Ubuntu Touch OTA-13がリリースされました
2020年9月21日、「Ubuntu Touch OTA-13」がリリースされました。「13」という数値が示す通り、13回目のメジャーアップデート(安定版リリース)となります。
来週Ubuntu Touch OTA-13が利用可能になるデバイス
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスのうち以下のデバイスに関しては、来週「Ubuntu Touch OTA-13」が利用できるようになります。- LG Nexus 5
- OnePlus One
- FairPhone 2
- LG Nexus 4
- BQ E5 HD Ubuntu Edition
- BQ E4.5 Ubuntu Edition
- Meizu MX4 Ubuntu Edition
- Meizu Pro 5 Ubuntu Edition
- BQ M10 (F)HD Ubuntu Edition
- Nexus 7 2013 (Wi-Fi and LTE models)
- Sony Xperia X
- Sony Xperia X Compact
- Sony Xperia X Performance
- Sony Xperia XZ
- OnePlus 3 and 3T
新しいデバイスのサポート
「Ubuntu Touch OTA-13」で新しいデバイスがサポートされました。以下のデバイスが公式にサポート対象となり、他のサポート済みデバイスと同様にアップデートを受け取れるようになりました。
- Sony Xperia X
- Sony Xperia X Compact
- Sony Xperia X Performance
- Sony Xperia XZ
- OnePlus 3 and 3T
チャンネルの確認
公式にサポート対象となったためこれらのデバイスは、「Stable」チャンネルからアップデートを受け取れるようになりました。以下の手順でチャンネルの確認画面を表示し、現在のチャンネルを確認できます。
- System Settings(システム設定)
- Updates(アップデート)
- Update Settings(アップデート設定)
- Channels(チャンネル)
UBports Installerのサポート
またこれらのデバイスは、「UBports Installer」から「Ubuntu Touch」をインストールできるようになりました。「UBports Installer」はデバイスに「Ubuntu Touch」をインストールするためのインストーラーです。
ブラウザーやウェブアプリの改善
ブラウザーやウェブアプリが改善されました。QtWebEngine 5.14の採用
以前は「QtWebEngine 5.11」を採用していましたが、「QtWebEngine 5.14」にアップデートされました。パフォーマンスの向上
「QtWebEngine 5.11」の採用により、今までよりも新しい「Chromium」エンジンを利用できるようになり、「Morph」ブラウザーやその他すべてのウェブアプリが改善されます。例えばブラウザーは「JetStream2」や「JavaScript」、「WebAssembly」のベンチマークにおいて、全てのデバイスでパフォーマンスが25%向上しています。
同様にウェブアプリでもパフォーマンスが大きく向上しています。
任意のテキストを選択できる
今までテキストを選択してコピーする際、単語や行全体、あるいは段落全体を選択してコピーしていました。この振る舞いが改善され、タッチ操作で任意のテキストを選択しコピーできるようになりました。
ダウンロードしたファイルを開く
ブラウザーでは、ダウンロードしたPDFファイルやMP3ファイル、画像やテキストファイルをブラウザー内で開けるようになりました。ファイルは「Open with」ページの右上角にある「Open」ボタン経由で開くことができます。
さらにこのUI/UXは将来のバージョンで改良される予定です。
システム設定
「System Settings(システム設定)」のメインメニューにアイコンベースのUIが追加されました。元々このUIは「Canonical」時代に削除されたUIですが、ウィンドウサイズが非常に小さい時にアイコンベースのレイアウトを使用することで操作性が向上します。
また2列のレイアウトとアイコンベースのレイアウトは、ウィンドウサイズに応じて自動的に切り替わるようになっています。
2列のレイアウト
アイコンベースのレイアウト
UIデザインの改良
ほぼすべてのアプリのデザインが改良され、見た目がよりシンプルかつ明瞭に、そしてもっと目に優しいデザインになりました。メッセージや連絡先、ダイアラーの改善
メッセージや連絡先アプリ、ダイアラーアプリなどコアアプリ及びそのバックグラウンドサービスが改善されました。連絡先アプリが誕生日の設定に対応
連絡先アプリ(Contacts)では誕生日が設定できるようになり、カレンダーは自動的に「Contact birthdays」に誕生日を読み込むようになりました。連絡先編集画面の改善
連絡先の編集画面が一新され、キーボード操作を邪魔することなく連絡先を入力できるようになり、またフォールド(項目)を追加する時に必要なアイテムをコンボボタンから探せるようになりました。連絡先がスワイプ操作に対応
加えて連絡先アプリではスワイプ操作に対応し、今までよりも簡単に連絡先リストから連絡先を削除したり、電話をかけたり、メッセージを送信できるようになりました。連絡先の取り込みがもっと簡単に
連絡先をもっと簡単に「Ubuntu Touch」に取り込める(インポート)ようになりました。初めて連絡先アプリを起動した時に、「VCF」ファイルから連絡先を取り込む画面が表示されます。
以前も「VCF」ファイルを連絡先アプリと共有(Sharing)することで連絡先を取り込むことが可能でした。
