KDE Plasma 5.17の新機能と変更点
2019年10月15日、「KDE Plasma 5.17」がリリースされました。「KDE Plasma 5.17」の新機能と変更点を紹介します。
動画で見るKDE Plasma 5.17
「KDE Plasma 5.17」の紹介動画は、以下を参照してください。Plasmaの改良点
「Plasma」の改良点です。1.起動時間の短縮
「Plasma」の起動時間が短縮され、今までよりも高速に起動するようになりました。スタートアップスクリプトは「Bash」から「C++」へ移行し、非同期で実行するようになりました。
これにより複数のタスクを並列化して実行できます。
この結果、ログイン画面でユーザーがログインしてから完全にデスクトップが読み込まれるまでの時間が大幅に短縮されています。
2.自動Do Not Disturbモード
ユーザーがプレゼンテーションを行っている時に、通知ポップアップウィンドウの表示を抑制する機能が追加されました。この機能はスクリーンをミラーリングしている時に自動的に「Do Not Disturb」モードに移行する機能です。
3.通知ウィジェットの改善
通知ウィジェットは、新しい通知がある時にベルアイコンを表示するようになりました。今まで通知ウィジェットは新規通知数を表示していましたが、特に通知数が多い時に見た目が煩雑になり分かりにくさがあったため、デザインが変更されました。
4.公衆無線LANのサポート改善
公衆無線LAN(Wifi)のログインサポートが改善されました。5.ボリュームの最大値
オーディオデバイスのボリュームの最大値を、100%より下に設定できるようになりました。6.ウィジェット編集機能の改善
ウィジェットの編集機能が改善され、ウィジェットの移動やリサイズ操作をもっと簡単に行えるようになりました。特にタッチ操作時の操作性が向上しています。
7.タスクマネージャーの改善
タスクマネージャー上で現在動作しているアプリのタスクをマウスの中央ボタンでクリックすると、アプリの新規インスタンスを起動します。タスクマネージャー上で現在動作しているアプリのタスク上にマウスカーソルを合わせると、ウィンドウのサムネイルが表示されます。
この時サムネイルをマウスの中央ボタンでクリックすると、そのアプリのインスタンスを終了します。
8.単位変換機能
「Alt + Space」キーを押したときに表示される「KRunner」やスタートメニューである「Kickoff」では、入力された単位付きの数値を他の単位に変換する機能が追加されました。例えばテキストボックスに「3/16 inches」と入力すると、結果の一つに「4.7625 mm」と表示されます。
9.Kickoffの改善
「Kickoff」の最近使用したドキュメント一覧がGNOME/GTKアプリをサポートしました。また垂直パネルの見た目に関する問題が修正されました。
10.スティッキーノートの改善
スティッキーノートにテキストを貼り付ける際、デフォルトでテキストフォーマットを分離するようになりました。11.背景・壁紙設定の改善
スライドショーの画像の順番を選択できるようになりました。「picture-of-the-day」の壁紙ソースに「Unsplash」が追加されました。
壁紙に使用したいカテゴリーを選択するオプションも利用可能です。
システム設定
「システム設定」の改良点です。1.Night ColorのX11サポート
「Night Color」は時間に応じて画面の色味や明るさを調整し、目への負担を軽減する機能です。「Night Color」は「Wayland」向けに実装されていた機能でしたが、「X11(Xorg)」でも利用できるようになりました。
また「Night Color」は本設定画面内やキーボードショートカットを利用し、手動で呼び出すことも可能です。
2.SDDMの高度な設定
「SDDM」の高度な設定では、Plasmaのカラースキーム、ユーザーのフォント、アイコンテーマ、その他ユーザーの設定をログイン画面に対し適用できるようになり、ユーザーのデスクトップ画面との整合性を確保できるようになりました。3.UIの改善
「Settings」インターフェースの見直しが行われ、以下の設定画面のUIが改善されました。- Displays
- Energy
- Activities
- Boot Splash
- Desktop Effects
- Screen Locking
- Screen Edges
- Touch Screen
- Window Behavior
4.新機能の追加
「Thunderbolt」デバイスを管理する新しいパネルなど新機能が追加されています。5.アクセシビリティーの改善
「Libinput」使用時、キーボードでマウスカーソルを移動できるようになりました。6.省電力設定
スリープ状態で一定時間が経過すると、スリープ状態からハイバネーションに移行する「Sleep for a few hours and then hibernate」機能が追加されました。またスクリーンをオフにするグローバルキーボードショートカットキーを割り当てるオプションが追加されました。
7.GTKテーマの改善
「Breeze GTKテーマ」はユーザーが選択したカラースキームに沿うようになりました。「Google Chrome」や「Chromium」のアクティブなタブと非アクティブなタブの見た目が明瞭になりました。
またウィンドウの境界線はデフォルトでオフになりました。
また設定ウィンドウのスライダーバーの見た目がモダンになり、一貫性が向上しました。
システムモニター
「システムモニター(KSysGuard)」の改良点です。「システムモニター」ではCPUを消費するプロセスやメモリーを消費するアプリをもっと簡単に捕捉できるようになりました。
また「CGroup」の詳細表示やコンテナーの制限を確認できるようになりました。
さらにプロセスが使用するネットワークの使用量や、各プロセスごとのネットワークの使用統計を確認できるようになりました。
Discover
「Discover」の改良点です。「Discover」はアプリケーションのインストールやアンインストール、アップデートを簡単に行えるようにするためのソフトウェアマネージャーです。
「Discover」はより適切に進捗情報を表示するため、UIの様々な箇所に実際の進捗を示すプログレスバーやスピナーを配置するようになりました。
またサイドバーにアイコンを配置し、Snapアプリのアイコンも追加しています。
潜在的な問題の診断を手助けするため、もっと分かりやすい「No connection」エラーメッセージが追加されています。
KWin
「KWin」の改良点です。1.Waylandのサポート改善
「Wayland」で分数スケーリングがサポートされました。HiDPIディスプレイ使用時、適切な倍率でデスクトップのスケーリングが可能になります。
またGTKヘッダーバーを持つウィンドウのリサイズをウィンドウの端から行えるようになりました。
さらにマウスのスクロールでは、スクロールに合わせて適切な行数でスクロールするように、スクロール時の処理が改善されています。
2.Present Windowsデスクトップ効果
「Present Windows」デスクトップ効果では、マウスの中央クリックでウィンドウを閉じる機能が追加されました。3.スクリーン設定の適用
スクリーン設定を現在のスクリーンに適用するか、それともすべてのスクリーンに適用するのか選択するオプションが追加されました。4.メタキー
X11では、メタキー(SuperキーやWindowsキーのこと)とその他のキーを、開いているウィンドウを切り替えるショートカットキーとしてマッピングできるようになりました。これは従来の「Alt + Tab」キー機能のショートカットキー変更に利用できます。