Ubuntu Touchの開発状況(2018/9/5)
「Ubuntu Touch」の開発状況の紹介です。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。
つまり1つのモバイルデバイスで、モバイル環境とデスクトップ環境を利用することができます。
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。
Ubuntu Touch OTA-5/6/7/8
先日紹介したように、「Ubuntu Touch OTA-4」がリリースされました。「Ubuntu Touch OTA-4」は、「Ubuntu Touch」初の「Ubuntu 16.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」です。
「UBports」は今後も「Ubuntu Touch」の開発及びアップデートの提供を継続的に行っていきます。
アップデートのリリース計画
さて「UBports」では、以下で「Ubuntu Touch」のリリース計画を紹介しています。現在以下の4種類のアップデートが予定されています。
- Ubuntu Touch OTA-5
- Ubuntu Touch OTA-6
- Ubuntu Touch OTA-7
- Ubuntu Touch OTA-8
1.Ubuntu Touch OTA-5
「Ubuntu Touch OTA-5」のリリースは、2018年10月5日に予定されています。「Ubuntu Touch OTA-5」では、「Ubuntu Touch OTA-4」のリリースに間に合わなかった不具合の修正が行われます。
例えば「Nexus 5」でカメラが動作しない問題や、ホバーに関する不具合の修正等が予定されています。
また既存の不安定なウェブブラウザーである「Oxide」が、「QtWebEngine」ベースの新しいウェブブラウザーに置き換わる予定です。
2.Ubuntu Touch OTA-6
「Ubuntu Touch OTA-6」のリリースは、2018年11月16日に予定されています。「Ubuntu Touch OTA-6」では、「libhybris」の最新版へのアップグレードや、「Qt 5.9.7」への移行が予定されています。
また「QtSensors」の基本的なサポートや、新しいセンサーライブラリーへの移行も予定されています。
3.Ubuntu Touch OTA-7
「Ubuntu Touch OTA-7」のリリースは、2019年1月11日に予定されています。「Ubuntu Touch OTA-7」では、最新版の「Unity 8」及び「Mir」へのアップグレードが予定されています。
これにより従来の古いスコープや「Unity8 Dash」が非推奨になるため、これらのソフトウェアが削除される予定です。
4.Ubuntu Touch OTA-8
「Ubuntu Touch OTA-8」のリリースは、2019年2月22日に予定されています。「Ubuntu Touch OTA-8」では、「Anbox」の完全なサポートが計画されており、「Ubuntu Touch」がサポートするすべてのデバイス向けのイメージで、「Anbox」がデフォルトで含まれるようになります。
また「Snap」のサポートも予定されています。
その他
その他の情報です。1.Edgeチャンネルの状況
Edgeチャンネルは「Halium」の開発を支援するために新しいパッケージを配置し、そしてそれらを「Ubuntu Touch」に容易に統合できるようにするため提供されているチャンネルです。以前はすべてのデバイス向けにイメージがビルドされ提供されていました。
しかし現在デバイス向けのイメージはビルドされていません。
これは「Halium」への移植作業により、既存デバイスの機能が動作しなくなったためです。
この問題が修正されるまでEdgeチャンネルでは、デバイス向けのイメージは提供されません。
2.スコープが無くなる
以前の「Ubuntu Touch」では、「Musicスコープ」や「Videoスコープ」などいくつかのスコープがデフォルトで含まれていました。これらのスコープは誰もメンテナンスしていないため、イメージからこれらのスコープは削除されました。
「OpenStore」からそれらのスコープをインストールしている場合、「16.04」ベースの「Ubuntu Touch」で再コンパイルする必要があります。
3.Ubuntu Touchのフレーバー化の予定なし
「Ubuntu Touch」が「Ubuntu」のフレーバーになる予定は、現時点ではありません。既存の「Ubuntu」のフレーバーはデスクトップ向けのOSで構成されていますが、「Ubuntu Touch」はモバイルデバイス(Androidデバイス)向けのOSであり、開発及びリリースプロセスが大きく異なります。
その一方で「Unity 8」は「Ubuntu Touch」専用のシェルではなく、デスクトップOS向けのシェルとして利用することも可能です。
「Unity 8」を採用したデスクトップ向けOSを「Ubuntu」のフレーバーとして提供することは可能です。
ただしこれにはコミュニティーによる十分なサポートが必要不可欠であり、フレーバーとして提供していくために充実したリソースを用意しなければなりません。
もしデスクトップ環境に「Unity 8」を採用した「Ubuntu」ベースのデスクトップOSを開発したいのなら、コンタクトを取ると良いでしょう。