デザインの変更とソフトウェアの改良作業
「Linux Mint」開発チームは、月刊ニュースで「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。ウェブサイトのデザイン変更
よりモダンなデザインを目指し、ウェブサイトのデザインの変更作業が行われています。メインランディングページは異なるデザインになります。
サイドバーを廃止しさらに文章量を少なくし、「Linux Mint」の紹介や主要な機能の紹介を目立たせたデザインになります。
またヘッダーバーやスポンサーセクションのデザイン見直しも行われています。
ヘッダーバーの背景や質感はより「Linux Mint」感が出るようなデザインになり、ウェブサイトに統一感をもたせます。
ナビゲーションメニューは中央に配置され、また大きなロゴを配置できるようにタイトルの下に配置されます。
スポンサーセクションは、デザインに合うようモノクロのロゴの採用が検討されています。
ロゴデザインの変更
現在のロゴにはいくつか課題があります。まず小さいサイズでは綺麗にロゴを表現することができません。
例えば「favicon」やアプリケーションメニューにロゴを表示する場合、ロゴ自身の複雑さのため、限られたピクセル数で適切にロゴを表現することが困難です。
またボーダーが左右対称ではなく左側にスペースがあり右側にはスペースがありません。
そのため中心軸がずれたように見えます。
開発チームはこの課題に対応するため、丸みを帯びたロゴの作成作業を行っています。
また「Linux Mint 19.1」では、すでに現在のロゴのフラット版/セミフラット版/シンボリック版を提供しています。
例えばアプリケーションメニューでは、改善されたロゴが採用されています。
ロゴの課題は、葉の部分のボーダーの削除なしにすべて解決することはできません。
しかしこのボーダーは「Linux Mint」にとって象徴的なデザインであり、ボーダーを削除する方法ではなく、パネル/メニュー/スプラッシュスクリーンの見栄えをよくできないか別の方法の検討も行っています。
Cinnamonのパフォーマンス改善
引き続き「Cinnamon」のパフォーマンス改善作業が行われています。ウィンドウマネージャーに多くの改良が行われました。
入力ラグが軽減され、アプリケーションメニューアプレットの起動時間は2倍に高速化されました。
「Cinnamon」にとって非常に重要な内部コンポーネントである「DocInfo」と「AppSys」は、設計の見直しと簡素化が行われました。
また「cinnamon-menus」ライブラリーは「Meson」に移行し、設計の見直しと簡素化作業が行われています。
アップデートマネージャーの改良
アップデートマネージャーに以下の改良が行われました。- 古い「Linux kernel」と不要なパッケージの自動削除
- 自動タスク(自動削除及び自動アップデート)実行中、勝手にシステムがシャットダウンや再起動しないように改良
- 「/var/log/mintupload.log」の自動リフレッシュの設定が可能に
- パッケージの特定のバージョンをブラックリストに指定可能に。これによりユーザーは特定のアップデートのみを拒否できるようになります。
アプリケーションキャッシュ
ソフトウェアマネージャーで使用されるキャッシュが「mint-common」に移され、手動でインストールされたソフトウェアを認識できるようになりました。バックアップツールとソフトウェアマネージャーはこのキャッシュを共有するようになり、ソフトウェアマネージャー経由でインストールされたアプリだけでなく、手動でインストールされたアプリもアプリ一覧に列挙できるようになりました。
システムレポートの改良
システムレポートのUIにXAppのサイドバーを採用し、新しいページがシステム情報の表示画面に追加されました。またレポートの内容を簡単にコピーできるようになり、レポートの内容をフォーラムに投稿する時やpastebinにアップロードする時に役立つでしょう。
「LMDE 3」向けにもシステムレポートが提供される予定です。
今まで「mintreport」はクラッシュレポートの収集や生成に「Ubuntu」の「apport」を利用していました。
しかしこの仕組みが「systemd-coredump」を利用するように変更され、今までよりも多くの情報がスタックトレースに追加されます。
加えて他のディストリビューションでも「mintreport」を利用できるようになります。