Ubuntu Desktopの新機能と変更点
リリースノートから「Ubuntu 18.10」の新機能と変更点を紹介します。- リリースノート:ReleaseNotes
- リリースノート(日本語):リリースノート
主にデスクトップユーザー向けの内容を紹介します。
1.サポート期間
「Ubuntu 18.10」は通常リリースであるため、9ヶ月間のサポート期間が提供されます。サポートは2019年7月まで提供されます。
長期サポートが必要なユーザーは、LTSリリースの「Ubuntu 18.04 LTS」を利用してください。
LTSリリースの「Ubuntu 18.04 LTS」は、次のLTSリリースである「Ubuntu 20.04 LTS」へのアップグレードパスが提供されます。
「Ubuntu 20.04 LTS」は2020年4月にリリースされる予定です。
2.OpenSSL 1.1.1とTLS 1.3のサポート
「OpenSSL」は、「TLS」を使用してセキュアな通信を行うライブラリーです。長期サポート版としてリリースされている「OpenSSL 1.1.1」が採用されています。
「OpenSSL 1.1.1」は「TLS 1.3」をサポートしており、「Ubuntu 18.10」では複数のクライアント及びサーバーアプリケーションで「TLS 1.3」がデフォルトで有効になっています。
今後のリリースではさらに多くの機能が追加される予定です。
OpenSSL 1.0.2も引き続き利用可能
「OpenSSL 1.0.2」も引き続き利用可能ですが、「Ubuntu 19.04」では「OpenSSL 1.0.2」が削除される予定です。OpenSSL 1.1.0からOpenSSL 1.1.1への移行作業
「Ubuntu 18.10」とは関係ありませんが、「Ubuntu 18.04」でも「OpenSSL 1.1.1」を利用できるように「OpenSSL 1.1.0」から「OpenSSL 1.1.1」へ移行する作業が行われています。作業が滞りなく進めば、「Ubuntu 18.04」でも「OpenSSL 1.1.1」を利用できるようになります。
3.Linux kernel 4.18
「Linux kernel 4.18」シリーズをベースとした「Linux kernel」を採用しています。「Ubuntu 18.10」では、以下のサポートやサポート改善が行われています。
- AMD Radeon RX Vega M GPUのサポート
- Raspberry Pi 3B/3B+のサポート
- Qualcomm Snapdragon 845のサポート
- USB 3.2及びType-Cの改良
- Intel Cannonlake GPUのサポート
- 省電力サポート改良
- Skylake向けP-Stateドライバーの改良(Xサーバー)
- POWER Memory Protection Keysのサポート
- AMD Secure Encrypted Virtualization向けKVMのサポート
- SMC-R/D(Shared Memory Communications Remote/Direct )
- Open for Business(OFB)
- zcrypt(IBM Z)
「Ubuntu 18.04」では「Linux kernel 4.15」シリーズをベースとした「Linux kernel」を採用していたため、3回分のメジャーアップデートが行われています。
詳細は以下を参照すると良いでしょう。
4.ツールチェインのアップデート
「Ubuntu 18.04」ではツールチェインのアップデートが行われています。- glibc 2.28
- OpenJDK 11
- boost 1.67
- rustc 1.28
- GCC 8.2
- Python 3.6.7(デフォルト)
- Python 3.7.1
- Ruby 2.5.1
- php 7.2.10
- Perl 5.26.2
- golang 1.10.4
また「ARM」のクロスコンパイルが可能な「POWER」ツールチェインも提供されています。
5.GNOME DisksがVeraCryptをサポート
「GNOME Disks(ディスク)」が「VeraCrypt」をサポートしました。「VeraCrypt」で暗号化されたボリュームの複合とマウントが可能になりました。
6.SettingsのThunderboltデバイス管理
「Settings(設定)」に「Thunderbolt」デバイスを管理する新しいパネルが追加されました。また各ハードウェアに関連するパネルは、そのハードウェアが検出されたときのみ表示されるようになりました。
7.GNOME Shellのパフォーマンス改善
ロード時間の短縮とFPSの改善のため、より多くのシェル要素がGPU RAMにキャッシュされるようになりました。8.デスクトップズームがよりスムーズに
デスクトップズームがよりスムーズに行われるようになりました。9.ウィンドウプレビューの改善
処理中など高負荷なアプリのウィンドウプレビュー表示時に、ウィンドウプレビューのスムージング処理がシステム全体に影響を与えないようになりました。10.自動エラー報告機能の追加
アプリのクラッシュ時などに表示される問題報告画面で、自動的に問題を報告する機能がオプションで追加されました。11.Fingerprintライブラリーのサポート
Fingerprintでロックを解除できるようにするため、Fingerprintライブラリーが「main」に配置されるようになりました。12.XDG Portalsのサポート
「Snap」に「XDG Portals」のサポートが追加されました。13.GS Connectが利用可能に
Ubuntu公式リポジトリーから「GS Connect」をインストールできるようになりました。14.Firefox 63.0
最新版の「Firefox 63.0」がインストールされています。15.LibreOffice 6.1.2
最新版の「LibreOffice 6.1.2」が提供されています。16.Yaruの採用
「Ubuntu Desktop」では、新しいテーマである「Yaru」が採用されています。17.QEMU
「QEMU」は「QEMU 2.12」にアップデートされました。「Ubuntu 18.04」からの主な変更点は、以下を参照してください。
以前のバージョンからの移行もサポートされており、アップグレード時にはマシーンタイプのアップグレードが推奨されます。
こうすることでゲストは不具合の修正や改善といった恩恵を受け取ることができます。
18.libvirt
「libvirt」は「libvirt 4.6」にアップデートされました。「Ubuntu 18.04」の時に採用されていた「libvirt 4.0」からの変更点は、以下を参照してください。
19.DPDK
「DPDK」は最新の安定版である「17.11.x」シリーズが採用されています。非安定版の「18.08」は互換性を配慮し採用から外されました。
「DPDK」の変更点は、以下を参照してください。
20.Open vSwitch
「Open vSwitch」は、「Open vSwitch 2.10」にアップデートされました。「Open vSwitch」の変更点は、以下を参照してください。