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Ubuntu 20.04 LTSの新機能と変更点

リリースノートから「Ubuntu 20.04 LTS」の新機能と変更点を紹介します。


ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。
「Ubuntu 20.04 LTS」のリリースノートは以下で参照できます。


リリース情報

「Ubuntu 20.04 LTS」のリリース情報は、以下を参照してください。


既知の問題について

「Ubuntu 20.04 LTS」の既知の問題は、以下を参照してください。


その他

その他「Ubuntu 20.04 LTS」の新機能や変更点の紹介は、以下も参考にしてください。

  1. Ubuntu Desktopの新機能と魅力・様々な新機能と改良点の紹介 
  2. Canonicalが取り組んできたGNOME Shellのパフォーマンス改良作業 
  3. Ubuntu Serverのインストーラーは、インストール時に最新版にアップデート可能 
  4. QEMU 4.2とlibvirt 6.0による優れた仮想環境のサポート 
  5. FIDO及びU2FデバイスによるSSH認証のサポート 
  6. 新しいUbuntu Server Guideの公開・Ubuntu Serverのセットアップガイド 
  7. Ubuntu 20.04 LTSがRaspberry Piを完全にサポート・イメージのダウンロードとインストールガイド

Ubuntu全般

「Ubuntu」全般に関する内容です。

1.サポート期間

「Ubuntu 20.04 LTS」はLTSリリースであり、サポート期間が5年間提供されます。
「Ubuntu Desktop」「Ubuntu Server」「Ubuntu Cloud」「Ubuntu Core」では、2025年4月までメンテナンスアップデートが提供されます。
残りのフレーバーは3年間のサポートが提供されます。

またさらにサポート期間を5年間延長できる有償サポートサービス(ESM)も提供されています。

2.32bit版(x86/i386)はアップグレード不可

「Ubuntu 32bit版」を利用しているユーザーは、「Ubuntu 20.04 LTS」へアップグレードすることはできません。
また「Ubuntu 20.04 LTS 32bit版」のディスクイメージはリリースされませんし、サポートもされていません。
OSとしての「Ubuntu 32bit版」の提供は終了しました。

「Ubuntu 32bit版」を利用しているユーザーは「Ubuntu 18.04 LTS」に留まることになります。

3.ソフトウェアのアップグレード

以下のツールチェーンがアップグレードされました。

  • glibc 2.31
  • OpenJDK 11
  • rustc 1.41
  • GCC 9.3
  • Python 3.8.2
  • Ruby 2.7.0
  • PHP 7.4
  • Perl 5.30
  • golang 1.13

以下のソフトウェアがアップグレードされました。


4.OpenSSHのアップグレードとU2Fのサポート

「OpenSSH 8.2」では「U2F/FIDO」ハードウェアデバイスがサポートされ、ハードウェアベースの二段階認証が簡単に利用できるようになりました。

# plug device in and:
$ ssh-keygen -t ecdsa-sk
Generating public/private ecdsa-sk key pair.
You may need to touch your authenticator to authorize key generation. <-- touch device
Enter file in which to save the key (/home/ubuntu/.ssh/id_ecdsa_sk):
Enter passphrase (empty for no passphrase):
Enter same passphrase again:
Your identification has been saved in /home/ubuntu/.ssh/id_ecdsa_sk
Your public key has been saved in /home/ubuntu/.ssh/id_ecdsa_sk.pub
The key fingerprint is:
SHA256:V9PQ1MqaU8FODXdHqDiH9Mxb8XK3o5aVYDQLVl9IFRo ubuntu@focal
Now just transfer the public part to the server to ~/.ssh/authorized_keys and you are ready to go:

$ ssh -i .ssh/id_ecdsa_sk ubuntu@focal.server
Confirm user presence for key ECDSA-SK SHA256:V9PQ1MqaU8FODXdHqDiH9Mxb8XK3o5aVYDQLVl9IFRo <-- touch device
Welcome to Ubuntu Focal Fossa (development branch) (GNU/Linux 5.4.0-21-generic x86_64)
(...)
ubuntu@focal.server:~$

5.Raspberry Piのサポート

「Ubuntu 19.10」では、「Raspberry Pi 32bit/64bit」向けイメージ(raspiに改名)が「Raspberry Pi 4」をサポートしました。


これにより「Ubuntu 20.04 LTS」でも「Raspberry Pi 32bit/64bit」向けイメージは、ほぼすべての「Raspberry Pi(Pi 2B, Pi 3B, Pi 3A+, Pi 3B+, CM3, CM3+, Pi 4B)」をサポートします。


Linux kernel

「Ubuntu 20.04 LTS」は「Linux kernel 5.4」ベースの「Linux kernel」を採用しています。


「Linux kernel 5.4」は長期サポート版であり、「Linux kernel 5.3」から以下の新機能が追加されています。

1.ハードウェアのサポート

以下のハードウェアがサポートされました。

  • Intel Comet Lake CPU
  • Tiger Lakeプラットフォームの初期サポート
  • AMD Navi 12/14 GPU
  • Arcturus / Renoir APU
  • Navi 12 + Arcturusの電力機能

2.ファイルシステムのサポート

以下のファイルシステムがサポートされました。

  • exFAT
  • virtio-fs(仮想化ゲストとファイルシステムを共有)
  • fs-verity(ファイルの変更の検出)

