インストール情報の統計データ公開
「Ubuntu Desktop」では、「Ubuntu 18.04 LTS」インストール時にハードウェア情報などインストールに関する情報を収集し、インストール情報を「Canonical」に送信する機能を実装しています。インストール情報の送信は任意です。
フロントエンドの開発
さて以前紹介したように、ユーザーから収集したインストール情報を元に統計データを作成し、統計データを公開するフロントエンドの開発が行われています。フロントエンドは現在開発中であり、デザインチームは収集した情報の安全性と匿名性を確保しつつ統計データを表現する最善の方法を検討しています。
その後ウェブチームは、デザインチームの成果を元に公のウェブサイト上に統計データを公開するための実装を行います。
これらの作業は「Ubuntu 18.10」の開発サイクルで行われ、同開発サイクルで作業が完了する予定です。
統計データの公開
今回公開された統計データは、フロントエンドを通じて公開された統計データではなく、「Canonical」がインストール情報を元に作成した統計データです。フロントエンドを通じて公開される統計データは、デザインや項目が変化する可能性があります。
Ubuntu Desktopの統計データ
今回公開された統計データは、「Ubuntu Desktop」の統計データです。「Ubuntu Server」や「Ubuntu Core」、クラウドイメージ、及び「ubuntu-report」を含まないフレーバーは含まれていません。
「ubuntu-report」はインストール情報を送信するソフトウェアです。
統計データ
さっそく公開された統計データを見てみましょう。システム情報の送信率
システム情報の送信率(オプトインしたユーザーの割合)は、67%です。この数値は「Ubuntu 18.04 LTS」のリリース以来安定した数値であり、ここ数週間で増加傾向にあります。
平均インストール時間
「Ubuntu Desktop」のインストールにかかった時間の平均は、18分でした。中には通常インストールが8分掛からず完了したPCも存在しています。
18分という時間は他のOSのインストールにかかる時間と比較しても速く、開発チームは今後も時間短縮など最適化の検討を行っていきます。
クリーンインストール vs アップグレード
既存の「Ubuntu」を「Ubuntu 18.04 LTS」へアップグレードしたユーザー数は、「Ubuntu 18.04 LTS」をクリーンインストールしたユーザー数の約1/4です。「Ubuntu 18.04 LTS」へのアップグレード案内は、「Ubuntu 18.04.1 LTS」リリース後に案内されるため、この数値は驚くべき数値ではありません。
「Ubuntu 18.04.1 LTS」は、2018年7月26日にリリースされる予定です。
インストーラーオプション
インストーラーオプションに関する割合です。最小インストールを選択したユーザーの割合は、15%です。
最小インストールは「Ubuntu 18.04 LTS」で追加されたオプションですが、既存の「Ubuntu」ユーザーにとって魅力的なオプションとなっています。
インストール時にアップデートをダウンロードするオプションを選択したユーザーの割合は、90%を超えています。
非常に多くのユーザーがインストール中にアップデートをダウンロードするオプションを選択しています。
またサードパーティー製のソフトウェアをインストールするオプションを選択したユーザーの割合は、53%を超えています。
半数以上のユーザーがこのオプションを利用しています。
自動ログインを有効にするオプションを選択したユーザーの割合は、約28%です。
CPUの数
CPU数(コア数ではない)は、ほとんどのユーザーがシングルCPUを利用しています。ディスクとパーティション
「Ubuntu」のインストール方法に関する割合です。ストレージ全体をフォーマットしてインストールするユーザーの割合が約54%です。
手動でパーティション構成を決めてインストールするユーザーの割合が約22%です。
この2種類のインストール方法が全体の7割以上を占めます。
開発チームはこの結果を受け、手動でパーティション構成を決めてインストールする機能を引き続き提供する必要性があること、もっと簡単に利用できるよう改善できないか検討の必要性を認識しています。
ディスプレイ
ディスプレイ(モニター) に関する割合です。画素密度
ディスプレイの画素密度では、従来の画素密度を持つディスプレイが広く使われていることがわかります。HiDPIや4Kディスプレイの利用者は多くありません。
画面解像度
画面解像度ではFullHD(1920 x 1080)の割合が一番多く、次に多いのがWXGA(1366 x 768)です。WXGAはノートPCで広く採用されている画面解像度です。
HiDPIや4Kディスプレイの価格がもっと下がれば、この状況は変わっていくでしょう。
ディスプレイの数
多くのユーザーが1台のディスプレイを利用しています。デュアルディスプレイ/マルチディスプレイのユーザーは多くありません。
GPU
多くのユーザーがシングルGPUを利用しています。メモリー
物理メモリーの搭載容量は4GBが最も多く、僅差で8GBが続きます。1GBの環境にインストールしているユーザーもそこそこいますね。
その一方で128GBの環境にインストールしているユーザーもいます。
Ubuntuをインストールした地域別ユーザーの規模
「Ubuntu 18.04 LTS」をインストールした地域別ユーザーの規模です。このデータはインストール時にユーザーが選択したタイムゾーンに基づいたデータです。
IPアドレスは保持しないため、IPアドレスに基づくデータではありません。
ユーザーが住んでいる地域とタイムゾーンが一致していないケースもあるため、必ずしも十分な精度があるとは限りません。
さて最も規模が大きいのは、北米です。
ブラジル、インド、中国、ロシアでも多くのユーザーが「Ubuntu」を利用しています。
日本でも多くのユーザーが「Ubuntu」を利用しています。
ユーザーの規模を除くと、世界中のユーザーが「Ubuntu」を利用していることが分かります。
つまり世界中に「Ubuntu」ユーザーがいるということです。