Ubuntu Touch OTA-11のテスト呼び掛け
2019年10月9日、「Ubuntu Touch OTA-11」のテストが呼び掛けられています。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。ユーザーのプライバシーと自由を尊重したOSです。
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。
つまり1つのモバイルデバイスで、モバイル環境とデスクトップ環境を利用することができます。
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。
Ubuntu Touch OTA-11のリリース日
「Ubuntu Touch OTA-11」は「Ubuntu Touch」のメジャーアップデートです。テストで特に問題が見つからなければ、2019年10月23日に「Ubuntu Touch OTA-11」がリリースされる予定です。
(日本時間では+1日程度見ておきましょう。)
テストの協力を
前回のリリースである「Ubuntu Touch OTA-10」を上回る品質を提供するため、ユーザーのテストの協力が必要です。テスト項目は、以下で参照できます。
「QA」に並んでいる項目は、まだテストが完了していない項目です。
「QA」に並んでいる項目のテストが求められています。
「Done」に並んでいる項目は、テストが完了し修正が確認された項目です。
「In progress」の項目は、まだ修正が完了していないか、修正が他に影響を与えるため修正作業中になっている項目です。
目標はすべての項目が「Done」に並ぶことです。
テスト報告に含めて欲しい内容
テスト報告では、以下の内容を含めてください。- テストに使用したデバイス
- テスト結果(問題が修正されているかどうか)
- 修正や変更によりリグレッションが起きていないか(副作用がないか)
テストするには
テストを行うには、「Ubuntu Touch OTA-11 RC版」をインストールする必要があります。- 「System Settings -> Updates」もしくは「OpenStore」の「My Apps」 からすべてのアプリをアップデートする
- 「System Settings -> Updates -> Update Settings -> Release Channel」の画面を表示する
- 「rc」チャンネルを選択する
- 「Updates」画面に戻り、アップデートをインストールする
アップデート完了後デバイスを再起動すれば、「Ubuntu Touch OTA-11 RC版」になります。
すでに「rc」チャンネルを利用している場合は、アップデート後デバイスを再起動するだけです。
テストに関する質問
テストに関する質問は、以下で受け付けています。OSのバージョンを確認するには
OSのバージョンを確認するには、以下の手順で「OS」画面を開きます。- System Settings -> About -> OS
「(2019-W41)」以降になっていればOKです。
Ubuntu Touch OTA-11の変更点
「Ubuntu Touch OTA-11」の変更点を紹介します。「Ubuntu Touch OTA-11」は前バージョンを更に改善・改良したバージョンです。
スクリーンキーボードの改善
「スクリーンキーボード」に関する改善です。1.スクリーンキーボードに新しいテキスト編集機能の追加
「スクリーンキーボード」が改良され、新しいテキストの編集方法が追加されました。入力したテキストを移動したり、入力を元に戻すアンドゥや、アンドゥを取り消すリドゥの実行、選択されたテキストの移動が可能になりました。
さらに切り取り/コピー/貼り付けコマンドも使用できます。
これらはすべて同じオーバーレイから利用できます。
スペースバーを長押ししてみてください。
2.キーボードレイアウトの改良
OSKユーザー向けに「スクリーンキーボード」に「Dvorak」キーボードレイアウトのオプションが追加されました。またポーランド語向けの「キーボードレイアウト」では、言語で使用されていない発音記号(発音符号)が削除されました。
スイス・フランス語でも同様の改善が行われています。
日本語キーボードレイアウトでも、設定に沿うように調整が施されました。
3.キーボードレイアウト間で辞書の共有が可能に
複数のキーボードレイアウト間で辞書の共有が可能になりました。Morph Browserの改善
「Morph Browser」はWebブラウザーです。「Morph Browser」は「Qt」に「Chromium」を統合した「QtWebEngine」を利用しています。
今回翻訳の修正を除いて約4,000行ものコードの修正が行われました。
1.ドメインパーミッションモデルの実装
ドメインパーミッションモデルが実装されました。以下の「2.」から「5.」の改善は、このドメインパーミッションモデルの実装により実現できた改善です。
2.ページズーム設定の保持
今までタブ毎にページのズーム設定を保持していましたが、サイトごとにズーム設定が保持されるようになりました。3.位置情報のアクセス許可
サイトごとに位置情報のアクセス権限を設定できるようになりました。サイトごとに「Always allow」と「Always deny」を選択できます。
4.カスタムURLハンドラーによるアプリの起動
サイトはカスタムURLハンドラーを経由してアプリを起動できるようになりました。例えば「tel://」で始まるURLでは、予めURLで電話番号が設定された状態でダイアラーを起動できます。
5.サイトのアクセス許可
ブラックリストにより特定のサイトへのアクセスを禁止したり、ホワイトリストに設定されたサイト以外のアクセスをすべて禁止できるようになりました。プッシュ通知の改善
元々「Ubuntu Touch」は以前からプッシュ通知サービスを提供していました。しかしユーザーの中には、プッシュ通知を利用するには「Ubuntu One」へのサインインが必要になることを知らないユーザーもいました。
当時はアプリのインストールに「Ubuntu One」へのサインインが必要だったため、そのことを知らなくても影響はありませんでした。
しかし今はその状況が異なります。
現状に合わせプッシュ通知サービスのクライアント及びサーバーの双方から「Ubuntu One」のアカウント要求が削除されました。
これによりすべてのデバイスは、プッシュ通知サービスをサポートするすべてのアプリで通知を受け取れるようになりました。
その他の改善
その他の改善です。1.Android 7.1に搭載されたデバイスのサポート改善
「Android 7.1」に搭載されたより多くのデバイスを利用できるようにするため、修正が盛り込まれています。オーディオのサポートや電話機能のサポートが改善されています。
2.Nexus 5のWi-FiとBluetoothの不具合修正
「Nexus 5」に搭載されている「Wi-Fi」と「Bluetooth」ハードウェアが時々ロックされ、CPUの使用量が上昇しバッテリーを消耗する問題が修正されました。3.MMSメッセージの修正
MMSメッセージの表示と管理に関する問題が修正されました。またMMSメッセージ受信に関する課題の調査も行われています。
4.その他不具合の修正や改善
その他様々な不具合の修正や改善が行われています。詳細は上記アナウンスを参照してください。