Ubuntu 20.04 LTSの既知の問題
リリースノートから「Ubuntu 20.04 LTS」の既知の問題を紹介します。ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。
リリース情報
「Ubuntu 20.04 LTS」のリリース情報は、以下を参照してください。新機能と変更点について
「Ubuntu 20.04 LTS」の新機能と変更点は、以下を参照してください。インストーラーとライブセッション
インストーラーとライブセッションに関する既知の問題です。ライブセッションとは、ライブUSBメモリーやライブDVDから起動した「Ubuntu」のことです。
1.NVIDIA GPU搭載PCで画面がフリーズする
「NVIDIA GPU」を搭載したPCで「Ubuntu」を起動すると、デフォルトのGPUドライバーにオープンソースの「nouveau」GPUドライバーを使用します。環境によってはこのドライバーにより、インストーラーのグラフィカル・セッション(GUI環境)がフリーズする現象が発生します。
この現象が発生した場合、ブートメニューで「Ubuntu (safe graphics)」を選択して「Ubuntu」を起動してください。
その後「Ubuntu」のインストーラーを起動し、「アップデートと他のソフトウェア」で「グラフィックスと・・・」の項目をオンにしてから、インストールを続行してください。
これにより「Ubuntu」インストール時に「NVIDIA」が提供するプロプライエタリー・GPUドライバーがインストールされるようになります。
インストール後の「Ubuntu」では「NVIDIA」GPUドライバーが使われるようになり、グラフィカル・セッション(GUI環境)が期待通りに動作するようになります。
本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
- [Nvidia Quadro P1000] Live USB freezes or cannot complete install when nouveau driver is loaded (crashing in gp100/gf100 code)
- [ThinkPad P1 and ThinkPad X1 Extreme] System got hang during the first boot.
2.メディアチェックをスキップするメッセージが表示されない
「Ubuntu 20.04 LTS」では、ライブUSBメモリーやライブDVDから「Ubuntu」を起動する際、ライブUSBメモリーやライブDVDの中身が破損していないか自動的にチェックするようになりました。このチェックは「Ctrl + C」キーでスキップすることができ、またその旨をメッセージで表示します。
しかしフレーバーの中には、このメッセージが表示されないフレーバーもあります。
本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
3.サードパーティー製ドライバーインストール時に、時間がかかる
以下のようにインストーラーでサードパーティー製ソフトウェアをインストールするオプションを有効にし、「続ける」ボタンをクリックした時に、次の画面が表示されるまで時間がかかることがあります。本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
4.インストール中にWi-Fi接続が切れる
ある特定の「Broadcom」製ワイヤレスカードを利用しており、インストーラーでサードパーティー製ソフトウェアをインストールするオプションを有効にしている場合、インストール中にWi-Fi接続が切れることがあります。本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
5.キーボードレイアウトが英語に戻される
インストーラーで選択したキーボードレイアウトが、インストール中に英語 キーボードレイアウトに戻されることがあります。インストーラー上でパスワードを入力する画面では、実際に入力したパスワードが正しい内容かどうかを確認してください。
インストーラーには実際に入力したパスワードの表示・非表示を切り替えるオプションが同画面内に配置されています。
この不具合は現在調査及び修正作業中です。
本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
アップグレード
アップグレードに関する既知の問題です。1.Ubuntu 18.04 LTSからアップグレードに失敗する
「clang-6.0」と「pocl-opencl-icd」がインストールされている「Ubuntu 18.04 LTS」から「Ubuntu 20.04 LTS」へアップグレードする場合、アップグレードに失敗する可能性があります。事前に以下のパッケージを削除してから再度アップグレードを実行してください。
- clang-6.0
- libomp5
本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
2.指紋認証が無効になる
データベースのフォーマットが変わったため、既存の保存済みの指紋情報が「fprintd」から削除されます。従来のユーザー名とパスワードによるログインなど、事前に指紋認証以外の方法でログインできるようにしておいてください。
本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
Ubuntu Desktop
「Ubuntu Desktop」に関する既知の問題です。1.NVIDIAプロプライエタリードライバーで分数スケーリングが動作しない
NVIDIAプロプライエタリードライバーを利用している環境では、分数スケーリングが動作しません。本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
- [nvidia] Screen scaling 125% gives 200%
- [nvidia] Screen turns off when trying to set some fractional scaling values
2.NVIDIAプロプライエタリードライバーで自動ログインが動作しない
NVIDIAプロプライエタリードライバーを利用している環境では、自動ログインが動作しません。本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
3.オーディオデバイスの選択が無視される
「設定」で行ったオーディオデバイスの選択は、アップグレード後に選択が無視されることがあります。本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
4.ZFS環境で起動に失敗する
2番目のドライブ上に「bpool」もしくは「rpool」という名のプールがすでに存在する場合、「ZFS」でインストールすると起動できなくなります。本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
5.数値のみのユーザー名は作成できない
「Ubuntu 20.04.3 LTS」以降、「useradd」で数値のみのユーザー名は作成できなくなりました。このようなユーザー名は「systemd」のコンポーネントで問題が発生しかねないためです。
本件に関する内容は、以下を参照してください。
Raspberry Pi
「Raspberry Pi」に関する既知の問題です。1.起動中にu-bootが停止する
「Raspberry Pi 4」向け「Pimoroni Fan Shim」は、GPIOヘッダーのコンソールピンをRGB LEDの制御に再使用します。この結果、起動中にシリアルラインにノイズが乗り「u-boot」が停止します。
(キーが押されたものと判定するため)
起動シーケンスを完了させるには、「/boot/firmware/syscfg.txt」ファイルに「enable_uart=0」を追記し、シリアルコンソールの許可を無効にしてください。
本不具合に関する内容は、以下を参照してください。
2.HDMI経由のオーディオ出力がデフォルトに
「Ubuntu 20.04.1 LTS」以降、「Raspberry Pi」が「HDMI」に接続されている場合、HDMI経由のオーディオ出力がデフォルトで使用されます。ヘッドフォンジャックでの音声出力を強制したい場合は、「~/.asoundrc」ファイルに以下の内容を記述してください。
defaults.pcm.card 1
defaults.ctl.card 1
defaults.ctl.card 1