APT 1.9.0の採用とテストの呼び掛け
「Ubuntu 19.10」で「APT 1.9.0」が採用されます。「APT 1.9.0」ではAPI/ABIの変更が行われており、一部互換性が失われています。
そのため大規模なテストの呼び掛けが行われています。
2019年6月17日、「Ubuntu 19.10」向けに「APT 1.9.0」がアップロードされました。
互換性の破壊
「APT 1.9.0」ではAPI/ABIの変更が行われており、一部互換性が失われています。これは不要なincludeや非推奨のメソッド、そして構造体メンバーの削除に伴うものです。
このため「Python」及び「Perl」向けの「APT」バインディングもこれに合わせた互換性の破壊がおきます。
例えば「Python」バインディングでは、「Package.section」の項目が削除されています。
python-apt
「python-apt」は「Python」向けの「APT」バインディングです。修正された「python-apt」もアップロードされます。
「APT」バインディングを利用している「Python」及び「Perl」で開発されたアプリは、これら修正されたバインディングを利用して動作に問題がないかテストする必要があります。
また「Python」アプリでは、「mypy --strict」を利用して問題の検出を行ってください。
APT 2.0に向けて
「APT 1.9」は将来リリースされる「APT 2.0」に向けた第一歩です。「APT 1.9」では「satisfy」オプションが実装され、「Build-Depends」の文字列を出力する機能が追加されています。
apt satisfy "apt (>= 1.9) | apt-replacement (>= 1)"
今後も変更を控えている
今後も数ヶ月以内にABIの変更が予定されています。ただその変更によるビルドエラーやAPIの変更は、今回よりも少なくなるはずです。
また「SONAME」は5.90になりますが、最終的に6.0になる予定です。