Linux Mintの改良作業
「Linux Mint」開発チームはLinux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。アップデートマネージャーのトレイアイコンが表示されない問題と修正
「Linux Mint 19.2」及び「LMDE 3」にて、初回ログイン時にアップデートマネージャーのトレイアイコンが表示されなかったり、アイコンが正しく表示されない現象が発生することがあります。この不具合は再現性がなく、開発チームは本不具合の対応に苦慮していました。
しかしユーザーの協力により、最終的に不具合を修正することができました。
日付フォーマットの改善
前回紹介したように言語設定画面から日付フォーマットの設定を行えるようになりました。その後ユーザーからフィードバックがあり、月日の名称を「LC_TIME」環境変数に従いローカライズされた月日の名称を取得していますが、そのフォーマット自身はデスクトップの言語ファイルから「gettext」を利用して取得していました。
この改善は「Linux Mint 19.3(Cinnamon/MATE)」に反映される予定です。
XAppStatusIcon
「XAppStatusIcon」の改良に多くの作業が費やされました。新しいAPIが導入され、アプレットの開発が容易になりました。
現在アプレットは「Cinnamon」及び「MATE」で利用可能ですが、「Xfce 4.14」のパネルプラグイン上でも利用できるように作業が行われています。
また「Linux Mint 19.3」では、「XAppStatus」をフォールバックとして使用するように、「libAppIndicator」にパッチが適用される予定です。
システムレポート
「システムレポート」が改良され、OSのトラブルシューティングや利用を支援する機能が追加されました。元々「システムレポート」は「Linux Mint 18.3」で導入され、当時は情報やクラッシュレポートを閲覧する機能が主軸でした。
「Linux Mint 19.2」で「システムレポート」は「LMDE」との互換性も確保し、加えてシステム情報の表示やアップロードを行う新しいパネルが導入されました。
そしてさらなる改良が行われました。
「システムレポート」はバックグラウンドで常駐し、システムをチェックします。
その結果ユーザーに重要な通知を行ったり、不足しているソフトウェアのインストールを促します。
現状チェックする内容は以下の通りです。
- 新しいバージョンの「Linux Mint」を利用できるかどうか
- 現在利用している「Linux Mint」がサポート終了間近かどうか
- Timeshift(システムのバックアップツール)の設定が行われているかどうか(これによりアップデートマネージャーはTimeshiftの設定を確認しなくなります。)
- 利用可能なドライバーが存在するかどうか
- 言語パッケージが不足しているかどうか
- マルチメディアコーデックが不足しているかどうか
またrootパスワードに関する注意喚起も行います。
Linux Mintのロゴ
「Linux Mint」のロゴ改良作業が行われています。ロゴの文字を「L」と「M」に減らす事でデザインをモダンにし、多彩な色や形状を利用できるようにします。
Xplayerの代替
「Xplayer」は動画の再生に「GStreamer」バックエンドを使用しています。動画再生時のパフォーマンスは「MPV」など他のバックエンドに比べると低く、十分なパフォーマンスが出ていません。
また字幕の描画やOSDに「ClutterGst」を使用していますが、動画再生のハードウェアアクセラレーションを十分に活かしきれていません。
これらを踏まえ開発チームは、MPVベースの代替ソフトウェアの採用を検討しています。
例えば「MPVプレーヤー」や「Celluloid」、あるいは「libmpv1」を利用して自らフロントエンドを開発する方法です。
「Xplayer」を代替ソフトウェアで置き換え、マルチメディアコーデックインストール時に自動で「VLC」をインストールしない方針を検討しています。
MintBox 3
「MintBox 3」は「Linux Mint」をプリインストールした省スペースなPCです。「Linux Mint」開発チームは「Compulab」と連携し「MintBox 3」の開発を行っています。
さて開発チームは「MintBox 3」の試作品を受け取りました。
デザイン及びパフォーマンスは素晴らしく、CPU周りの課題解決など完成に向け「Compulab」と連携し引き続き作業が行われています。
「MintBox 3」のレビューやより詳しい情報は、数週間後に公開される予定です。
LMDE 4
「LMDE 4」のコードネームが「Debbie(デビー)」に決まりました。リリース日はまだ未定です。
「LMDE 4」は「Debian」ベースのディストリビューションであり、このコードネームは「Debian」によく似合うコードネームであるとのことです。