新しいintel-microcodeをインストールすると、PCやログイン画面がフリーズする問題
先日リリースされた「intel-microcode」をインストールすると、PCやログイン画面がフリーズする問題が報告されています。
先日リリースされた「intel-microcode」に関しては、以下を参照してください。
不具合報告
本件に関する不具合報告は、以下を参照してください。- New version of intel-microcode freezes computer
- intel-microcode 3.20180312.0 causes lockup at login screen(w/ linux-image-4.13.0-37-generic)
PC起動時やログイン画面でPCがフリーズするとのことです。
現象が確認されている環境
不具合報告の内容から、本現象が確認されている環境を紹介します。| 項目 | 環境 |
|---|---|
| OS | Ubuntu 16.04 Ubuntu 17.10 |
| カーネル | linux-image-4.13.0-36-generic linux-image-4.13.0-37-generic |
| マイクロコード | intel-microcode 3.20180108.0+really20170707ubuntu17.10.1 |
| CPU | Intel Core i7 Sandy Bridge（第2世代） Intel Core Ivy Bridge（第3世代） Intel Core i5-4330M Haswell（第4世代） Intel Core i7 Skylake（第6世代） Intel Core i5-6200U（第6世代） Intel Core i7 Kaby Lake（第7世代） |
上記の内容はあくまでユーザーの報告に基づく内容であり、必ずしも上記以外の環境で問題が発生しないとは限りません。
また環境によって現象が発生したりしなかったりと、状況に揺らぎがあります。
ちなみにOSは、フレーバーも対象です。
この現象はIntel製CPUを搭載した環境で発生しうる現象であり、AMD製CPUは無関係です。
原因はまだ不明
現状この問題の原因は分かっていません。マイクロコードはIntelから提供されるものであり、原因によっては「Ubuntu」側で修正できません。
1.正常にPCを起動及びログインできるようにする
以下の回避策が提案されています。まずは正常にPCを起動及びログインできるようにします。
1.ブートオプションの設定画面の表示
「Shift」キーを押しながらPCを起動時すると、以下のようにブートメニューが表示されます。「Ubuntu」が選択されている状態で「e」キーを押します。
2.編集箇所の確認
以下のような画面が表示されるので、「linux」で始まる行を探します。
「↓」キーを押して「linux」で始まる行にカーソルを合わせたら、「End」キーを押して行の最後にカーソルを移動します。
3.ブートオプションの設定
「 dis_ucode_ldr」と入力します。
日本語キーボードで「_」を入力するには、「Shift + -」キーを押します。
入力し終えたら「F10」キーを押して「Ubuntu」を起動します。
2.intel-microcodeのダウングレード
「Ubuntu」にログインできたら、「intel-microcode」を1つ前のバージョンに戻し、この問題を回避します。1.intel-microcodeのダウンロード
1つ前の「intel-microcode」をダウンロードします。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
wget https://launchpad.net/~ubuntu-security-proposed/+archive/ubuntu/ppa/+build/14261530/+files/intel-microcode_3.20180108.0+really20170707ubuntu16.04.1_amd64.deb
2.intel-microcodeのダウングレード
続いて以下のコマンドを実行します。
sudo dpkg -i intel-microcode_3.20180108.0+really20170707ubuntu16.04.1_amd64.deb
以上で完了です。
注意事項
毎回「ソフトウェアの更新」起動時に、「intel-microcode」がアップデート対象になります。本問題が解決するまで、チェックを外してアップデート対象から外す必要があります。
もしくは次に紹介する方法で「ソフトウェアの更新」のアップデート対象から「intel-microcode」を外すことができます。
3.ソフトウェアの更新のアップデート対象からintel-microcodeを外すには
「ソフトウェアの更新」のアップデート対象から「intel-microcode」を外す方法です。パッケージのホールド
「端末」から以下のコマンドを実行します。
sudo apt-mark hold intel-microcode
以上で完了です。
「ソフトウェアの更新」のアップデート対象から「intel-microcode」が外れます。
ホールドを解除するには
ホールドを解除するには、以下のコマンドを実行します。
sudo apt-mark unhold intel-microcode
注意事項
「Synaptic」など一部のパッケージ管理ツールでは、上記のホールドが作用しません。つまり毎回アップデート対象になるため、注意してください。
また本問題が解消された後は忘れずに「intel-microcode」のホールドを解除してください。
ホールドしたことを忘れずに覚えておきましょう。
以上で完了です。
intel-microcodeを削除するには
「intel-microcode」を削除してしまう方法もあります。ただしマイクロコードはCPUの不具合の修正や改良のために提供されているものなので、「intel-microcode」の削除により、環境によっては別の問題が発生する可能性があります。
intel-microcodeを削除するには
「intel-microcode」を削除するには、「端末」もしくは「リカバリーモード」から起動したシェルから、以下のコマンドを実行します。
sudo apt remove intel-microcode
本問題が解消された後は忘れずに「intel-microcode」をインストールしておきましょう。
