Xubuntu 18.04の新機能や変更点をピックアップ
「Xubuntu 18.04」の新機能や変更点を紹介します。「Xubuntu」はデスクトップ環境に「Xfce」を採用した「Ubuntu」のフレーバーです。
「Ubuntu」と共通したコアコンポーネントを採用しており、また「Xfce」の採用により、軽さとカスタマイズ性と使い勝手をバランス良く、そして高度に実現しています。
1.サポート期間
「Xubuntu 18.04」のサポート期間は3年です。2021年4月までサポートが提供されます。
外観やテーマに関する変更点
外観やテーマに関する変更点です。1.GTK Theme Configuratioツールの削除
「GTK+」のテーマを設定する「GTK Theme Configuratioツール」が削除されました。「GTK+」の仕様変更により、テーマのカラーを変更(上書き)できなくなったためです。
今後の「GTK+」のリリースでこの機能が復活する可能性がありますが、従来より限られた機能の提供及びテーマのサポートになる可能性があります。
2.Greybird GTKテーマのアップデート
「Greybird GTK」テーマが「3.22.8」にアップデートされました。これにより、以下の改善が行われました。
- HiDPIのサポート
- Chrome/ChromiumのGTK 3スタイルのサポート
- 新しいダークテーマ
- スイッチの小型化
- スケールの改善
- GTK 2アプリ及びGTK 3アプリ間の見た目の一貫性
パネルプラグイン
パネルプラグインに関する変更点です。1.PulseAudioプラグイン
従来のサウンドインジケーターは、「Xfce PulseAudioプラグイン」に変更されました。「Xfce PulseAudioプラグイン」では、以下の機能を利用できます。
- 音声の入出力の制御
- マウスの中央ボタンのクリックで、ミュートとミュート解除の切り替え
- メディアプレーヤーの制御
- 100%を超えるボリュームの設定
- マルチメディアキーによるMPRIS2に対応したメディアプレーヤーの制御
- プレイリストの入れ替え(サポートされたアプリのみ)
2.ステータス通知プラグイン
従来のアプリケーションインジケーターは、よりカスタマイズ性のある「Status Notifierプラグイン」に変更されました。「indicator-application」によるインジケーターも、「FreeDesktop.org StatusNotifierItem」仕様にも対応しています。
「Status Notifier」プラグインでは、以下のカスタマイズが可能です。
- アイコンサイズ
- 正方形アイコン
- シンボリックアイコン
- インジケーターごとに表示・非表示の切り替え
正方形アイコンでは、すべてのアイテムの幅は、少なくともアイテムの高さと同じ幅になります。
シンボリックアイコンでは、インジケーターのシンボリックアイコンが利用可能ならシンボリックアイコンが表示されます。
3.通知プラグイン
通知プラグインは、新しい「xfce4-notifydパネルプラグイン」が採用されています。このプラグインは、通知メッセージの抑制や、過去の通知メッセージの確認が可能です。
アプリケーションの変更点
アプリケーションに関する変更点です。1.MATEアプリの採用
以下のアプリは、「MATE」が提供するアプリに置き換えられました。アプリの種類 | 従来のアプリ | 新しいアプリ |
---|---|---|
ドキュメントビューワー | Evince | Atril |
アーカイブマネージャー | File Roller | Engrampa |
電卓 | GNOME Calculator | MATE Calculator |
2.Catfishのアップデート
ファイルの検索を行う「Catfish」がアップデートされ、「Catfish 1.4.4」になりました。パフォーマンス、エラー処理、及び翻訳の改善が行われています。
3.MenuLibreのアップデート
メニューを編集する「MenuLibre」がアップデートされ、「MenuLibre 2.0.0」になりました。「MenuLibre 2.0.0」では多数の新機能や不具合の修正など、大きなアップデートが行われています。
- ランチャーのテスト
- サブメニューの並び替え
- 任意のディレクトリーにランチャーのインストールサポート
- 既存のランチャーの問題検出
さらに「MenuLibre」は、以下のデスクトップ環境で利用できるようになりました。
- Budgie
- Cinnamon
- EDE
- LXQt
- KDE Plasma
- MATE
- Pantheon
4.Parole Media Player
メディアプレーヤーの「Parole Media Player」が「1.0.1」にアップデートされました。ユーザーのハードウェア環境に応じて自動的に最善の設定を行う機能が搭載され、この機能がデフォルトで有効になっています。
これにより設定上の問題やパフォーマンスを改善することができます。
また「VirtualBox」上で動画を再生できるようになりました。
5.Thunar
ファイルマネージャーの「Thunar」が「1.6.15」にアップデートされました。ここ数カ月間、安定版「GTK+」のリリースに向けて集中的に「Thunar」の開発作業が行われました。
本バージョンでは、引き続き「Thunar」を信頼できる安定したデフォルトのファイルマネージャーとして採用していくため、多数の不具合の修正が含まれています。
6.電源管理
「Xfce Power Manager」が「1.6.1」にアップデートされ、新機能の追加や改善、及び不具合の修正が行われています。プレゼンテーションモードが改善され、このモードが有効な時は確実にスクリーンセーバーが動作しないように修正されました。
またPCがバッテリーで動作している時、バッテリー残量の割合表示及び残り動作時間を表示するオプションが追加されました。
7.通知システム
「Xfce Notifications」が「0.4.2」にアップデートされました。「Xfce notificationデーモン」はパネルプラグインを提供しており、 通知内のリンクのサポートやマークアップのサポート改善が行われています。
パネルプラグインから通知メッセージを非表示にしたり、過去の通知メッセージを確認する機能に簡単にアクセスできます。
8.LibreOffice 6.0
「LibreOffice 6.0」が採用されました。「LibreOffice 6.0」の変更点や紹介は、以下を参照してください。
9.FirefoxとThunderbird
「Ubuntu」と同様に最新の「Firefox」と「Thunderbird」が採用されました。10. LightDM GTK+ Greeter
「LightDM GTK+ Greeter」がアップデートされ、アクセスシビリティ及びオートログインに関する不具合の修正、マルチモニターでフリーズする問題が修正されました。またGTKテーマの検出処理も改善されています。
11.その他のアプリ
以下のアプリが採用されています。- Xfburn 0.5.5
- Xfce Panel 4.12.2
- Xfce Power Manager 1.6.1(GTK+3に移行済み)
- Xfce Terminal 0.8.7
- Xfce Weather Plugin 0.8.10
- Xfce Whisker Menu Plugin 2.1.5
- Xfce XKB Plugin 0.8.1(GTK+3に移行済み)
その他の変更点
その他の変更点です。1.Xfce 4.14
「Xfce 4.14」の開発が進んでいますが、「Xubuntu 18.04」向けに「Xfce 4.14」が提供される予定はありません。2.Bluetooth
「PulseAudio Bluetooth」がデフォルトでインストールされるようになりました。これにより「Xubuntu」では、デフォルトで「Bluetoothオーディオデバイス」を利用できます。
また「Blueman」が「2.0.5」にアップデートされ、ゲームコントローラーやモデムのサポートが改善されました。
3.Numlock
キーボードのテンキーの利用を改善するため、自動的に「numlockx」が起動するようになりました。これによりキーボードのテンキーが自動的にオンになります。
Ubuntuの変更点や既知の問題
「Linux kernel」などコアコンポーネントは「Ubuntu」と共有しています。共有部分の変更点や既知の問題は、「Ubuntu」の変更点や既知の問題を参考にしてください。