Ubuntu MATE 17.10の新機能と変更点・既知の問題
「Ubuntu MATE 17.10」のリリースノートから、「Ubuntu MATE 17.10」新機能と変更点及び既知の問題を紹介します。リリースノート
「Ubuntu MATE 17.10」のリリースノートは以下を参照してください。ディスクイメージのダウンロードなどリリース情報は、以下を参照してください。
1.サポート期間は9ヶ月
「Ubuntu MATE 17.10」は通常リリースとなるため、サポート期間は9ヶ月になります。従って2018年7月までサポートが提供されます。
Ubuntu MATE 16.04もおすすめ
長期サポート版である「Ubuntu MATE 16.04」も利用可能です。現在最新版の「Ubuntu MATE 16.04.3」については、以下を参照してください。
Ubuntu MATE 18.04へのアップグレードも可能
「Ubuntu MATE 16.04」は来年、「Ubuntu MATE 18.04」へ直接アップグレードできるようになる予定です。「Ubuntu MATE 18.04」は「Ubuntu MATE 16.04」同様、長期サポート版となります。
2.7種のパネルレイアウト
「Ubuntu MATE 17.10」では、デフォルトのレイアウトを変更するかどうか議論が行われましたが、最終的に変更しないという結論に至りました。しかし議論の過程で多くのユーザーから様々なフィードバックがあり、各ユーザーが好むのレイアウトを簡単に設定できるよう、「MATE Tweak」からパネルレイアウトを簡単に変更できるようになっています。
パネルレイアウトの中には以前のバージョンから改良されたパネルレイアウトもあります。
デフォルトで7種類のパネルレイアウトが提供されており、ユーザーはパネルレイアウトの選択とカスタマイズが可能です。
デフォルトで選択されているパネルレイアウトは、「Traditional」です。
2-1.Contemporary
伝統的なデザインとモダンなデザインをバランス良く組み合わせたデザインです。2-2.Cupertino
「macOS」風のデザインです。2-3.Mutiny
「Unity 7」風のデザインです。2-4.ネットブック
アプリのウィンドウの領域を多く確保するデザインです。2-5.Pantheon
Linuxデスクトップを古くから利用しており、その一方でモダンな便利さも利用したいユーザー向けのデザインです。2-6.Redmond
「Windows」風のデザインです。2-7.Traditional
「GNOME 2」のデザインです。3.グローバルメニュー
グローバルメニューは、トップパネルにアプリのメニューを移動し、画面の縦方向のスペースを確保する仕組みです。「Unity」ではお馴染みの機能ですね。
グローバルメニューを利用できるパネルレイアウト
グローバルメニューを利用できるパネルレイアウトは、以下のパネルレイアウトです。- Contemporary
- Cupertino
- Mutiny
グローバルメニューは、「GTK+」や「Qt」、「LibreOffice」、「Firefox」、「Thunderbird」、「Google Chrome」、「Electron」など、様々なアプリに対応しています。
4.スーパーキーのサポート改善
「MATE Settings Daemon」、「MATE Menu」、「Brisk Menu」、「MATE Dock Applet」が修正され、期待通りに「Super(Windows)」キーが動作するようになりました。「Super」キーを押せば、メニューやランチャーがアクティブになり、「Super」キーと組み合わせたショートカットキーも正しく動作します。
Mutinyならアプリの切り替えをスーパーキーで可能
「Mutiny」パネルレイアウト利用時、「Super」キーと数値キーを押せば、アプリの切り替えが可能です。これは「Unity」ランチャーと同じ動作です。
スクリーンロック
「Super + L」キーを押せば、スクリーンロックが可能です。これは「Ctrl + Alt + L」キーと同じ動作です。
5.Heads-Up Display(HUD)
「HUD(Heads-Up Display)」も利用可能です。「HUD」は、アプリのメニューを検索しメニューを実行する機能です。
キーボードから手を離さずにメニューを実行できます。
「Unity」では「HUD」が画面の上部に表示されていました。
「Ubuntu MATE」では、アプリのウィンドウの上部に表示されます。
