GNOME 3.34の新機能と変更点
2019年9月12日にリリースされた「GNOME 3.34」の新機能と変更点を紹介します。「GNOME 3.34」の開発コードは「Thessaloniki(テッサロニキ)」です。
動画で見るGNOME 3.34
「GNOME 3.34」の紹介動画は以下で参照できます。デザインのリフレッシュ
デスクトップ含めアプリケーションのデザインが変更されました。背景(壁紙)の設定画面
背景(壁紙)の設定画面はデザインの見直しが行われ、今までよりも簡単に壁紙を選択できるようになりました。デスクトップパネル及びロック画面の下に、選択された背景のプレビューが表示されるようになりました。
またカスタムの背景は、「Add Picture...」ボタンから追加できるようになりました。
その他デザイン改良
他にもデザインの改良が行われています。- オーバービュー
- 検索エントリーフィールド
- ログインパスワードフィールド
- オーバービューウィンドウのボーダーの強調表示
カスタムフォルダーの導入
アプリケーションオーバービューにカスタムフォルダーの仕組みが導入されました。アプリケーションのグルーピング機能です。
アプリのアイコンをドラッグすれば、フォルダーを作成することができます。
作成されたフォルダーからすべてのアプリをドラッグして空にすれば、そのフォルダーは自動的に削除されます。
この機能を利用すれば、煩雑になってしまったアプリケーションオーバービューを整理し、見通しを改善することができます。
Sysprofの改良
パフォーマンスのプロファイリング(計測)を行う「Sysprof」が改良され、より多くのデータソースが利用できるようになりました。これによりアプリのプロファイリングがより簡単になりました。
GNOMEウェブブラウザーの改善
GNOMEウェブブラウザーが改善されました。サンドボックス化
Webページの処理がサンドボックス化され、Web処理はWebブラウザーを実行するために必要な場所にのみアクセスできるよう制限されます。タブのピン固定
タブがピンで固定できるようになりました。お気に入りのサイトをピンで固定し、それらをタブリストに保存できます。
また複数のセッションで横断的にこれらのタブを永続化することも可能です。
広告ブロック機能の改善
広告ブロック機能は「WebKit content filter」を使用するようになりました。これにより以前の実装よりも大幅にパフォーマンスが改善されました。
Boxesの改善
「Boxes」は仮想マシンやリモートマシンを管理するソフトウェアです。ワークフローの改良
「New Box Assistant」はより直感的になり、リモート接続や外部ブローカーを追加する時にそれぞれのダイアログを使用するようになりました。ソースの分類
ローカルで新規仮想マシンを作成する際、ソース選択は以下の3種類のセクションに分けられます。- Detected Sources
- Featured Downloads
- Select a Source
Windows Express Installの改良
「Windows Express Install」は1.44インチフロッピーディスクイメージの代わりにCD-ROMイメージを使用するようになり、レガシー(古い)依存を削除し、高速なインストールをサポートしました。CD/DVDイメージのアタッチと起動
既存の仮想マシンでは、アタッチされたCD/DVDイメージから明示的に起動できるようになりました。これによりユーザーは、壊れたシステムの復旧やデュアルブート環境のシミュレーションを行うことができます。
3Dアクセラレーションの設定
3Dアクセラレーションを利用できる環境なら、仮想マシンの設定画面から3Dアクセラレーションの設定を行えるようになりました。これによりユーザーは3Dアクセラレーションの有効・無効を簡単に切り替えることができます。
Gamesの改善
「Games」はレトロゲームアプリケーションです。各ゲームごとに複数の保存状態を保持できるようになりました。
ゲームの保存状態はエクスポート可能であり、複数のデバイス間で共有することも可能です。
Musicの改善
「Music」は、音楽フォルダーやユーザーのホームフォルダーなど音楽ソースのフォルダーを監視し、新規音楽ファイルや変更された音楽ファイルを自動的に検出し、UIに反映するようになりました。またコアコンポーネントが改良され、ギャップレス再生など機能の改善が行われています。
アルバム内の分割されたトラックをギャップレス再生により期待通りに再生することができます。
加えてアルバムやアーティスト、プレイリスト表示のレイアウトが改善されています。
その他の改善
その他の改善です。- 「Photos」や「Videos」、「To Do」など複数のアプリケーションのアイコンが新しくなりました。
- 「Terminal」は右から左へ表示する言語や、双方向の言語の表示をサポートしました。
- オーバービューのアニメーションが改善され、アイコンの読み込みやキャッシュが高速化されました。
- 「Files」は書き込み保護が設定されたディレクトリーにファイルを貼り付ける際、警告を表示するようになりました。
- アクセシビリティーの「Pointer Location」は、Waylandセッションでも動作するようになりました。
- 「Pointer Location」有効時に「Ctrl」キーを押すと、スクリーン上のポインターの位置が強調表示されます。
- 「Activities」のホットコーナーは、「org.gnome.desktop.interface.enable-hot-corners」を「false」に設定することで無効化できます。
- 「Settings」はWiFiのリストが読みやすくなりました。
- 「Settings」の検索セクションは、リスト内でドラッグすることで順番を変更できるようになりました。
- 「Settings」の「Night Light」セクションは「Display」パネルに移されました。
- 「Software」の注目アプリは、品揃えが増えました。
- 「Polari」はアプリがオフラインの時にユーザーに通知するバナーが表示されるようになりました。