wsl.exeコマンドの改良
今後リリースされる「Windows 10 version 1903」では、「wsl.exe」コマンドの改良が行われる予定です。「wsl.exe」コマンドは「WSL」の設定や管理全般に利用できるコマンドになります。
ユーザーを指定してディストリビューションを実行したり、起動中のディストリビューションを終了したり、ディストリビューションのエクスポートやインポートも可能です。
ディストリビューションのエクスポートはバックアップに相当する使い方が可能であり、ディストリビューションのインポートはバックアップの復元に相当する使い方が可能です。
コマンドの使い方を表示するには
「wsl.exe」コマンドの使い方は、以下のコマンドで表示できます。
wsl.exe --help
新しく追加されるコマンドオプション
以下のコマンドオプションが新しく追加されます。1.ユーザーの指定
Linuxのユーザーを指定してディストリビューションを実行するコマンドオプションです。
wsl -u <ユーザー名>
wsl --user <ユーザー名>
wsl --user <ユーザー名>
もちろん指定するユーザー名は、予めディストリビューションに存在していなければなりません。
2.ディストリビューションのエクスポート
ディストリビューションを指定されたファイルにtarアーカイブでエクスポートします。
wsl --export <ディストリビューション名> <ファイル名>
ファイル名に「-」を指定すると、標準出力に内容を出力します。
3.ディストリビューションのインポート
指定されたtarアーカイブファイルからディストリビューションをインポートし、指定されたパスに展開します。
wsl --import <ディストリビューション名> <インストール場所> <ファイル名>
ファイル名に「-」を指定すると、標準入力から内容を読み取ります。
4.ディストリビューションの終了
指定されたディストリビューションを終了します。
wsl -t <ディストリビューション名>
wsl --terminate <ディストリビューション名>
wsl --terminate <ディストリビューション名>
wslconfig.exeから追加されたコマンドオプション
元々「wslconfig.exe」が提供している以下のコマンドオプションが、「wsl.exe」にも追加されました。1.利用可能なディストリビューションの列挙
利用可能なディストリビューションを表示します。
wsl -l
wsl --list
wsl --list
このオプションに加え以下のオプションも併用すると、列挙対象のディストリビューションを制御できます。
--all
現在インストール中またはアンインストール中のものを含めて
すべてのディストリビューションを一覧表示します。
--running
現在実行中のディストリビューションのみを一覧表示します。
現在インストール中またはアンインストール中のものを含めて
すべてのディストリビューションを一覧表示します。
--running
現在実行中のディストリビューションのみを一覧表示します。
2.デフォルトのディストリビューションの切り替え
デフォルトのディストリビューションを指定するコマンドオプションです。デフォルトのディストリビューション設定は永続的に保持されます。
wsl -s <ディストリビューション名>
wsl --setdefault <ディストリビューション名>
wsl --setdefault <ディストリビューション名>
3.ディストリビューションの登録解除
システムに登録されているディストリビューションの登録を解除します。
wsl --unregister <ディストリビューション名>
4.WslFsファイルシステムフォーマットにアップグレード
指定されたディストリビューションをWslFsファイルシステム形式にアップグレードします。
wsl --upgrade <ディストリビューション名>