3.その他サポート改善

以下のサポートが追加されました。

  • Wireguard VPN
  • Integrity modeでロックダウンのサポート

4.Ubuntu 18.04 LTSから見た改善

上記に加え「Ubuntu 18.04 LTS(Linux kernel 4.15)」から見た主な改善点です。
ハードウェアでは、以下のサポートが追加されました。

  • AMD Rome CPU
  • Radeon RX Vega M
  • Navi GPU
  • Intel Cannon Lakeプラットフォーム
  • Raspberry Pi (Pi 2B / Pi 3B / Pi 3A+ / Pi 3B+ / CM3 / CM3+ / Pi 4B 
  • 省電力制御の大幅な改善
  • USB 3.2とType-Cのサポート改善

他にも以下の改善が行われています。

  • 新しいmount API
  • io_uringインターフェース
  • KVMでAMD Secure Encrypted Virtualizationのサポート
  • pidfd
  • Linux kernelのデフォルトの圧縮形式を多くのアーキテクチャーでLZ4に変更し、initramfsのデフォルトの圧縮形式をすべてのアーキテクチャーでLZ4に変更し、起動時間を短縮

Ubuntu Desktop

「Ubuntu Desktop」に関する変更点です。
「Ubuntu Desktop」では、デスクトップ環境に「GNOME 3.36」を採用しています。

1.新しいスプラッシュ・スクリーン

「Ubuntu」の起動時と終了時に表示されるスプラッシュ・スクリーンが新しくなりました。
スプラッシュ・スクリーンにPCのメーカーのロゴが表示されるようになりました。
メーカーのロゴは「BIOS(UEFI)」から取得されます。


2.Yaruテーマのアップデート

Yaruテーマ」がアップデートされ、「設定」の「外観」から3種類のテーマを選択できるようになりました。


明るい

「明るい」を選択すると、以下のようにウィンドウのタイトルバー(CSD)や背景色が明るいカラーリングになります。


標準

「標準」を選択すると、以下のようにウィンドウのタイトルバー(CSD)は暗いカラーリングに、背景色が明るいカラーリングになります。

 

暗い

「暗い」を選択すると、以下のようにウィンドウのタイトルバー(CSD)と背景色が暗いカラーリングになります。


3.新しいロック画面

ロック画面のデザインが新しくなりました。


4.システムメニューのデザイン変更

システムメニューのデザインが変更されました。


5.パフォーマンスの向上

以下の修正が行われ、「GNOME」全体のパフォーマンスが向上しました。
アクションに対する応答性が向上し、アニメーションもスムーズになり、UXが向上しています。


6.10bit ディープカラーのサポート

10bit ディープカラー」がサポートされました。

7.X11分数スケーリングのサポート

「X11」環境で分数スケーリングがサポートされました。


8.その他GNOME 3.36の改善点や変更点

その他「GNOME 3.36」の改善点や変更点は、以下を参照してください。


9.ソフトウェアのバージョン

「Ubuntu Desktop」では、各ソフトウェアに以下のバージョンを採用しています。


10.Snap Store

「ubuntu-software」は「Snap Store(snap-store)」に置き換えられました。UI上は「Ubuntu Software」になります。


ネットワーク

「Ubuntu 20.04 LTS」では、新機能に対応した「Netplan」を採用しています。

1.SR-IOVのサポート改善

「SR-IOV」ネットワークデバイスの基本設定をサポートしました。
「Netplan 0.99」以降、各「SR-IOV」の物理ファンクションに仮想ファンクションを設定できるようになりました。
またそれらを他のネットワークデバイスとして構成したり、それらにハードウェアVLAN VFフィルタリングの設定を行うことができます。

2.GSMモデムのサポート

バックエンドに「NetworkManager」を指定している場合、「modems」セクションによりGSMモデムを利用できるようになりました。

3.WiFiフラグの追加

「bssid/band/channel」の設定にWiFiフラグが追加されました。

4.ipv6-address-generationのサポート

「NetworkManager」バックエンドと「networkd」の「emit-lldp」に「ipv6-address-generation」を設定する機能が追加されました。

ZFS

「Ubuntu 20.04 LTS」では、「ZFS 0.8.3」が採用されています。
これにより以下の新機能に対応しています。

  • Native Encryption(ハードウェア・アクセラレーションに対応)
  • Device removal
  • Pool TRIM
  • Sequential scrubとresilver(パフォーマンス)

「Ubuntu 18.04 LTS」から見た「ZFS」の新機能や変更点は、以下の各リリースノートを参照してください。
 

Python

「Ubuntu 20.04 LTS」では「Python 3」がデフォルトになりました。
デフォルトの「Python 3」のバージョンは、「Python 3.8」です。

 

1.Python 2.7について

「Python 2.7」は「universe」に移され、デフォルトでインストールされなくなりました。
「Ubuntu」が提供するパッケージ(ソフトウェア)のうち、「Python 2.7」を必要とするソフトウェアは、「/usr/bin/python2」を使用するように変更されました。

2.クリーンインストールした場合

「Ubuntu」をクリーンインストールした場合、デフォルトで「/usr/bin/python」が提供されることはありません。
もし「python3」を指す「/usr/bin/python」が必要な場合は、「python-is-python3」パッケージをインストールしてください。
このパッケージをインストールすれば、「python3」を指す「/usr/bin/python」がインストールされます。

3.アップグレードした場合

「Ubuntu」を以前のバージョンから「Ubuntu 20.04 LTS」にアップグレードした場合、互換性のため「/usr/bin/python」は削除されず、「/usr/bin/python」は「python2」を指すように変更されます。

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