IPP Everywhere
「Ubuntu 17.04」では、「IPP Everywhereプリンター」のサポートが行われる予定です。「IPP Everywhere」は、ドライバー等プリンター固有のソフトウェアがなくても、プリンターで印刷を可能にする仕組みです。
主にスマフォ等モバイルデバイスから写真や文書を印刷する時に利用される仕組みです。
例えば「Android 4.4」以降標準で「IPP Everywhere」のサポートが行われており、プリンタードライバーをインストールしなくてもプリンターを利用できるようになっています。
早い話、「AirPrint」です。
この「IPP Everywhere」に対応しているプリンターを「Ubuntu 17.04」で利用できるようにするため、動作確認やテストの協力を呼びかけています。
IPP Everywhereプリンター
「IPP Everywhere」はプリンター(もしくは相当のサービスを提供するデバイス)及びプリンターを利用するデバイスの両方でサポートされて初めて利用できるようになります。IPP Everywhereプリンターの検出を有効にするには
テストを行うために、「IPP Everywhereプリンター」を有効にする必要があります。「IPP Everywhereプリンター」を有効にする方法は、以下の2種類の方法があります。
- 自動検出
- 手動でプリンターを有効にする
いずれかの方法で「IPP Everywhereプリンター」を有効にします。
1.自動検出
自動で「IPP Everywhereプリンター」を検出し、プリンターを利用可能にする方法です。こちらの方法は作業内容が少なく、お勧めの方法です。
1-1.設定ファイルを開く
「CUPS」の設定ファルを編集します。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo -i gedit /etc/cups/cups-browsed.conf
1-2.編集箇所の検索
「テキストエディター」が起動するので、「CreateIPPPrinterQueues All」で検索します。以下のように編集箇所が見つかります。
1-3.設定の変更
行頭の「#」を削除し、以下のように編集します。編集したらファイルを上書き保存して「テキストエディター」を終了します。
1-4.cups-browsedの再起動
設定を反映するため、「cups-browsed」を再起動します。以下のコマンドを1行ずつ実行します。
sudo systemctl stop cups-browsed
sudo systemctl start cups-browsed
sudo systemctl start cups-browsed
「IPP Everywhereプリンター」の電源を入れれば、自動的にプリンターの検出が行われます。
後はそのプリンターに対し適当に印刷を行い、印刷できるかどうか確認してください。
2.手動でプリンターを有効にする
手動で「IPP Everywhereプリンター」を有効にする方法です。事前にプリンターの電源を入れ、利用できる状態にしておいてください。
2-1.管理画面を開く
「Firefox」を起動し、「http://localhost:631/」に移動します。以下の画面が表示されるので、「Administration」をクリックします。
2-2.プリンター追加画面の表示
以下の画面が表示されたら、「Add Printer」ボタンをクリックします。ユーザーの認証画面が表示されたら、管理者(通常はログインしているユーザー)のユーザー名とパスワードを入力して認証を行ってください。
2-3.IPP Everywhereプリンターの追加
「Discovered Network Printers:」の項目に「IPP Everywhereプリンター」が表示されるので、有効にしたいプリンターを選択し、「Continue」ボタンをクリックします。補足
選択したプリンターの名称に「driverless」が含まれていることを確認してください。2-4.プリンターの設定
「Connection:」の項目が「ipp://」もしくは「ipps://」で始まっているかどうか確認してください。もしそうなっているなら「Continue」ボタンをクリックします。
もしそうなっていないなら、そのプリンターは「IPP Everywhereプリンター」ではありません。
プリンターの選択をやり直してください。
「Add Printer」でプリンターを追加し、「Set Default Options」でデフォルト設定を行います。
後はそのプリンターに対し適当に印刷を行い、印刷できるかどうか確認してください。