「HUD」を表示するには、「Unity」と同じく「Alt」キーを押します。
ただし現状「HUD」で日本語入力ができないため、日本語環境だと利用しづらいでしょう。
HUDを利用できるパネルレイアウト
「HUD」を利用できるパネルレイアウトは、以下のパネルレイアウトです。- Contemporary
- Cupertino
- Mutiny
なぜアプリのウィンドウ上部にHUDを表示するのか
「Unity」のように「HUD」を画面上部に表示すると、アプリのウィンドウと「HUD」が離れている場合、視点の移動が必要になり、ユーザーのワークフローを妨げます。特に高解像度の大きなディスプレイでは視点の移動量は無視できなくなるでしょう。
この状況を改善するため、「HUD」はアプリのウィンドウ上部に表示するように変更されました。
6.インジケーターサポートの改善
多くのパネルレイアウトでフルセットのインジケーターが提供されるようになりました。デフォルトでは、以下のインジケーターが有効になっています。
- Optimus
- Bluetooth
- ネットワーク
- バッテリー
- メッセージ
- サウンド
- セッション
Optimusインジケーターは、Optimusが有効な時にのみ表示されます。
7.MATE Tweak
「MATE Tweak」は、パネルレイアウトなど「MATE」の設定をカスタマイズするためのアプリケーションです。ユーザーの多くがカスタマイズするであろう項目が用意されています。
カスタムレイアウトの操作
ユーザーがカスタマイズしたパネルレイアウトを、名前付きで保存できるようになりました。また未保存のカスタムレイアウトを削除する前に、確認画面が表示されるようになりました。
以前保存したカスタムパネルレイアウトの削除も可能になりました。
Comptonがティアフリーに
ウィンドウマネージャーで「Compton」を選択すれば、ゲーム向けに最適化されたティアフリーを利用できるようになりました。Compizのメモリー使用量が低減
ウィンドウマネージャーで「Compiz」利用時、メモリーの使用量が今までより低減されました。また細かな不具合も修正されています。
8.Slick Greeterの採用
ログイン画面のグリーターが「Slick Greeter」に変更されました。ディスプレイマネージャーは「LightDM」を採用しています。
以前の「Ubuntu」と似たようなデザインを提供します。
9.Cajaの改良
デフォルトのファイルマネージャーである「Caja」の改良点です。一括リネームツールの採用
一括でファイル名を変更できるツール(cajarename)が利用できるようになりました。ハッシュサム計算ツールの採用
ファイルの様々なハッシュ値を計算ツール(GtkHash)が利用できるようになりました。フォルダーにシンボルを設定できるようになった
「Folder Color」がアップデートされ、フォルダーにシンボルを設定できるようになったcaja-adminの採用
ファイルを「toot」で開く・実行するツールが、「caja-gksu」から「caja-admin」へ変更されました。「gksu」は「Debian」から削除され、「PolicyKit」へ移行する必要があったためです。
10.Snapアプリ
デフォルトで「Snap」がインストールされ、Snapアプリが利用できるようなりました。またデフォルトで「pulsemixer」がインストールされています。
11.その他の変更や既知の不具合
その他の変更や既知の不具合です。11-1.Ubuntuのインジケーターと互換性を確保
「Unity」時代の「Ubuntu」で利用可能なインジケーターの多くを「Ubuntu MATE」でも利用できるようになりました。11-2.SynapseとHexChatがデフォルトのインストールから外された
「Synapse」と「HexChat」がデフォルトのインストールから外されました。11-3.Redshiftがデフォルトのインストールに追加
「Redshift」がデフォルトでインストールされるようになりました。しかしこの機能はデフォルトで無効になっています。
11-4.インストーラーの修正
インストーラーのスライドショーが新しくなりました。またインストーラーに「Ubuntu MATE」のロゴが追加されました。
11-5.ショートカットキーの追加
「Shift + PrintScreen」キーでスクリーンショットを作成する領域を指定できるようになりました。11-6.その他非常に多くの不具合の修正
その他非常に多くの不具合の修正が行われています。詳細はリリースノートを参照してください。