージャーに登録されている「エントリー」の一覧を表示します。1.コマンドの実行
「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo efibootmgr
2.エントリーの一覧表示
以下のように、現在UEFIブートマネージャーに登録されている「エントリー」の一覧が表示されます。出力内容の見方は、後述の「エントリー一覧の見方」を参考にしてください。
エントリーの一覧を詳細表示する
UEFIブートマネージャーに登録されている「エントリー」の一覧を詳細表示します。1.コマンドの実行
「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo efibootmgr -v
2.エントリーの一覧表示
以下のように、現在UEFIブートマネージャーに登録されている「エントリー」の一覧が詳細表示されます。「エントリー」の内容も表示されます。
出力内容の見方は、後述の「エントリー一覧の見方」を参考にしてください。
エントリー一覧の見方
エントリー一覧の見方です。BootCurrent
現在動作しているOSの起動に使用されたエントリーの番号が表示されます。BootOrder
エントリーの起動順(優先順位)がエントリーの番号で表示されます。この順番でエントリーに指定されている内容の実行が試され、起動に失敗すれば次のエントリーの内容の実行が試されます。
BootNext
次回PC起動時に実行されるエントリーの番号が表示されます。「BootNext」は「BootOrder」よりも優先されますが、実行されるのは1度のみです。
1度実行されると「BootNext」は削除されます。
「BootOrder」を変更せずに最も優先順位が高いエントリーを一時的に設定することができます。
Timeout
デフォルトのエントリーが自動的に選択されるまでの時間が表示されます。BootXXXX
エントリーです。「*」マークが付いているエントリーは、UEFIブートマネージャーで有効になっているエントリーです。
「*」マークがついていないエントリーは、UEFIブートマネージャーで無効になっているエントリーです。
4桁の数値は、各エントリーを識別する番号(16進数)です。
また、UEFIブートマネージャーで表示するエントリーの名称が表示されます。
詳細表示では、エントリーが実行する内容も表示されます。