KDE Plasma 5.19の新機能と変更点
2020年6月9日、「KDE Plasma 5.19」がリリースされました。リリースアナウンスから「KDE Plasma 5.19」の新機能と変更点を紹介します。
リリースアナウンスは以下を参照してください。
Kubuntu 20.10で採用予定
「Kubuntu」はデスクトップ環境に「KDE Plasma」を採用した「Ubuntu」のフレーバーです。2020年10月にリリース予定の「Kubuntu 20.10」で「KDE Plasma 5.19」が採用される予定です。
「KDE Plasma 5.19」をビルドするには「Qt 5.14」以降が必要ですが「Kubuntu 20.04 LTS」では「Qt 5.12 LTS」を採用しているため、現状「Kubuntu 20.04 LTS」環境で「KDE Plasma 5.19」をビルドできません。
そのため現在「Kubuntu Backports PPA」で「Kubuntu 20.04 LTS」向けに「KDE Plasma 5.19」は提供されていません。
より洗練されたPlasmaへ
「KDE Plasma 5.19」はUXに影響を与える数々の不具合やデザインを修正したバージョンです。つまり本リリースは前リリースの「KDE Plasma」にさらに磨きをかけたリリースとなります。
「KDE Plasma 5.19」の開発では、「KDE Plasma」の一貫性向上や、ウィジェット及びデスクトップ要素のデザイン調整と統一感の向上に焦点があてられています。
例えばユーザーがさらにデスクトップのカスタマイズを行えるように、「システム設定」に設定オプションが追加されました。
また使い勝手が改善され「KDE Plasma」とそのコンポーネントは、ユーザーに使い易さと快適さを提供します。
Plasmaデスクトップとウィジェット
Plasmaデスクトップとウィジェットに関する内容です。新しい壁紙とアバター
新しい壁紙とアバター(ユーザーアカウントに設定する画像)が採用されました。パネルスペーサーの改善
パネルスペーサーはパネル上のコンポーネントの配置を調整する要素です。パネルスペーサーは、ウィジェットを自動的に中央にセンタリングできるようになりました。
システムトレイアプレットと通知の改善
システムトレイアプレットと通知のヘッダーエリアの統一感が向上しています。GTKアプリのカラーリングの改善
「GTK 3」アプリは、新しく選択されたカラースキームが即座に適用されるようになりました。また「GTK 2」アプリのカラーリングが壊れることはなくなりました。
固定幅のフォントサイズの変更
デフォルトの固定幅のフォントサイズが9ポイントから10ポイントに変更されました。これにより文字の読み易さが向上しています。
メディアプレイバックアプレットのデザイン刷新
システムトレイのメディアプレイバックアプレット(Media Playback Applet)及びそれに関連するコンポーネントのデザインが刷新されました。これにより音量調整をもっと視覚的に行えるようになりました。
その他の改善
タスクマネージャーのツールチップのデザインが見直され、システムモニターウィジェットは1から書き直されました。またスティッキーノートの使い勝手が向上しています。
システム設定
システム設定に関する内容です。ファイルインデックスの改善
ファイルのインデックス処理を制御するオプションが追加され、各ディレクトリー毎により細かな制御が可能になりました。また隠しファイルをインデックス対象から外す設定も可能です。
Waylandのサポート改善
「Wayland」向けにマウスとタッチパッドのスクロール速度を調整するオプションが追加されました。デザインの見直し
以下の設定画面では、デザインが改良されています。- デフォルトのアプリケーション
- オンラインアカウント
- グローバルショートカット
- KWinルール
- バックグラウンドサービス
フォント設定画面の改善
フォント設定画面では、多数の細やかな改善が行われています。ディスプレイ設定画面の改善
ディスプレイ設定画面では、各画面解像度ごとにアスペクト比が表示されるようになりました。デスクトップ効果設定画面の改善
デスクトップ効果の設定画面では、アニメーションの速度をもっと細やかに設定できるようになりました。設定画面の呼び出し
「KRunner」やアプリケーションランチャーから簡単に各設定画面を呼び出せるようになりました。Info Center
「Info Center」の画面はシステム設定の画面と一貫性を保つように改善されました。またGPUの情報が表示されるようになりました。
KWinウィンドウマネージャー
KWinウィンドウマネージャーに関する内容です。チラツキの抑制
KWinウィンドウマネージャーにサブサーフェスのクリッピング機能が追加されました。これにより多くのアプリでチラツキを大幅に抑えることができます。
ウィンドウアイコンの色味調整
またウィンドウのタイトルバーにあるウィンドウアイコンは、現在のカラースキームに合うように色味が調整されるようになりました。Waylandのサポート改善
タブレットやコンバーチブルなノートPCで、画面の回転が動作するようになりました。Discover
「Discover」に関する内容です。Flatpakのサポート改善
「Flatpak」のリポジトリーを削除する機能が追加されました。アプリケーションのバージョン表示
アプリケーションのバージョンが表示されるようになりました。この機能は複数のバージョンが利用可能な時に役立ちます。
またバージョンの選択が可能です。