Ubuntu Touch OTA-4 RC版リリース
2018年6月20日に「Ubuntu Touch OTA-4」RC版がリリースされました。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
OTA
RC版はリリース候補版のことであり、安定版のリリースが近づいていることを意味します。「OTA」とは「over-the-air」の略であり、「Ubuntu Touch」にとって「OTA」は大型アップデートのことを指します。
「OTA-4」は「Canonical」時代の「Ubuntu Touch」も含め通算4回目の「OTA」です。
Ubuntu 16.04ベースのUbuntu Touch
開発チームは6ヶ月間「Ubuntu Touch OTA-4」の開発に集中して取り組み、初の「Ubuntu Touch OTA-4」RC版のリリースに至りました。「Ubuntu Touch OTA-4」は「Ubuntu 16.04 LTS」がベースになっています。
今まで「Ubuntu Touch」は「Ubuntu 15.04」がベースとなっていましたが、「Ubuntu 15.04」はすでにサポートが終了しており、「Ubuntu 16.04 LTS」への移行はプロジェクトにとって中心的な目標でした。
現在でもサポートが提供されている「Ubuntu 16.04 LTS」に移行することで「Ubuntu Touch」は、コアパッケージのアップデートを直接アップストリームから、そしてUbuntuコミュニティーから受け取れるようになります。
機能の改善や不具合の修正
「Ubuntu Touch OTA-4」の変更点は、「Ubuntu 16.04 LTS」への移行だけではありません。「Ubuntu Touch」が抱えている不具合の修正や、機能の改善、新機能の搭載も行われています。
それらの内容は、以下を参照してください。
なぜUbuntu 18.04 LTSベースではないのか
2018年4月に最新版のLTSとなる「Ubuntu 18.04 LTS」がリリースされました。しかし「Ubuntu Touch」は「Ubuntu 18.04 LTS」への移行は行わず、まず「Ubuntu 16.04 LTS」への移行を行いました。
「15.04」ベースから「16.04」ベースへの移行自体簡単なものではありませんが、直接「18.04」へ移行するよりは簡単である・現実的であるとの判断が行われたためです。
こうすることでより積極的なリリースを行え、品質の確保及びその精度を高めていくことができます。
テストの協力を
RC版はテスターや開発者向けに提供されているバージョンです。プロジェクトではテストの協力を求めています。
すでに報告されている不具合は、以下で参照できます。
「Ubuntu Touch OTA-4」RC版は「UBports Installer」を起動し、「16.04/rc」チャンネルからインストールすることができます。
デバイスのデータを維持したままインストールするには、「Wipe」オプションをオフにしてインストールします。
詳細はリンク先を参照してください。
まだ完成はしていない
RC版は安定版ではなく、上記で紹介したように既知の問題もあります。不具合などの制約がありますが、全体的に日々利用できるぐらいの品質にはなっています。
もし「Ubuntu Touch OTA-4」RC版をインストールするなら、事前に既知の問題や不具合に目を通し、状況を把握しておきましょう。
不具合を報告するには
まだ報告されていない不具合を報告するには、以下を参照してください。また不具合の報告では「Xenial RC」を明記しておきましょう。
OSの情報は「Settings > About > OS」から参照できます。
もちろん不具合の報告だけでなく修正といった協力も歓迎されます。
テストケースに関しては、以下が参考になるでしょう。
注意事項
プリインストールされているブラウザーは様々な問題を抱えており、次のリリースで新しいブラウザー(browser-ng/WebBrowser Next)に置き換えられる予定です。そのためプリインストールされているブラウザーに関する不具合報告は必要ありません。
「browser-ng」は「Ubuntu Touch OTA-4」RC版のインストール過程で手動でインストールするか、「WebBrowser Next」から手動でインストールしてください。
「Ubuntu Touch 15.04」向けにリリースされているアプリを「Ubuntu Touch 16.04」で利用できるようにするには、アプリの開発者が「Ubuntu Touch 16.04」向けにアプリを再コンパイルする必要があります。
「Ubuntu Touch 16.04」に移行していないアプリは互換性が確保されるまで、「OpenStore」の「direct view」に表示されないようになっています。
バックエンドを使用せず「QML」のみ使用して動作する「Webapp」やアプリは、そのまま動作するでしょう。
「15.04/devel」と「15.04/rc」チャンネルはまだ有効になっていますが、今後2週間以内に「16.04」にリダイレクトされる予定です。