Ubuntu Touch OTA-10のテスト呼び掛けとリリース日
「Ubuntu Touch OTA-10」のテスト呼び掛けが行われています。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。ユーザーのプライバシーと自由を尊重したOSです。
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。
つまり1つのモバイルデバイスで、モバイル環境とデスクトップ環境を利用することができます。
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。
Ubuntu Touch OTA-10
「Ubuntu Touch OTA-10」は「Ubuntu Touch」のメジャーアップデートです。テストで特に問題が見つからなければ、2019年8月14日に「Ubuntu Touch OTA-10」がリリースされる予定です。
(日本時間では+1日程度見ておきましょう。)
テストの協力を
前回のリリースである「Ubuntu Touch OTA-9」を上回る品質を提供するため、ユーザーのテストの協力が必要です。テスト項目は、以下で参照できます。
「QA」に並んでいる項目は、まだテストが完了していない項目です。
「QA」に並んでいる項目のテストが求められています。
「Done」に並んでいる項目は、テストが完了し修正が確認された項目です。
「In progress」の項目は、まだ修正が完了していないか、修正が他に影響を与えるため修正作業中になっている項目です。
目標はすべての項目が「Done」に並ぶことです。
テスト報告に含めて欲しい内容
テスト報告では、以下の内容を含めてください。- テストに使用したデバイス
- テスト結果(問題が修正されているかどうか)
- 修正や変更によりリグレッションが起きていないか(副作用がないか)
テストするには
テストを行うには、「Ubuntu Touch OTA-10 RC版」をインストールする必要があります。- 「System Settings -> Updates」もしくは「My Apps」 からすべてのアプリをアップデートする
- System Settings -> Updates -> Update Settings -> Release Channelの画面を表示する
- 「rc」チャンネルを選択する
- 「Updates」画面に戻り、アップデートをインストールする
アップデート完了後デバイスを再起動すれば、「Ubuntu Touch OTA-10 RC版」になります。
すでに「rc」チャンネルを利用している場合は、アップデート後デバイスを再起動するだけです。
テストに関する質問
テストに関する質問は、以下で受け付けています。OSのバージョンを確認するには
OSのバージョンを確認するには、以下の手順で「OS」画面を開きます。- System Settings -> About -> OS
「(2019-W32)」以降になっていればOKです。
最新版のUnity 8とMirについて
「Ubuntu Touch OTA-10」に最新版の「Unity 8」と「Mir」は含まれていません。最新版の「Unity 8」と「Mir」への移行作業に関しては、以下を参照してください。
Ubuntu Touch OTA-10の新機能と変更点
「Ubuntu Touch OTA-10」の新機能と変更点をピックアップして紹介します。1.SDKのアップデート
新しいバージョンのSDK(ubuntu-sdk-16.04.2)が追加されました。「Ubuntu Touch OTA-10」向けにアプリを開発する開発者は、「ubuntu-sdk-16.04.2」を使用してください。
2.連絡先のグルーピング
連絡先を頭文字で簡単に並び替えできるようになりました。3.Googleサービスの利用に必要なキーの更新
Googleサービスの利用時に使用するキーが「UBports」所有のキーに変更されました。4.AppArmorに許可ルールの追加
「aethercast」がDHCPリースを作成できるように「AppArmor」に許可ルールが追加されました。これによりワイヤレスディスプレイに関する問題が修正されました。
5.破棄アクションを行うボタンのカラー変更
破棄アクションを行うボタンのカラーが赤色に変更されました。これはHIGに沿った変更です。
6.アイコンの追加
「4G」及び「5G」に対応したアイコンが追加されました。- network-cellular-4g and network-cellular-lte are identical
- LTE proper icon
- Create a network-cellular-5g icon
- 5g icon
7.新しい起動画面
「Fairphone 2」と「Nexus 5」では、新しい起動画面が採用されました。また「Ubuntu Touch OTA-11」に向けて「OnePlus One」に新しい起動画面を採用する作業が行われています。
「Ubuntu Touch OTA-11」を待てないユーザー向けに、「UBports Installer」に「OnePlus One」向けの起動画面が追加されています。
8.カメラの修正
一部の「Android 7.1」デバイスのカメラが動作するようになりました。9.ポップアップの制御
キーを押した時のポップアップをオフにできるようになりました。- [FEATURE REQUEST] Settings for disabling key magnifier
- Fixed #65
- Implemented settings for key modifier
10.メッセージアプリの修正
スレッドタイトルが参加者名や電話番号でランダムに切り替わる不具合が修正されました。下書きメッセージの保存がサポートされました。
受信者のコピー&ペーストが可能になりました。
システムテーマを適用するオプションが追加されました。
その他修正や改善が行われています。
11.Libertineの不具合修正
選択されたパッケージがインストールされない不具合が修正されました。12.Back to safetyボタンの追加
「morph-browser」で証明書エラー発生時、「Back to safety」ボタンが表示されるようになりました。13.グリーターの改善
グリーターがシェルを常に確実に覆うように修正されました。14.Android 7.1デバイスのサウンドサポート
「pulseaudio-modules-droid-24」が追加され、「Android 7.1」デバイスでサウンドがサポートされました。15.デバイス向けの修正
Androidカメラの回転データをチェックする機能が実装されました。- new FP2 camera: Pictures and Videos captured with the front camera will be rotated by 180 degrees
- (1/2) Properly support camera orientation (V.2)
- Read orientation overrides from Android property (V.2)
- (2/2) Proper camera orientation support (V.2)
「FP2」及び「OnePlus One」で映像と音が同期しない問題が修正されました。
またヘッドフォンの出力が左右逆になる問題が修正されました。
- Fairphone 2, Stereo Sound goes out in wrong direction
- FP2-1785:Change headphone left and right channel.
16.その他
モバイル向けの「QFileSelector」を利用できるようになりました。「Label」コンポーネントから「width」設定が削除されました。
ダイアルの背景のデフォルト幅は、マテリアルデザインに合うように調整されました。
- Suru Theme Dial controls oversized
- Set the default dial background width to match the material design size
「pkg-config」ファイルが「android-headers」を要求するように修正されました。
「espoo(HERE)」ロケーションバックエンドへの参照が削除されました。
「wolfpack(geoclue2)」ロケーションバックエンドが削除されました。
「autopilot-qt」への依存が「autopilot-qt5」に置き換えられました。