ZFSのサポート改良
現在開発中の「Ubuntu 19.10」では、「ZFS」のサポート改良作業が行われています。ZFS
「ZFS」は「Linux」で利用可能なファイルシステムの一つであり、高度な機能と信頼性そして安定性を提供するファイルシステムです。主にエンタープライズの分野で利用されるファイルシステムです。
多くの「Ubuntu」ユーザーが利用している「ext4」もファイルシステムの一つですね。
「Linux」向けの「ZFS」の実装及び詳細は、以下を参照してください。
UbuntuとZFS
以前紹介したように「Ubuntu」では、ビルド済みの「ZFS」カーネルモジュールを「Ubuntu」と共にユーザーに提供しています。そのため「DKMS(Dynamic Kernel Module Support)」なしに「ZFS」を利用できるようになっています。
「ZFS」と「Linux kernel」のライセンスの衝突に関しては、こちらも以前紹介していますが、「Canonical」はライセンスに衝突はないとの判断を行っています。
ZFSをもっと便利に
ルートファイルシステムに「ZFS」のサポートを追加する過程で、パワーユーザーがもっと便利に「ZFS」を利用できるよう、いくつかの改善が予定されています。それは「ZFS」でよく利用される機能を簡単に利用できるようにUIを改善したり、複雑な操作を抽象化し一連の操作を自動化することです。
Ubuntu 19.10とZFS
「Ubuntu 19.10」では、以下の「ZFS」のサポート改善が予定、もしくは実施されています。インストーラーにZFSのオプション追加
「Ubuntu」のインストーラーに「ZFS」オプションの追加が計画されています。まずは「Ubuntu Desktop」のインストーラーに「ZFS」のオプションが追加されます。しかし、あくまでこれは試験的な提供であり、本番環境での利用を推奨するものではなく、定期的なデータのバックアップが必要になるでしょう。
ZFS On Linux 0.8.1の採用
「Ubuntu 19.10」ではすでに「ZFS On Linux 0.8.1」が採用されています。ネイティブな暗号化やトリミングのサポート等、機能の改良が行われています。
「ZFS On Linux 0.8.1」の変更点は、以下を参照してください。
ZFS On Linuxの継続的なバックポート
「Ubuntu」リリース後、アップストリームで「ZFS On Linux」の修正がリリースされた際、最善のUX及び安定性を提供するため、「ZFS On Linux」の継続的なバックポートが行われます。GRUBのブートメニュー改善
「GRUB」のブートメニューが改善され、「ZFS」に関する操作がメニュー項目に列挙されるようになりました。すでにルートファイルシステムにZFSを利用しているユーザーは
すでに「Ubuntu」でルートファイルシステムに「ZFS」を利用しているユーザーは、「Ubuntu 19.10」にアップデートすればこれらの改善を得られます。zsysデーモンの開発
「ZFS」を利用するユーザーには、様々なワークフローがあります。様々なワークフローを支援するため、ユーザースペースで動作する「zsys」デーモンの開発が行われています。
これは「GRUB」(に限定されませんが)及び「ZFS on Linux initramfs」と連携し、高度な機能を提供します。