Windowsの次期大型アップデートで何が変わるのか?
今月「Windows 10」の次期大型アップデート(バージョン1803)のリリースが予定されています。そのアップデートで盛り込まれる「WSL」及びコンソールの変更点が紹介されています。
「Insider Preview」利用者は、すでにこれらの変更が盛り込まれた「Windows 10」を利用しています。
また今回紹介する変更点は、前回の大型アップデートからの差分になります。
新たなLinuxディストリビューションが利用可能に
「WSL」上で動作する新たなLinuxディストリビューションが利用可能になります。Kali Linux
「Kali Linux」が利用可能になりました。「Kali Linux」は、ペネトレーションテストやセキュリティーの監査に焦点をあてたLinuxディストリビューションです。
詳細は以下を参照してください。
Debian GNU/Linux
「Debian GNU/Linux」が利用可能になりました。「Debian」は「Ubuntu」のアップストリームであり、非常に有名な、そして歴史あるLinuxディストリビューションです。
詳細は以下を参照してください。
その他のLinuxディストリビューション
参考までに以下のLinuxディストリビューションは、以前のバージョンから利用可能になっています。- WindowsストアからUbuntuをインストールするには
- WindowsストアからopenSUSE Leap 42をインストールするには
- WindowsストアからSUSE Linux Enterprise Server 12をインストールするには
- Windows Server 2016にUbuntuをインストールするには
Linuxディストリビューションの設定機能
Linuxディストリビューション起動時、「/etc/wsl.conf」を利用してLinuxディストリビューションの設定を制御できるようになりました。詳細は以下を参照してください。
コンソールウィンドウがなくてもLinuxのバックグラウンドタスクが動作可能に
コンソールウィンドウがなくてもLinuxのバックグラウンドタスクが動作可能になりました。詳細は以下を参照してください。
相互運用性の改善
「Linux/WSL」及び「Windows」間の相互運用性が改善されました。wslpathコマンドの追加
「WSL」のパスと「Windows」のパスを相互に変換する「wslpath」コマンドが追加されました。
wslpath usage:
-a force result to absolute path format
-u translate from a Windows path to a WSL path (default)
-w translate from a WSL path to a Windows path
-m translate from a WSL path to a Windows path, with ‘/’ instead of ‘\\’
EX: wslpath ‘c:\users’
-a force result to absolute path format
-u translate from a Windows path to a WSL path (default)
-w translate from a WSL path to a Windows path
-m translate from a WSL path to a Windows path, with ‘/’ instead of ‘\\’
EX: wslpath ‘c:\users’
Windowsの環境変数とLinuxの環境変数を相互に引き継ぎ可能に
Windowsの環境変数とLinuxの環境変数を相互に引き継げるようになりました。詳細は以下を参照してください。
DrvFSでスペシャルファイルを作成可能に
「DrvFS」でスペシャルファイルの作成がサポートされました。詳細は以下を参照してください。
DrvFSでLinuxのパーミッションを設定可能に
「DrvFS」でLinuxのパーミッションを設定できるようになりました。またこれに伴うマウントオプションがサポートされました。
詳細は以下を参照してください。
- DrvFs内のファイルにLinuxの所有者やパーミッションを設定可能に・スペシャルファイルを作成可能に
- DrvFsのマウントオプションのサポート改善・ユーザーIDやパーミッションを指定可能に
- Build 17074のWSLに関する変更点・メタデータフォーマットの修正
DrvFSでファイル名の大文字/小文字区別の有無を識別するフラグを設定可能に
「DrvFS」でファイル名の大文字/小文字区別の有無を識別するフラグが設定可能になりました。詳細は以下を参照してください。
UNIXソケットのサポート
「Windows」でUNIXソケットがサポートされました。また「Windows」と「Linux/WSL」間でUNIXソケットを利用したプロセス間通信が可能になりました。
詳細は以下を参照してください。
Visual Studio Code
「Visual Studio Code」では、「Windows」上で動作する「Visual Studio Code」から、「Linix」上で動作する「NodeJS」をデバッグできるようになりました。セットアップ方法は、以下を参照してください。
新しいツール
「Windows 10」に新しいツールが導入されました。OpenSSH
「OpenSSH」が利用可能になりました。詳細は以下を参照してください。
curlとtar
「curl」と「tar」が利用可能になりました。詳細は以下を参照してください。
Tips
以下は当サイトで紹介したTipsです。- Linuxディストリビューションを管理するには・WSL Configコマンドの紹介
- デフォルトのユーザーを変更するには・ディストリビューションをクリーンな状態に戻すには
- WindowsからLinuxのシェルを起動する3つの方法