日本語を入力できるようにするには
「Lubuntu 18.10」はインストーラーで日本語を選択してインストールしても、日本語が入力できるようになっていません。加えて一部アプリのUIを日本語で表示するためのパッケージも、インストールされていません。
とはいえ日本語環境で「Lubuntu 18.10」を利用するユーザーは、インストーラーで「日本語」を選択し「Lubuntu 18.10」をインストールしましょう。
ここでは「Fcitx + mozc」をインストールして日本語を入力できるようにします。
また日本語向けのパッケージも一緒にインストールします。
補足
既報の通り「Lubuntu 18.10」のデスクトップ環境は、「GTK+」系の「LXDE」から「Qt」系の「LXQt」に変更されています。GUIツールキットの変更は、デフォルトでインストールされるアプリケーション構成にも大きな影響を及ぼしています。
「Qt」を採用しているフレーバーと言えば、「Kubuntu」です。
「Lubuntu 18.10」のアプリケーション構成は、「Kubuntu」寄りのアプリケーション構成になっています。
例えば以下のアプリケーションは、「Kubuntu」でも採用されているアプリケーションです。
- Arc(アーカイバー)
- KCalc(電卓/計算機)
- K3b(ディスク作成)
- Discover(ソフトウェアセンター)
- Muon Package Manager(パッケージ管理)
どれも「Qt」上で動作するアプリケーションです。
また他のアプリケーションを見ても、「Qt」上で動作するアプリケーションを中心にアプリケーションが構成されています。
おおよその目安ですが、「K」で始まるアプリケーションは「KDE Plasma/Qt」上で動作し、「Q」で始まるアプリケーションは「Qt」上で動作するアプリケーションです。
1.QTerminalの起動
デスクトップ左下の「アプリケーションメニュー」をクリックし、「システムツール」から「QTerminal」を起動します。2.パッケージのインストール
以下のコマンドを実行し、パッケージをインストールします。
sudo apt install language-pack-ja firefox-locale-ja libreoffice-l10n-ja libreoffice-help-ja fonts-noto-cjk-extra fonts-noto-color-emoji fonts-noto fcitx-mozc
コマンドを端末に貼り付けるには
コピーしたコマンドを「端末」に貼り付けるには、「端末」上で「Shift + Ctrl + V」キーを押します。パスワードの入力が促されたら
以下のようにパスワードの入力が促されるので、自分のパスワードを入力して「エンター」キーを押します。
[sudo] password for ユーザー名:
パスワードを入力しても何も表示されませんが、入力自体は行われています。
3.ログインし直す
ここで一旦ログアウトし、再度ログインします。PCを再起動しても良いです。
4.Fcitx設定の起動
すでに特に何も設定しなくても日本語が入力できるようになっていますが、ここではインプットメソッドの設定を確認する方法を紹介します。デスクトップ左下の「アプリケーションメニュー」をクリックし、「設定」から「Fcitx設定」を起動します。
5.インプットメソッドの設定確認
以下のように、キーボードレイアウトと「Mozc」が登録されていることを確認します。インプットメソッドの登録順は、上記のように必ずキーボードレイアウト>「Mozc」の順番に並ぶようにしてください。
6.日本語の入力テスト
後は適当なアプリを起動し、日本語が入力できるか確認します。Fcitxが起動しない時は
「Fcitx」が起動しない時は、インプットメソッドフレームワークの設定を確認します。1.インプットメソッド設定の起動
以下のコマンドを実行し、「インプットメソッド設定」を起動します。
im-config
2.現在の設定
以下のように現在の設定が表示されます。「OK」ボタンをクリックします。
3.設定の更新
以下の画面が表示されるので、「Yes」ボタンをクリックします。4.インプットメソッドフレームワークの選択
以下の画面が表示されるので、「fcitx」を選択し「OK」ボタンをクリックします。5.設定の確認
以下のように現在の設定が表示されます。「OK」ボタンをクリックします。
6.ログインし直す
ここで一旦ログアウトし、再度ログインします。PCを再起動しても良いです。
まだまだ荒削りなLXQt版Lubuntu
「Lubuntu 18.10」は「LXQt」を採用した初めての「Lubuntu」です。上記だけでなくインストーラーなど、まだまだ荒削りな部分はあります。
「LXQt版Lubuntu」はまだ歩みを初めたばかりですし、「Lubuntu」開発チームも品質を向上させるべく積極的に開発に取り組んでいます。
ただ日本語環境は開発チームにとって理解が困難な部分ですし、デフォルトでインストールされているアプリケーションもローカライズが不十分なアプリケーションもあります。
日本向けのローカライズ作業は日本という地域にソフトウェアを最適化する作業ですが、これには日本語ユーザーの協力や貢献が必要になります。
もしローカライズ作業のスキルがあり作業に協力できるのなら、「Lubuntu」のコミュニティーやアップストリームのプロジェクトに参加すると良いでしょう。