Ubuntu MATE 18.10の新機能と変更点
リリースノートから「Ubuntu MATE 18.10」の新機能と変更点を紹介します。1.Ubuntu MATE 18.04.2に焦点をあてた開発
「Ubuntu MATE 18.10」は、2019年2月頃にリリース予定の「Ubuntu MATE 18.04.2」に焦点をあてた開発です。「Ubuntu MATE 18.04.2」では「Ubuntu MATE 18.10」で採用されている「MATE」や「Linux kernel」を採用するなど、一部のソフトウェアが新しいバージョンにアップグレードされます。
「Ubuntu MATE 18.10」はそれを見越したリリースであり、不具合が修正された「MATE」や新しい「Linux kernel」など、新しいソフトウェアの品質確保や確認の意味合いが強くなっています。
2.MATE
「MATE」は「Ubuntu MATE 18.10」で採用されているデスクトップ環境です。アップストリームのMATE Desktopチームは、「MATE Desktop 1.20.3」で多くの不具合修正作業に取り組んできました。
これによりアップストリームのMATE Desktopのリリースでは、多くのメンテナンスアップデートが行われました。
「AppMenu」や「MATE Dock Applet」などMATE Desktopに関連するパッケージはすべてアップデートされています。
「Ubuntu MATE 18.10」ではこれらの修正が全て取り込まれています。
また「Ubuntu MATE 18.04.2」で同等のアップデートを提供できるよう、今後「SRU」の手続きが行われます。
このアップデート自体は「Ubuntu MATE 18.04.2」がリリースされる前に行われます。
そのためすでに「Ubuntu MATE 18.04」を利用しているユーザーは、「Ubuntu MATE 18.04.2」がリリースされる前にこれらのアップデートを受け取ることができます。
3.ハードウェアサポートの拡大
「Ubuntu MATE 18.04.2」では「Ubuntu MATE 18.10」で採用されている「Linux kernel」が採用されます。そのため「Ubuntu MATE 18.04.2」では、新しいハードウェアのサポートが可能になります。
例えば「Intel Core i7-8809G」が採用している「AMD RX Vega GPU」がサポートされます。
また「Linux kernel」だけでなく、デバイスのファームウェアや「Mesa」、「Vulkan」も新しくなります。
4.GPD Pocket/GPD Pocket 2向けUbuntu MATE
「GPD Pocket」及び「GPD Pocket 2」向けに最適化された「Ubuntu MATE 18.10」がリリースされています。つまりインストールするだけですぐに使える「Ubuntu MATE」です。
ディスクイメージは以下からダウンロードできます。
現在は「Ubuntu MATE 18.10」のディスクイメージのみ提供されていますが、将来的に「Ubuntu MATE 18.04.2」のディスクイメージも提供される可能性があります。
5.Raspberry Pi向けUbuntu MATE
今後「Raspberry Pi」向けに最適化された「Ubuntu MATE 18.10」がリリースされる予定です。リリースは2018年のクリスマスが目安になっています。
6.主要なソフトウェアのアップデート
主要なソフトウェアに目を向けると、以下のソフトウェアがアップデートされています。- MATE Desktop 1.20.3
- Linux 4.18
- Firefox 63
- VLC 3.0.4
- LibreOffice 6.1.2.1
- Thunderbird 60.2.1
7.その他の変更点
「Linux kernel」など「Ubuntu」と共通して利用しているコアコンポーネントは、「Ubuntu」と同じものを採用しています。デスクトップ環境以外の変更点は、「Ubuntu」の変更点を参考にしてください。
既知の問題と注意事項
既知の問題と注意事項です。1.インストーラーのスライドショーが不適切
OEMインストールでインストーラーのスライドショーが不適切です。回避策はOEM準備セッションで以下のコマンドを実行します。
apt install oem-config-slideshow-ubuntu-mate