Intel GPU環境でハードウェアアクセラレーションによる動画再生が簡単に利用可能に
「Ubuntu 17.10最終β」では、Intel GPU環境でハードウェアアクセラレーションによる動画再生が簡単に利用できるようになりました。すべてのIntel GPUがサポートされているとは限りませんが、ハードウェアアクセラレーションが有効な環境では、4KやフルHDの動画を、ノートPCならCPUの使用率を20%以下で再生でき、デスクトップPCなら10%以下で再生できるようになります。
適切に設定されたHaswellプラットフォームのデスクトップPCにてテストを行った結果、4K 60FPS H.264動画再生時、CPUの使用率を3%に抑えることができたとのことです。
ハードウェアアクセラレーションを有効にするには
ハードウェアアクセラレーションを有効にするには、「Ubuntu 17.10」を新規インストールする場合と、「Ubuntu 17.10」へアップグレートした場合とで少し手順が異なります。Ubuntu 17.10を新規インストールする場合
「Ubuntu 17.10」を新規インストールする場合です。1.インターネットに接続する
「Ubuntu」のインストーラーを起動する前に、「Firefox」を起動しインターネットに接続できるか確認しておきます。2.サードパーティーソフトウェアのインストール
インストール時に「Ubuntuのインストール準備」画面が表示されます。この画面で「グラフィックス、WiFi-機器、Flash、MP3やその他メディアに必要なサードパーティーソフトウェアをインストールする」にチェックを入れ、インストールを行います。
「Totem」でハードウェアアクセラレーションによる動画再生が利用可能になります。
もしインターネットに接続せずに「Ubuntu」をインストールした場合や、すでに「Ubuntu 17.10」をインストール済みの場合、以下の「Ubuntu 17.10へアップグレートした場合」を参考にして作業を行います。
Ubuntu 17.10へアップグレートした場合
「Ubuntu 17.10」へアップグレートした場合、「ubuntu-restricted-addons」パッケージをインストールします。ubuntu-restricted-addonsパッケージのインストール
「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo apt install ubuntu-restricted-addons
ubuntu-restricted-addonsパッケージがインストールされているか確認するには
「ubuntu-restricted-addons」パッケージがインストールされているか確認するには、以下のコマンドを実行します。
apt-cache policy ubuntu-restricted-addons
上記のように「インストールされているバージョン」にバージョンが表示されていれば、「ubuntu-restricted-addons」パッケージがインストールされています。
これで「Totem」でハードウェアアクセラレーションによる動画再生が利用可能になります。
利用可能なハードウェアアクセラレーション
動画には様々なフォーマットが存在します。GPUで利用可能なハードウェアアクセラレーションを調べるには、「vainfo」コマンドで調べることができます。
vainfo
「vainfo」コマンドはデフォルトでインストールされていないため、「vainfo」コマンドを利用するには事前に「vainfo」パッケージをインストールしておく必要があります。
以下のコマンドを実行すれば、「vainfo」パッケージをインストールすることができます。
sudo apt install vainfo
Totemの不具合
「Ubuntu 17.10」では、動画プレーヤーに「Totem」が採用されており、デフォルトでインストールされています。しかし現状「Totem」にパフォーマンス上の問題があり、スムーズな再生や消費電力低減のために「mpv」を利用が勧められています。
CPU(GPU)のモデルから対応状況を調べるには
CPU(GPU)のモデルから対応状況を調べるには、「lscpu」コマンド等でCPUのモデル名を調べ、以下の情報を突き合わせて対応状況を調べます。テストにおすすめの動画
ハードウェアアクセラレーションによる動画再生のテストに、以下の動画が推奨されています。Intel以外の環境でも自身の環境でCPUの使用率がどの程度になるのか、試してみてはいかがでしょうか。