CentOSユーザーに贈るUbuntu LTSに移行する6つのポイント
既報の通り「CentOS」は既存のサポートを以って開発が終了します。「CentOS」ユーザーの中には移行先のOSを検討しているユーザーもいるかもしれません。
そんな「CentOS」ユーザーに贈る「Ubuntu LTS」に移行する6つのポイントが以下で紹介されています。
ちなみに「Ubuntu LTS」とは、2年に一度リリースされる長期サポート版の「Ubuntu」のことです。
様々な分野で人気のUbuntu
「Ubuntu」はパブリッククラウドやデータセンター、エッジ分野においても最も人気のあるLinuxディストリビューションです。カジュアルなデスクトップユーザーから見れば「Ubuntu Desktop」に目がいきがちですが、「Ubuntu」はサーバーやエンタープライズ分野でも高い評価を得ています。
例えばウェブサーバーの市場シェアに目を向けると「Ubuntu」は「47.7%」のシェアを誇っており、2017年来1位のシェアを維持しています。
OS | シェア |
---|---|
Ubuntu | 47.7% |
CentOS | 18.8% |
Debian | 17.5% |
余談ですが「Ubuntu」と「Ubuntu」のアップストリームである「Debian」で過半数を超える市場シェア(65.2%)を確保してる点は興味深いでしょう。
もちろん「Ubuntu」が選ばれるのには相応の理由があります。
その理由の中には「CentOS」ユーザーが魅力的に感じる理由もあるかと思います。
1.開発者に人気のUbuntu
以下の開発者向けアンケートでは、数あるLinuxディストリビューションの中で「Ubuntu」が最も開発者にとって人気のあるLinuxディストリビューションに選ばれています。プロの開発者の66%及び学生開発者の69%が「Ubuntu」を好んで利用しています。
プロの開発者に限れば「Windows」よりも「Ubuntu」を好む開発者の割合が大きくなります。
アンケート結果の詳細は「05 Microsoft Windows and Ubuntu are the most preferred operating systems」の項目を参照してください。
最新のオープンソースソフトウェアを数多く提供
「Ubuntu」が好まれる理由の1つは、「Ubuntu」が開発に必要な最新のオープンソースソフトウェアを数多く提供している点です。例えば「Ubuntu 20.04 LTS」では以下のソフトウェアを含む3万を超えるオープンソースパッケージを提供しています。
- Python
- Ruby
- Go
- Java
- Apache
- Nginx
- PostgreSQL
- MySQL
- Node.js
- PHP
「Ubuntu」の次にプロの開発者が好むLinuxディストリビューションは「CentOS」でありその割合は「11%」ですが、この理由で2位の「CentOS」と割合を大きく離す結果に繋がっています。
2.Ubuntu LTSは安定性と安全性が確保され、計画的に運用可能である
「Ubuntu LTS(Long Term Support)」は2年毎の4月にリリースされる長期サポート版です。運用計画を立てやすい
現在最新版のLTSリリースは、2020年4月にリリースされた「Ubuntu 20.04 LTS」です。2年毎にLTS版がリリースされるので、次のLTSリリースは2022年4月にリリースされる「Ubuntu 22.04 LTS」になります。
そのため先を見据えた運用計画を立てやすくなっています。
5年間の無償セキュリティーアップデート
「Ubuntu LTS」は長期サポート版であるため、リリースされてから5年間無償でセキュリティーアップデートが提供されます。また必要なら有償サポートによる5年間のサポート期間の延長も可能です。
有償サポートも含めればトータルで10年間のサポート期間が提供されます。
Ubuntu Security Teamによるセキュリティーメンテナンス
「Ubuntu Security Team」は「Ubuntu」ユーザーの安全性を継続的に確保するため、数千を超えるセキュリティーパッチを適用し、メンテナンスを実施しています。実際2016年4月にリリースされた「Ubuntu 16.04 LTS」ではリリース以来、5,000を超えるCVE(脆弱性)に対応してきました。
しかもこれらの対応はすべて無償で実施され、ユーザーにセキュリティーアップデートを提供しています。
致命的な脆弱性は24時間以内に修正
影響が大きい致命的な脆弱性に対しては、平均して24時間以内に問題が修正されています。最新LTSリリースのUbuntu 20.04 LTS
現在最新版の「Ubuntu LTS」は、2020年4月にリリースされた「Ubuntu 20.04 LTS」です。リリースされてから5年間の無償サポートが提供されるため、2025年4月までサポートが提供されます。
3.サブスクリプション不要で自由に利用可能
「Ubuntu」は自由にダウンロードし、インストールし、そして利用することが可能です。「Ubuntu」の後ろ盾となっている営利企業の「Canonical」では有償サポートサービスを展開しており、高度なサポートが必要な企業は別途有償サポートサービスを契約することも可能です。
しかし有償サポートサービスを契約していなくても、利用可能な「Ubuntu」に違いはありません。
有償サポートサービスはオプションであり、有償サポートサービスを契約していようがなかろうが、同じ「Ubuntu」を利用できます。
本番環境で利用する「Ubuntu」で有償サポートサービスを契約し、開発環境で利用する「Ubuntu」で有償サポートサービスを契約していない環境でも、双方で同じ使い勝手を提供します。
4.高度なサポートと柔軟な料金体系
無償のまま「Ubuntu」を利用することも可能ですが、先に紹介したように高度なサポートを併せて利用することも可能です。「Ubuntu」は最も費用対効果の高いオープンソースのプラットフォームであり、世界中に数百万のユーザーが存在しています。
企業にとってOSの移行は、大きなリスクとコストが伴うものです。
「Canonical」では有償サポートサービス及びエンタープライズのサポートチームにより、企業の「Ubuntu」への移行を支援しています。
「FIPS 140-2」に適合した暗号モジュールの提供や、「DISA/STIG」及び「CIS」による安全性の向上、「Canonical Livepatch Service」による稼働時間及びセキュリティーの改善など、企業が求める安全性も提供しています。
5.マルチクラウドな体験を提供
ワークステーションでもデータセンターでもエッジでも「Ubuntu」は顧客が望むなら、どの分野でも同じ振る舞いで機能します。特にパブリッククラウドでは、透過的な統合や多くのカーネルレベル、クラウド固有の最適化と共に最高のUbuntu体験を提供しています。
Ubuntu Pro
「Azure」及び「AWS」向けに高度なセキュリティーを組み込みそれぞれのサービスに最適化した「Ubuntu Pro」を提供しています。6.大規模なインフラに最適なUbuntu
「OpenStack」プライベートクラウドや、「Kubernetes」、「High Performance Computing(HPC)」そしてビッグデータのような大規模なインフラを構築する際、「Ubuntu」はその最適なプラットフォームになります。「Ubuntu」は安定性や相互運用性、高度な安全性、そして分かりやすいUXにより、この分野で幅広く採用されています。
Ubuntu 20.04 LTSをダウンロードするには
というわけで最新LTSリリースの「Ubuntu 20.04 LTS」を利用してみてはいかがでしょうか。「Ubuntu 20.04 LTS」のリリース情報やダウンロードは以下を参照してください。