Ubuntu Touch OTA-8リリース
2019年3月6日、「Ubuntu Touch OTA-8」がリリースされました。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。ユーザーのプライバシーと自由を尊重したOSです。
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。
つまり1つのモバイルデバイスで、モバイル環境とデスクトップ環境を利用することができます。
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。
Ubuntu Touch OTA-8の配布時期
「Ubuntu Touch OTA-8」は、「Ubuntu Touch」がサポートしているすべてのデバイスに対して提供されます。上記でも紹介していますが、「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスは、以下を参照してください。
「Ubuntu Touch OTA-8」がリリースされたのは2019年3月6日ですが、すべてのデバイスに対して一斉にアップデートが提供されるわけではありません。
2019年3月6日から5日間掛けてすべてのデバイスにアップデートが提供されます。
つまり2019年3月6日 〜 2019年3月10日の期間にアップデートが提供されます。
Ubuntu Touch OTA-8の新機能と変更点
「Ubuntu Touch OTA-8」の新機能と変更点です。「Ubuntu Touch OTA-8」は、不具合の修正や安定性の向上に焦点をあてたリリースです。
ここで紹介する変更点は「Ubuntu Touch」自身に行われた変更であり、「Ubuntu」などアップストリームのアップデートによる変更点は含まれていません。
1.ダークテーマのサポート
「Ubuntu Touch」ではシステム全体で利用できるダークテーマを試験提供しており、多くのコアアプリケーション及び「OpenStore」で提供される多くのアプリケーションは、このダークテーマをサポートしています。ダークテーマは試験的な提供であるため、「UT Tweak Tool」でテーマを設定する必要があります。
(「Weather」「FluffyChat」「TELEports」といった一部のアプリでは、ビルトインオプションで設定可能です。)
さて「Morph Browser」がこのダークテーマをサポートしました。
2.その他Morph Browserの改善
「Morph Browser」では、以下の不具合の修正や改良が行われました。ページの読み込みに失敗した時に、テーマが適用されたエラーページを表示するように修正されました。
またある「webapps」で初期ページの読み込みに失敗する問題が修正されました。
- Initial page of webapps cannot be loaded sometimes
- display error page if page load fails
- Broken link without error
ウィンドウを閉じる前にすべてのタブを閉じ、ウィンドウ内で再生されているメディアを停止するように修正されました。
- Sound of video keeps playing in new window after being closed
- if closing an additional window (no session restore) close all tabs first
「webapps」はユーザーカスタムスクリプトを追加できるようになりました。
- Cannot inject custom js in webapps
- add custom user scripts for webapps defined in webapp-properties.json
「favicons」をサポートしました。
キーボードの高さを決定する際、「Screen.devicePixelRatio」の値を考慮するようになりました。
- Change homepage dialog scrolls off screen when keyboard appears
- when determining the height of the keyboard rectangle, take Screen.devicePixelRatio into account
タブヘッダーのシステムテーマのサポートが修正されました。
- Morph doesn't properly support system themes for tabs headers
- theme support for the tab list (Rectangle instead of BorderImage) and current zoom text
3.QtLocaleのアップデート
「QtLocale」の「CLDR-34」メタデータが「Q3/2018」にアップデートされました。また以下の問題が部分的に修正されています。
4.テストツールの修正
テストツールが動作するように修正されました。5.Android container pre-start scriptのアップデート
「Android container pre-start script」がアップデートされました。6.Ubuntu Messaging Appの修正
「Ubuntu Messaging App」の設定及び「Add Recipient」から不要なリストアイテムの強調表示が削除されました。7.Ubuntu Touch Address Book Appの修正
「Ubuntu Touch Address Book App」で連絡先を検索した時に、検索結果が何も返ってこない不具合が修正されました。ダイアログのボタンの配色が、デザインガイドラインに合うように修正されました。
テストに失敗する問題が修正されました。
8.ARM64ビルド向けの修正
「ARM64」ビルドを有効にするため、「Unity 8」のテストツールの修正及び「Oxide」の削除が行われました。9.翻訳の改善
「Pull to refresh...」文字列を翻訳者が翻訳できるように修正されました。- PullToRequest text is not translated
- Made pull to refresh use translations for the ubuntu-ui-toolkit domain
10.ネットワークの修正
USBテザリングを利用できるようにするため、ネットマスクの設定とリースファイルの作成を行うように修正されました、11.フォーカス設定の改良
「Welcome Wizard」の各ページで最初のテキストフィールドに自動的にフォーカスを設定するように修正されました。既知の問題
既知の問題です。1.ビューファインダーがフリーズする
「Nexus 5」で写真撮影時に「viewfinder」がフリーズします。類似した問題が「Oneplus One」及び「Nexus 4」でも報告されています。
- [Xenial] Opo camera viewfinder stays on last photo
- camera app freezes after taking some pictures (in quick sequence?)
回避策
「viewfinder」がフリーズしても写真の撮影は引き続き可能です。アプリを切り替えカメラに戻れば、「viewfinder」が復帰します。
2.選択範囲を開くとブラウザーが終了する
「BQ M10」や「Nexus 7」など大きい画面のデバイスで、横(ランドスケープ)モードでブラウザーを起動し選択範囲を開くと、ブラウザーが終了します。回避策
ブラウザーを三本指で右側にドラッグするか、デバイスをポートレートモードで使用すれば回避できます。3.キーボードの入力タイプが更新されない
ブラウザーでテキストボックス間を移動すると、キーボードの入力タイプが更新されません。回避策
テキストボックスを移動する前にキーボードを閉じるか、テキストボックス以外の場所をタップすれば回避できます。4.ブラウザーで選択された範囲が新しいウィンドウで表示される
ブラウザーで選択された範囲が新しいウィンドウで表示されます。この問題は「Mir」の新バージョンを採用するまで残ったままになるでしょう。
Ubuntu Touch OTA-8をインストールするには
「Ubuntu Touch OTA-8」のインストール方法です。1.stableチャンネルでUbuntu Touchを利用している場合
現在「stable」チャンネルで「Ubuntu Touch」を利用している場合は、「System Settings」の「Updates」画面から「Ubuntu Touch OTA-8」へアップグレードできます。ただし「Ubuntu Touch OTA-8」の提供は、2019年3月6日 〜 2019年3月10日にかけて行われるため、デバイスによりアップグレードを受け取れる時期が異なります。
今すぐUbuntu Touch OTA-8へアップグレードしたい場合
今すぐ「Ubuntu Touch OTA-8」へアップグレードしたい場合は、ADBアクセスを有効にし、「adb shell」上で以下のコマンドを実行してください。
sudo system-image-cli -v -p 0 --progress dots