Linux Mint 19へアップグレードするには
先日リリースされた「Linux Mint 19」へアップグレードする方法です。以下のOSを利用しているユーザーは、「Linux Mint 19」へアップグレードできるようになりました。
- Linux Mint 18.3 Cinnamon Edition
- Linux Mint 18.3 MATE Edition
- Linux Mint 18.3 Xfce Edition
上記より前のバージョンを利用しているユーザーは、一旦「Linux Mint 18.3」へアップグレードする必要があります。
さて「Linux Mint 19」への具体的なアップグレード方法は、以下で紹介されています。
アップグレードの注意事項
アップグレードの注意事項です。1.アップグレードの必要性の検討
「Linux Mint 17」〜「Linux Mint 17.3」は2019年までサポートされます。「Linux Mint 18」〜「Linux Mint 18.3」は2021年までサポートされます。
現在利用している「Linux Mint」のバージョンがサポート期間中であり、かつ現在のシステムが問題なく動作している場合は、無理にアップグレードする必要はありません。
漠然とした不具合の修正や新機能に期待してアップグレードするのではなく、「Linux Mint 19」のリリースノートや新機能に目を通し、アップグレードの必要性を検討した上でアップグレードを行いましょう。
「Linux Mint 19」のリリースノートや新機能は、以下を参照してください。
2.事前に試用を
「Linux Mint 19」では、新しい「Linux kernel」を採用しています。つまりハードウェアのサポート状況が変わるということです。
新しい「Linux kernel」の採用によりサポートするハードウェアの種類が増えますが、今現在利用してるハードウェアが問題なくそのまま利用できるとは限りません。
現在利用しているグラフィックカードや無線LANがアップグレード後に認識されなくなるといった問題に直面する可能性があります。
このような問題を事前に可能な限り回避するには、アップグレード前に「Linux Mint 19」のライブメディアを作成し、「Linux Mint 19」を試用してみることです。
「Linux Mint 19」のライブセッションでは、「Linux Mint 19」のアップグレードやインストールを行うことなくデスクトップを利用できるため、利用しているハードウェアが動作しているか確認すると良いでしょう。
3.システムのバックアップを
アップグレードの失敗に備え、事前にシステムのバックアップを作成しておきましょう。システムのバックアップ(スナップショット)は、「Timeshift」から作成可能です。
システムのバックアップを作成しておけば、後で元の状態に戻すことができます。
もし「Timeshift」がインストールされていない場合は、以下のコマンドで「Timeshift」をインストールすることができます。
apt install timeshift
4.ユーザーが作成したファイルのバックアップを
ユーザーが作成したドキュメントやファイルは、事前にバックアップしておきましょう。オンラインストレージサービスを利用してバックアップしても良いですし、DVDやUSBメモリーにバックアップするのも良いでしょう。
5./etc以下の設定ファイルはすべてデフォルトの設定に戻る
「/etc」以下に配置されている設定ファイルは、アップグレード時にすべてデフォルトの設定に戻ります。必要なら再度編集するか、バックアップから設定ファイルを元に戻すか、バックアップした設定ファイルと比較して必要な箇所をマージしてください。
6.アップグレードできない時は
エラー等でアップグレードできない時は、「Linux Mint 19」のクリーンインストールを検討してください。アップグレード方法
「Linux Mint 19」へアップグレードする方法です。1.ディスプレイマネージャーの確認
まずディスプレイマネージャーが「LightDM」になっているか確認します。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
cat /etc/X11/default-display-manager
上記のように「/usr/sbin/lightdm」と出力されれば「LightDM」になっています。
次のステップへ進んでください。
もし「/usr/sbin/mdm」と出力された場合、以下のコマンドを実行し「LightDM」のインストールと「LightDM」への切り替えを行います。
apt install lightdm lightdm-settings slick-greeter
途中でディスプレイマネージャーの選択肢が表示されるので、「LightDM」を選択してください。
その後以下のコマンドを1行づつ実行し、「MDM」を削除します。
apt remove --purge mdm mint-mdm-themes*
sudo dpkg-reconfigure lightdm
sudo dpkg-reconfigure lightdm
ここでPCを再起動してください。
ディスプレイマネージャーが「LightDM」になります。
2.アップデートの適用
「アップデートマネージャー」を起動し、「更新」ボタンをクリックします。もし上記のようにアップデート内容が表示されたら、「アップデートをインストール」ボタンをクリックし、すべてのアップデートを適用してください。
PCの再起動が促されたら、PCを再起動してください。
3.端末の起動と設定
「端末」を起動し、「編集」メニューを開き「プロファイルの設定」をクリックします。設定画面が表示されるので「スクロール」タブをクリックし、「スクロールバックの限界値」のチェックをオフにします。
こうすることで出力内容が途中で削除されなくなります。
4.アップグレードツールのインストール
「端末」で以下のコマンドを実行し、「mintupgrade」をインストールします。
apt install mintupgrade
5.アップグレードの確認
実際にアップグレードを行う前に、アップグレードの確認を行います。以下のコマンドを実行します。
mintupgrade check
以下のように確認メッセージが出力されたら、「y」を入力して「エンター」キーを押します。
以下のように確認メッセージが出力されたら、「y」を入力して「エンター」キーを押します。
以下のように、アップグレードによって影響を受けるパッケージの一覧が表示されます。
新たにインストールされるパッケージ、アップデートされるパッケージ、削除されるパッケージ、維持するパッケージ等の情報が出力されます。
パッケージ数が多いため、スクロールバックしてパッケージを確認しましょう。
特にエラーが出なければ、「Linux Mint 19」へアップグレード可能です。
6.パッケージのダウンロード
以下のコマンドを実行し、アップグレードに必要なパッケージをダウンロードします。
mintupgrade download
この時点ではパッケージのダウンロードのみが行われ、アップグレードは行われません。
アップグレードの事前準備ですね。
ダウンロードを中断した場合は
もしパッケージのダウンロードを中断した場合は、以下のコマンドを実行してリポジトリーの設定を元に戻す必要があります。
mintupgrade restore-sources
ダウンロードに失敗した場合は
ネットワークの不調など途中でパッケージのダウンロードに失敗した場合は、再度「mintupgrade download」を実行してください。7.アップグレードの実行
すべてのパッケージのダウンロードが完了したら、アップグレードを実行できます。以下のコマンドを実行し、アップグレードを実行します。
一度アップグレードを実行すると、元に戻れなくなります。
mintupgrade upgrade
後は処理の完了を待つだけです。
アップグレードが完了したらPCを再起動します。