Ubuntu TouchとLibrem 5の現状
今から約1年半前、「Purism」がオープンソースのOSを搭載可能なスマートフォン「Librem 5」を開発し、そのサポートOSの1つに「Ubuntu Touch」が含まれるという話題を紹介しました。Librem 5
現在公開されている「Librem 5」のスペックを一部紹介します。項目 | 内容 |
---|---|
CPU | NXP® i.MX 8M Quad core Cortex A53, 64bit ARM @max 1.5GHz (auxiliary Cortex M4) |
GPU | Vivante GC7000Lite |
RAM | 3GB |
内部ストレージ | 32GB eMMC |
外部ストレージ | microSD(最大2TB) |
画面 | 5.7インチ IPS TFT 720x1440 |
無線LAN | 802.11 abgn 2.4GHz/5GHz |
Bluetooth | Bluetooth 4 |
GPS | TESEO LIV3 multiconstellation GNSS receiver |
USB | USB C: USB 3.0データ PowerDelivery(Dual-Role Port) 映像出力(DisplayPort) |
カメラ | 13Mメガピクセルバックカメラ(フラッシュLED付き) 8Mピクセルフロントカメラ |
その他 | 3.5mmヘッドフォンジャック Wolfson Media WM8962 DAC ユーザーが交換可能なバッテリー |
「Librem 5」の詳細は、以下を参照しください。
最終的な製品リリース後にUbuntu Touchの作業が必要
「Ubuntu Touch」を開発する「UBports」では、「Librem 5」の「Ubuntu Touch」対応に関し、以下で現状を説明しています。非常に基本的な機能は動作する
「Librem 5」の開発キット上では、「Ubuntu Touch」が持つ機能の内、非常に基本的な機能が動作しています。On the topic of making things work! #librem5 from @Puri_sm is starting to take shape with #UbuntuTouch also :D @UBports pic.twitter.com/7lqZWQBjSX— Marius Gripsgard (@Mariogrip) 2019年9月1日
以下でその様子を動画で紹介しています。
課題の調査及び修正作業
しかし電話機能(通話やメッセージ機能)など重要な機能が動作しておらず、不具合や課題の調査及び修正作業のスタート地点に立った状態です。この作業は短期間で行えるものではなく、作業に多くの時間が必要であると見込まれています。
とは言え一部の問題は、他のデバイスでも修正が必要な問題であり、それらのデバイスで修正を行えばその修正を活用できます。
例えば「Android」のドライバーなしに即座にデバイスのサスペンドと復帰を行えるようにするため「Unity System Compositor on Wayland on Mir」のサポート作業が必要ですが、この作業が完了すれば他のデバイスだけでなく「Librem 5」でも同様に機能するようになります。
開発キットと最終製品のハードウェアの差異
「Librem 5」の開発キットと最終的に販売される「Librem 5」のハードウェア仕様には違いがあり、現在開発キットで「Ubuntu Touch」をサポートするための作業を行っても、その作業がそのまま最終製品に適用できるとは限りません。そのため最終製品を受け取るまで、「Ubuntu Touch」のサポートに必要な作業を完遂することができません。
Librem 5の発売と同時にUbuntu Touchを利用するのは困難
また「UBports」は2020年中に「Purism」から「Librem 5」を受け取る予定ですが、「Purism」はクラウドファンディングの支援者に「UBports」よりも先に「Librem 5」を提供する計画です。現時点では、「UBports」よりも先に「Librem 5」を受け取ったユーザーが「Ubuntu Touch」を「Librem 5」にインストールできない、あるいは満足に利用できない可能性があります。
加えて「Librem 5」の発売時にプリインストールOSに「Ubuntu Touch」を選択できない可能性もあります。
最高のUbuntu Touchを提供する
「Ubuntu Touch」を利用したい「Librem 5」ユーザーに最高の「Ubuntu Touch」を提供するため、「UBports」は「Ubuntu Touch」のサポート作業を行っていきます。今後も継続的に状況や取り組みに関し、その内容が紹介されていく予定です。