Lubuntu 19.04 その2 - Lubuntu 19.04の新機能と変更点・既知の問題と注意事項

Lubuntu 19.04の新機能と変更点

リリースノートから「Lubuntu 19.04」の新機能と変更点を紹介します。

• Lubuntu 19.04 (Disco Dingo) Released!

「Lubuntu 19.04」は「Lubuntu」が初めて「LXQt」を採用してから2回目のリリースとなります。
以前「Lubuntu」が採用していた「LXDE」は、もうサポートされません。

1.サポート期間

「Lubuntu 19.04」のサポート期間はリリースされてから9ヶ月であり、2020年1月までサポートされます。

2.LXQt

「Lubuntu 19.04」はデスクトップ環境に最新の「LXQt 0.14.1」を採用しています。

• Release LXQt 0.14.1

3.デスクトップアイコン

以下のアイコンがデスクトップに配置され、これらの場所に簡単にアクセス出来るようになりました。

• コンピューター
• ホーム 
• ネットワーク
• ゴミ箱

4.PCManFM-Qtの改良

「PCManFM-Qt（ファイルマネージャー）」は、以下の改良が行われています。

• 隠しファイルに影を付ける

• 分割ビューの実装

• 表示名の代わりにファイルのフルネームを表示
• ビューアイコンをHiDPIに合わせたスケーリング
• ビューアクションに適したテーマアイコン

5.イメージビューワー

イメージビューワーは、以下の改良が行われています。

• イメージに含まれるEXIFの描画 
• ファイルの拡張子なしに名前を付けてファイルを保存しようとした時に、確認ダイアログを表示
• アップロード先にImgBBを追加
• 注釈機能の追加
• アップロードダイアログにコピーボタンの追加

6.端末

端末は、以下の改良が行われています。

• マージンの追加
• 履歴ベースのタブ切り替え機能の追加

7.インストーラー

「Lubuntu 19.04」はOSのインストーラーに「Calamares」を採用しています。
ベースバージョンは3.2.4ですが、安定性向上の為重要な不具合の修正を3.2.5から取り込んでいます。

本バージョンにより完全なディスクの暗号化がサポートされましたが、「Calamares」は暗号化されていない「/boot」用パーティションを生成しないため、「GRUB2」が暗号化を解除できるようデフォルトで「LUKS 1」が採用されています。
「Lubuntu 19.04」で採用されている「GRUB2」は「LUKS 2」を扱えないためです。

• GNU GRUB - Bugs: bug #55093, Add LUKS2 support

またパーティション設定時にRAIDデバイスが利用できるようになりました。

8.その他

• Qt 5.12.2の採用
• VLC 3.0.6（マルチメディアプレーヤー）の採用
• Featherpad 0.9.3（テキストエディター）の採用 
• Discover Software Center 5.15.4（アプリ管理ツール）の採用
• Trojitá 0.7（メールクライアント）の採用
• タッチパッド設定の大幅な改良 
• 通知履歴の実装
• LXQt sudo認証モジュールのセキュリティー改善
• 翻訳の更新
• その他不具合の修正

インストーラーの既知の問題

OSのインストーラーに関する既知の問題です。

1.言語選択画面の言語の並びが意図したものではない

ようこそ画面で言語を選択する一覧が表示されますが、言語の表示順がローカライズ名（表示名）を配慮した並びではありません。

• apparently unexpected order in language selection on welcome module

2.最小インストールがない

インストーラーに最小インストールのオプションがありません。

• Lubuntu doesn't have a "minimal install" option in the installer

3.パーティションのフォーマットの有無を示す表示がない

パーティションのフォーマットの有無を示す明確な表示がありません。

• no clear indication that format has been selected

4.ウィンドウのサイズが大きくなる

サマリーウィンドウのウィンドウサイズが拡大され、ディスプレイの解像度によってはボタンが操作できなくなります。
この状況になったらインストーラーウィンドウを最大化してください。

• summary window expands, cutting off buttons with 800x600 screen

5.プロプライエタリードライバーのインストール機能を提供していない

インストーラーは、プロプライエタリードライバーのインストール機能を提供していません。

• Calamares installer lacks a way to install proprietary drivers

デスクトップ環境の既知の問題

デスクトップ環境に関する既知の問題です。

1.lxqt-sessionが不要なメモリーを確保する

「lxqt-session」がプロセスの標準出力のために、不要なメモリーを確保します。

• lxqt-session allocates memory for process output never read

2.デフォルトのブラウザーの設定が正常に機能しない

デフォルトのブラウザーの設定が正常に機能しません。

• using BROWSER environment variable to set default browser creates several problems

回避策は上記リンク先を参照してください。

3.メニューのスクロールバーが表示されない

アプリケーションメニューの検索結果画面で、スクロールバーが表示されません。

• LXQt Arc theme + Breeze widgets hides menu scroll bar when searching

4.壁紙が適切に表示されない

マルチディスプレイ環境では、すべてのディスプレイ領域が1つの領域として壁紙が表示されます。

• Multiple monitors wallpaper handled as only one big monitor.

5.Superキーと組み合わせたショートカットキーが動作しない

「lxqt-globalkeys」で設定した「Super」キーと組み合わせたショートカットキーが動作しません。
回避策は以下を参照してください。

• Openbox shortcuts involving the Windows/Meta/Super key conflict with the use of that key to open the menu in lxqt-globalkeys

6.センサーウィジェットがカスタムカラーを記憶しない

設定パネルを開き直した時に、センサーウィジェットはカスタムカラーを保持しません。

• Sensors Widget forgets custom colors when re-opening the Configure Panel window

アプリケーションの既知の問題

アプリケーションに関する既知の問題です。

1.Startup Disk Creator（usb-creator-kde）が正常に動作しない

「Startup Disk Creator（usb-creator-kde）」が正常に動作しません。
他のツールを利用してください。

• usb-creator-kde shows the install popup after a few seconds of launching without any input

2.Trojitaがクラッシュする

「Trojita」でアイテムを繰り返しソートすると、クラッシュします。

• segfault when repeatedly sorting

3.qterminalのドロップダウンショートカットキーが正常に機能しない

qterminalのドロップダウンショートカットキーが正常に機能しません。

• qterminal dropdown shortcut key does not consistently toggle visibility

4.ネットワーク接続の設定の制約

Qtベースのネットワーク接続編集ツールを提供していないため、VPN等の設定が出来ません。

• nm-tray is missing a native Qt UI for editing connections

5.適切なインプットメソッドがインストールされない

適切なインプットメソッド（パッケージ）がインストールされないため、一部の言語が入力できません。

• Lubuntu lacks an input method for Korean and other languages

その他

1.Ubuntuと共通の変更点や既知の問題

「Linux kernel」等「Ubuntu」と共通の変更点や既知の問題は、以下を参照してください。

• Ubuntu 19.04の新機能と変更点・既知の問題