Linux Mint 19.3の開発始まる・Linux Mint 19.3の改良作業
「Linux Mint」開発チームはLinux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。Linux Mint 19.3のリリース時期
「Linux Mint 19.3」は、2019年のクリスマスにリリースされる予定です。言語設定の改善
ロケールや地域を設定する言語設定画面では、時刻のフォーマットを設定する項目が追加されました。HiDPIのサポート改善
「Cinnamon」や「MATE」における「HiDPI」のサポートは、バージョンアップするごとに改良されています。しかし「Linux Mint 19.2」では、「HiDPI」に対応していないアイコンが存在しており、それらのアイコンは「HiDPI」環境ではぼやけて表示されます。
これらのアイコンの修正作業が行われています。
- 言語設定で使用されるフラグアイコン
- ソフトウェアソースツールで使用されるフラグアイコン
- Cinnamonスクリーンセーバーで使用されるフラグアイコン
- Cinnamonテーマ設定画面のテーマプレビューイメージ
「Linux Mint 19.3」では上記のアイコンがくっきりと表示されるようになります。
システムトレイのアイコン改善
開発チームはシステムトレイのアイコンを表示する「Gtk.StatusIcon」の調査を行い、「HiDPI」環境でアイコンが綺麗に表示されない課題に加え、以下の課題を発見しました。- 16ピクセルのアイコンを前提に設計されている
- アイコンはアプレットではなく、アプリによって描画されている(アプレットから制御できない)
- この仕組みは「Gtk.Plug」や「Gtk.Socket」といった古い仕組みに頼っており、今後主流になる「Gtk4」や「Wayland」といった新しい仕組みと互換性がない
そこで開発チームは「Gtk.StatusIcon」の代替となる「XApp.StatusIcon」を開発しました。
これは「AppIndicator」のようにdbusを通じてトレイアイコンやトレイアイコンの操作に関する情報をアプリとやり取りし、アプレットがトレイアイコンの描画等を主体的に制御できるようにする仕組みです。
これにより「HiDPI」環境でアコンが綺麗に表示されない課題を解決できます。
ちなみに「AppIndicator」は「Gtk.StatusIcon」がサポートしている一部の機能をサポートしておらず、「AppIndicator」を採用するとアプリの再設計が必要になるため、採用が見送られています。
「XApp.StatusIcon」の対応作業はまず、スタンドアローンのアプレット及び「Cinnamon」アプレットから開始され、その後「MATE」及び「Xfce」のアプレットで対応作業が開始されます。
すでに以下のアプリでは対応が行われています。
- Update Manager(mintupdate)
- Upload Manager(mintupload)
- Bluetooth設定(blueberry)
アップデートマネージャーのトレイアイコンが表示されない問題
「Linux Mint 19.2」及び「LMDE 3」にて、初回ログイン時にアップデートマネージャーのトレイアイコンが表示されなかったり、アイコンが正しく表示されない現象が発生することがあります。これは通常「Cinnamon」及び「Gtk.StatusIcon」に関連する問題です。
アップデートマネージャーを「XApp.StatusIcon」に移植すれば解決する問題であり、「Linux Mint 19.3」で修正される予定ですが、既存のユーザー向けにこの問題の修正が検討されています。
MintBox 3の開発
「MintBox 3」は「Linux Mint」をプリインストールした小型PCです。「MintBox 3」の開発が着々と進められています。
「MintBox 3」が持つ個性と高級感を強調するため、ダイアモンドカットのアルミニウムロゴがフェイスプレートに付け加えられました。
「MintBox 3」は、「Intel」「AMD」「NVIDIA GPU」の搭載など3種類のモデルが提供される予定です。