しかし今回の改善でユーザーがそのことに気付きやすくなり、もっと簡単に連絡先を取り込めるようになりました。
ダイアラーから電話をかける
ダイアラーアプリ(Dialer)内の連絡先リストから「Call」ボタンを選択すれば、電話番号の表示やユーザーからの確認待ちを行うことなく、即座に電話をかけるようになりました。SMSやMMSメッセージがあふれる問題を修正
SMSやMMSメッセージの表示があふれる問題が修正されました。音声の録音や動画メッセージの修正
音声の録音や動画メッセージの送信に関する不具合が修正されました。その他の修正や改善
その他の修正や改善です。IPv6のみのネットワークへの接続
「IPv6」のみのネットワークへの接続に関する不具合が修正されていますが、テストを実施することができませんでした。問題があれば不具合を報告してください。
OnePlus One
「OnePlus One」の近接センサーの初期状態を正しく認識するようになりました。また充電ケーブル接続時及び切断時に画面が明るさが変化するようになり、通話が開始されたときに画面が点滅しないようになりました。
マグネットカバー
以下のデバイスでは、スマフォのマグネットカバーによるデバイスのスリープと復帰に対応しました。- Nexus 7 2013
- Xperia X
- OnePlus One
パワーインジケーター
パワーインジケーター(電力インジケーター)にあるトーチスイッチは、「Nexus 6P」などより多くのデバイスで動作するようになりました。lomiri-ui-toolkit
「lomiri-ui-toolkit」による「QT Platform」のテーマやアイコンテーマのサポートが改善されました。これにより「Lomiri」が使用するアイコンは、他のアプリが使用するアイコンと同じになり、統一感が向上しました。
Ghostチャンネルの非表示
「Xperia X」など新しいデバイスでは、実際にインストールには利用できない「Ghostチャンネル」が「Update Settings」に表示されないようになりました。- Return only appropriate system-image channels; release properly
- Remove unnecessary (and unreliable) series check
ビジー状態のアプリの改善
ビジー状態のアプリは「Lomiri」と非同期にプロセスを再開することで、高速に再開するようになりました。その他詳細な変更点
その他詳細な変更点は、「Changelog」を参照してください。postmarketOS/Alpine Linux
「postmarketOS」で「Lomiri」や「Lomiri」のインジケーターなど「Ubuntu Touch」のコンポーネントを移植及びビルドする作業が行われています。「postmarketOS」は「Alpine Linux」ベースのモバイルデバイス向けOSであり、「Alpine Linux」上での作業に相当する取り組みです。
スタックが異なる
「Alpine Linux」に「Ubuntu Touch」のコンポーネントを持ち込むということは、「Alpine Linux」のスタックに「Ubuntu Touch」を適合させる必要があるということです。例えば「Alpine Linux」では「GNU libc」の代わりに「musl libc」を使用し、「Ubuntu Touch」より新しいコンパイラーやビルドツール、その他様々な異なるソフトウェアを使用しており、これらのスタックに対応しなければなりません。
Ubuntu 20.04 LTSへの移行がもっと簡単に
この取り組み及びその成果により、「Ubuntu Touch」のベースOSを「Ubuntu 20.04 LTS」やそれ以降の「Ubuntu」へより簡単に適合させやすくなるでしょう。Ubuntu Touch OTA-13をインストールするには
「Ubuntu Touch OTA-13」をインストールする方法です。1.stableチャンネルでUbuntu Touchを利用している場合
現在「stable」チャンネルですでに「Ubuntu Touch」を利用している場合、「System Settings」の「Updates」画面から「Ubuntu Touch OTA-13」へアップデートできます。ただしアップデートの提供は、本日から2020年9月28日にかけてランダムに提供されるため、デバイスによってアップデートを受け取れる時期が異なります。
これはアップデートに問題が見つかった際に、ユーザーへの影響を軽減するための措置です。
即座にアップデートを適用したい場合
即座にアップデートを適用したい場合、まずデバイスのADBアクセスを有効にします。次に「adb shell」上で以下のコマンドを実行します。
sudo system-image-cli -v -p 0 -- progress dots
2.Ubuntu Touchを新規にインストールする場合
「Ubuntu Touch」を新規にインストールする場合、以下を参考にして「Ubuntu Touch OTA-13」をインストールしてください。不具合を見つけた時は
不具合を見つけた時は、まず以下のドキュメントに目を通し不具合の報告方法を確認してください。また同様の不具合がすでに報告されていないか、以下で確認してください。
Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。ユーザーのプライバシーと自由を尊重したOSです。
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。
つまり1つのモバイルデバイスで、モバイル環境とデスクトップ環境を利用することができます。
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。