Ubuntu DockとDash to Dockは何が違うのか
先ほど紹介した通り「Ubuntu 17.10」では、デスクトップ上にドック(ランチャー)がデフォルトで配置されるようになりました。以下にて「Ubuntu Dock」と「Dash to Dock」の相違点が紹介されています。
Ubuntu DockはDash to Dockから派生したソフトウェア
「Ubuntu Dock」は「Dash to Dock」から派生したソフトウェアです。大きな違いはありませんが、「Ubuntu」に最適化された変更が施されています。
実際のところ「Ubuntu Dock」はアップストリームの「Dash to Dock」のリポジトリーでソースコードが管理されています。
「ubuntu-dock」というブランチが作成されています。
このブランチに「Ubuntu」で行われた変更が含まれており、定期的に「Dash to Dock」とリベース(取り込み)が行われる予定です。
これは「Dash to Dock」の開発者と「Ubuntu Dock」の開発者が連携している証でもあります。
「Ubuntu Dock」に対する提案でも「Dash to Dock」と互換性のある提案や変更なら、「Dash to Dock」側で対応することが可能です。
Ubuntu Dockで何を変えたのか
「Ubuntu Dock」で変更された内容です。1.拡張IDの変更
GNOMEシェル拡張には、それぞれの拡張を一意に識別する拡張IDの変更があります。この拡張IDが「Ubuntu Dock」独自のIDに変更されています。
これに加えGNOMEシェル拡張の名称や説明なども変更されています。
変更内容は、以下のコミットを参照してください。
2.ドックの各種設定
ドックはデフォルトでデスクトップ上に常に表示されます。またドックの高さは、トップバーの高さを除く画面いっぱいに広がるようになっています。
加えてアイコン間のスペースは縮め、ドックの透過度は上がっています。
ドックの幅は、登録されているアプリケーションや起動しているアプリケーションに依らず動的には変化せず、アプリが起動していることを示すマークはオレンジ色に変更されています。
またドックをintellhideモード(状況に応じて自動的にドックを非表示にする機能)に設定した場合、ワークスペース上の各ウィンドウだけでなく現在アクティブなウィンドウも考慮に入れた動作を行います。
3.設定パネルの削除
ドックの設定を行う設定パネルが削除され、一部の設定を「GNOME Control Center(設定)」で行えるように変更されています。本来は「Unity」のように「外観」に配置するのが好ましいのですが、「GNOME Control Center」には「外観」が存在していません。
かと言って、「背景」に配置するのも好ましくありません。
そのため将来のリリースで設定の配置場所が変更される可能性があります。
4.スクロールによるワークスペースの切り替え
アプリケーションピッカーボタン(ドックの一番下にあるボタンのこと)上でマウスホイールをスクロールすると、ワークスペースを切り替えられるように変更されています。この挙動はGNOMEのDashの挙動と同じです。
Ubuntu Dockは無効にできないが、Dash to Dockと切り替えることは可能
「Ubuntu Dock」は「Ubuntu」のGNOMEシェルモードで有効になっており、ユーザーが簡単に無効にできるGNOMEシェル拡張ではありません。「Tweaks」で「Ubuntu Dock」を無効にしても「Ubuntu Dock」は無効になりません。
(元々Tweaks上ではオフになっている)
しかし「Ubuntu Dock」を「Dash to Dock」に置き換えることは可能です。
「Dash to Dock」を有効にすれば、自動的に「Dash to Dock」に切り替わります。
設定は共有する
「Ubuntu Dock」と「Dash to Dock」の設定は共有しているため、一方の設定の変更がもう一方にも反映されます。「Ubuntu Dock」で設定できる項目は「Dash to Dock」と比べると非常に少ないですが、様々なカスタマイズを行いたいユーザーは、「Dash to Dock」経由で「Ubuntu Dock」のカスタマイズを行うことができます。
つまり設定に関しては、デフォルト値が異なるということになります。